西安の街の中心にある鐘楼は、明代に建てられた時間を告げるための塔です。
当時は朝になると高さ36mの鐘楼の鐘が鳴らされ、鐘を合図に城門が開けられたのだそうです。
建物に釘は一切使われておらず、2階建ての建物なのに外観は3階建てに見えます。
もともとは、別の場所にあったものを1582年に西安古城壁にある4つの大きな門、
東の長楽門、西の安定門、南の永寧門、北の安遠門につながる道が交差する場所に移されました。
鐘楼から西に少し離れた場所には鼓楼があります。
鐘楼の周囲は地下道があり、地下道を通って鐘楼や鼓楼へ行くことができるようになっています。
鼓楼も明代のものです。鼓楼の方が鐘楼より少しだけ早い1380年に建てられました。
こちらは夕刻に太鼓を叩いて時刻を知らせていました。
西安の鼓楼は、中国国内で現存する最大の鼓楼です。
残念ながら文革によって破壊されてしまい、現在のものは修復された建物になります。
鐘楼から安定門まで通じる西大街周辺は、イスラム教徒の回族が多く暮らしています。
鼓楼の周辺は回民街と呼ばれる、飲食店などが立ち並ぶ観光地になっています。
清潔感のある大唐不夜城と違って、こちらは昔ながらのB級グルメストリートです。
回民街というのは道の名前ではなく、イスラム教徒が多く暮らすこの辺り全体のことを指します。
西安名物の肉夾饃もここでは当然のことながら具材は羊肉と牛肉です。
他の名物小吃といえば、牛肉泡、羊肉泡、灌湯包(スープがいっぱいの小龍包)、
臊子面(sao zi mian) などなど。
とにかくいろんな種類の小吃がたくさん。通りは観光客でいっぱいです。
どこでもよく見かける串焼きや臭豆腐など、名物以外の屋台もずらっと並んでいます。
回民街の中で、北院門は回族の人々が最も多く暮らすエリアなのだそうです。
そういえば。。回民街でも売っている西安の干し柿は渋くなくて美味しいです。
値段も高くなく、日本の干し柿とほぼ同じような昔懐かしい味です。
中国で暮らしている日本人向けのお土産にいいかもしれません。
鼓楼のある場所から離れるにつれ、
観光客だけでなく、ここで生活している人の姿も多く見かけるようになります。
回民街にはイスラム教の寺院の他に、ラマ教、仏教寺院もあります。
ここは、いろいろな宗教や文化が組み合わさってできている街のようです。
都市の守り神が祀られている大きな城隍廟。
こちらは日本で言うところの神社にあたる場所なのかと。(間違えているかもです)
西安城隍廟は、中国の三大城隍廟のひとつで国の重要文化財に指定されています。
西安城隍廟の参道には蘇州でもよく見かけるようなお店や土産物屋さんが並んでいます。
ここは観光客で身動きできないような場所でもなく、見慣れた景色に何となくホッとするような感じです。
中国は広いので、所変われば景色も文化も雰囲気もずいぶん変わります。
まだまだ知らない場所の方が圧倒的に多いことを実感します。
初めての西安旅行、行きは金曜日の夜の寝台列車を使って、帰りは無錫まで飛行機を利用しました。
このパターンだと早起きが苦手な私でも、蘇州や上海出発の土日2日間で結構遊べます。
市内から西安咸陽国際空港までは少し遠いですが地下鉄で行けるので安心、便利です。
また機会があれば行ってみたいと思っています。