先 生 業 NO.419
弁護士・司法書士・税理士など「士」のつく職業はおおむね「先生」と
呼ばれる。 その先生業の生活が最近なかなか苦しくなっている。
お金持ちの代表格としては医者と弁護士と言われたのは一昔前の話。
弁護士が少ないからと10年ほどの間に倍増させたところ、今度はあり余
って、折角日本一難しい試験に受かっても、生活が成り立たない。
自立できない弁護士はボス弁に居候して「イソ弁」などと云われたが、今
や居候先もなく、仕方なくボス弁の軒下を借りる「ノキ弁」から、軒下さえ
貸してもらえないで自宅を事務所に(と言っても事務所に適さないような
文化住宅に住んでいて)して、相談はもっぱら喫茶店や公的機関のロビー
などで処理する「携帯電話弁護士」つまり「ケイタイ弁」まで出現してい
ます。
そんな「先生」は収入も少なく、弁護士会の会費(年間50~60万円)
も支払えないから、弁護士登録をしない人(つまり営業をしない)または、
登録を取り消す人まで出てきて、なまじ知識と知恵があるからそれを悪用
して、あらた人生を誤る人もいる。
そういうことは弁護士のみならず、お医者さん以外のあらゆる「士業」に
ついてもいえることで「士業受難」の時代です。
「背に腹を替えられない先生」は、時には悪魔のささやきに誘惑されて、
依頼人食い物にする。
先生を選ぶにも慎重な配慮と、適切な情報が必要です。