西安のシンボルと言えば街を囲む大きな城壁です。
完全な形で残されている古代城壁としては世界最大の規模を持ちます。
長い城壁にはいくつも門がありますが、その中で東西南北に4つの大きな門があります。
東は長楽門、西は安定門、南は永寧門、北は安遠門、これらの門は明代からずっと使われています。
今回は南門、永寧門の外側から城壁に入りました。(内側と外側の両側に入り口があります)
入るのは有料ですが、無料になる時間帯もあるようです。
城門の建物も巨大です。
遠くからでも、城壁や城門はよく見えます。
城壁の高さは12m、底辺の幅は最大箇所で18m、頂部の幅は12m~14mあります。
周囲は約14kmありますので、簡単に歩いて一周とはいきません。
城壁の上には、お土産物屋さん、喫茶店、子供の遊び場などもあります。
所々にトイレもあるので安心です。
自転車を使うことが許されているようで、レンタル自転車屋さんもありましたが、
営業しているような雰囲気はなく、自転車を使っている人も見かけませんでした。
現在は修復されて観光客が訪れる場所ですが、
数十年前までは長年放置されたままの荒れ果てた姿だったそうです。
近年になってから大規模な修理が行われました。
城壁の外側には堀が巡らされています。
永寧門の近くの内側には低層の住宅が並んでいますが、
外側は堀のすぐ近くまで高層ビルが建っています。
西安は、唐代には長安と呼ばれていました。
現存している城壁は、土で造られた長安の城壁を
明代にレンガを積み上げた城壁へと造り替えたものです。
唐代の長安城壁は明代より数倍大きく、周囲は30kmをゆうに超えていたそうです。
遣隋使や遣唐使が日本から遠路はるばるやってきて、この城壁の門から長安の街に入ったのでしょう。
日本の平安京は長安をモデルに造られています。
今回は時間の都合で行きませんでしたが、
西の安定門は欧州まで続く有名なシルクロードの発着点です。
シルクロードの敦煌や天山山脈にも機会があれば行ってみたいと思っています。
西安の街には、今でも2階建てバスをあちこちで見かけます。
蘇州ではもうかなり以前になくなっていますし、長春でも1系統しか走っていません。
地下鉄に乗るだけで簡単に到着できる西安古城壁に、
久しぶりに2階建てバスに乗ろうと、わざわざ遠回りして行ったのが、
安定門に行く時間がなくなった理由のひとつ。。でもあります。
永寧門から真っ直ぐ北へ延びる南大街も2階建てバスが走っています。
道の先には鐘楼が見えています。
西安古城壁から、鐘楼、鼓楼方面に歩いて行ってみることにしました。
鼓楼の近くには、イスラム教徒が多く暮らす回民街もあります。
西安のほんの一部分にしか行っていませんが、今回は本当によく歩く旅になりました。