傘 張 り NO.422
江戸時代も末期になると武士は必要なくなり、多くが浪人になって、糊口を得るために、まじめなひとは傘張り職人になったり、そういうことができない人は一攫千金を狙って狼藉を働き、世の嫌われ者になったりしました。世の中の仕事がなくなる・・・それは封建制度が終焉する一つの顕著な現象でした。今日の資本主義というシステムは、世界史的には約500年続いたと言われますが、民の仕事がなくなるという現象は、封建制という一つの社会の形態が終焉した時と同じような社会現象を起こしているのではないかと思います。日本では、ブラック企業が若者の血をすするような過酷な条件で酷使して肥満化していますが、一方では少子化が進んで労働力が不足するという時代に入りつつあるように思えます。そして、世界的規模で見るとヨーロッパでは25歳以下の若者の4人に一人に仕事がなく、過酷な低賃金で働いていますし、アイルランド・イタリアでは3人に一人、ギリシャ・スペインでは失業率が53%に達しています。(2012年の統計若者(高齢者も同じ)に仕事がなくなる、という現象は制度の如何にかかわらず、現行のシステムが崩壊(終焉)する兆しである。資本主義が良いとか悪いというのではなく、耐用年数が尽き果てて地崩れを起こしはじめている。*「資本主義の終焉と歴史の危機」水野 和夫著 を参考にしました。