27.09.27 便 宜 訴 訟 NO.930
貸したお金を返してもらいない場合は「貸金返還請求訴訟」という民事訴訟の手続きを執らなければ
なりません。 そのためにはお金もかかるし時間もかかる。 そこで、お金は貸したのではなくて騙
し盗られたということにして警察に告訴し警察が動いてくれるのなら、時間もお金もかからない。
でも、こういう場合には「便宜告訴」と言って警察では受理しません。
生命保険会社が保険金を支払いたくないので、夫が死亡したのはその妻が薬物を服用させて殺害した
のであって、保険金の支払いはしないという民事裁判で、裁判所はあっさり殺人を認めてしまった事例
がありました。 普通こういう場合、保険金を払うのか払わないのかということと、その背景としての
犯罪の有無は、刑事訴訟でしか判断されないものです。
民事裁判は相撲の行司役と同じで、勝ち負けを判断するのみで決まり手がどうだとか、こうすればよか
ったんだなんて評論家みたいなことは言わないものです。 このケースでは、民事が踏み込んではいけ
ない一線を踏み込んで「犯罪」という刑事の分野まで認定しています。
こういうことは最近の傾向で「司法のしゃべり過ぎ」という批判になっています。 でも、民事訴訟の中で
刑事事件の犯罪を認定してくれるのであれば、裁判所が「犯罪があった」とお墨付をくれることになります。
われわれが遭遇する「不法行為」が認められるならば、腰の重い警察も放置できないでしょう。
警察が受理しない行為であっても、どんどん民事でやればよろしい。