27.09.13 親 の 心 NO.916
・・・子知らず・・と言いますね。 信長は自分の後継者として光秀を心中で決めていました。 秀吉は
調子はいいが頭が悪い。 天下国家の覇権をゆだねるのは頭脳明晰な秀光を措いてほかにはない
と思っていました。 でも、そういうことは口に出して言わなかった。
むしろ、ちょっとしたミスでもガンガン叱りつけ、少々の手柄を立てても褒めもしなかった。 それは後継
者養成のための教育でした。 ところが、光秀はそういう信長の心中を伺い知ることが出来なかった
のです。 自分は信長に嫌われている。 いつかきっとイビリ殺されると思い込んでいたのです。
あるとき酒に酔った信長がキリスト教の宣教師から聞いていた、西洋の大統領について語り、日本の国
もいずれはそうあるべきだという構想を披歴したのです。
民・百姓が主権者となって、4年に一度交代する「棟梁」を選び、その棟梁が国を治める。
では、一体自分たち大名の地位や身分はどうなるんだ! 冗談じゃない! 民・百姓・商人なんか
が権力を握る! そんな馬鹿な! ・・・そういう思いが昂じて、光秀はほとんどパニックに陥りました。
他の大名にも信長の「無謀」が伝播し、信長の身近にいて一番裏切りやすい立場の光秀が、他の大名
からけしかけられて本能寺で信長を「討った」のです。 「親の心子知らず」の典型です。
*池宮 彰一郎著 「本能寺」を参考にしました。