小 沼 NO.409
柏戸の相撲部屋に「小沼」という、将来は大関・横綱間違いなしと嘱望された力士がいましたが、厳しい稽古について行けず郷里に逃げ帰ってしまいました。でも、彼の父親は厳格なひとで、おとこ志を立てて郷里を離れたんだから、望みを達成して故郷に錦を飾るか、それとも死んで帰るかどっちかだ!と追い返えしました。
仕方なく小沼は親方に詫びを入れて、心を入れ替えて精進すると誓約して、やっと復帰を認めてもらった。
でも、どうしても厳しい稽古に耐えられず、今度は髪の毛を切り落して破門となりました。
素質や才能があっても、このように厳しい試練に耐えられない人は、頂点に立つことはできません。
ところで、近年才能や素質や何よりも「可能性」のある若者を弊履のように使い捨てる「ブラック企業」が繁殖し、心を蝕み・健康を蝕み・日本の経済活動を蝕んでいることは憂慮に堪えません。
特定の企業名は記しませんが、そういう企業が提供する製品やサービスが例え安価なものであっても、そういう製品やサービスは勤労者の生き血を啜って存在するものですから、そういうものを買い求めないように・そういう企業の生き残りを許さないように、すべての心ある国民に求めたいものです。