27.09.19 不 動 産 NO.922
何時のころだっか、姉小路佑の「動く不動産」という作品がありました。
不動産とは名の如くデンと構えて動かないものであるべきところ、地面師たちによっていつの間にやら
他人に権利が移って(動いて)いるという内容で、ちょっとした知識と度胸があれば誰だってやれそうな
手口を詳細に書いたものでした。
ところが近年の数次にわたる法改正と実務的な取り扱いの改正を経て、今では「法的」にはほとんどそ
のような侵奪は出来なくなりました。 ところが、例のバブルの崩壊と失われた数十年と言われる不
景気で、地価はどんどん下落し、駅前の一等地以外は下落傾向になっていますし、銀行の融資対象か
ら除外された狭小土地や交通利便が悪い地域・坂道が多くて高齢にとっては決してやさしくない環境の
地域では、家屋は老化するが建替えの費用は出したくない、と言って売却しようと思っても買い手がつ
かない不動産が増大し、不動産は今や「負」の財産になって来ました。
一昔前ならば、イザという時には「不動産」を売れば何とかなるという風潮がありましたが、世の中どん
どん変化してどうすれば老後の安心をつかめるのか・・・ちょっと難しくなって来ました。