29.03.21 道 徳 NO.1470
戦前の教科にはあったのでしょうが、終戦時小学校2年生だった私には習った記憶が
ありません。 親に孝に 兄弟(けいてい)に友(ゆう)に、夫婦相和し・・・つま
り、親には孝行をしなさい・兄弟は仲良くしなさい・夫婦はお互いに和やかに慈しみ
会いなさい、までは良いとして「忠臣愛国」、「君」は天皇陛下ですから、天皇には
忠誠を誓い・国のためならば命を投げうてということになると、主権在民の国として
はまことにおかしい。
父親が命を投げ打った(というより投げ打たされた)ために妻子を貧困のどん底に陥
れ、母子家庭・貧乏人と蔑まれなければならなかったわが身を顧みると、国が言う
「道徳」って実に馬鹿ばかしいインチキに過ぎない話です。
親孝行しようにも天皇や国(という得たいに知らないお化け物)に命を捧げていたの
では、孝行のしようもありません。
もちろん国が言う「孝行」なんてものもインチキで、吉宗が親孝行を奨励して孝行者
に褒美を出したのは、救恤*費用を抑制するための高等政策だったといわれていま
す。 因みに、親不孝は「勘当」によって戸籍からはく奪するという罰則が用意さ
れていました。 いま、その「道徳」掲げる教育勅語がすばらしという、稲田さん
や安倍さんは、ちょっと時代錯誤じゃないんでしょうか?
*救恤(きゅうじゅつ)貧困者・罹災者などを救い、恵をあたえること。
今でいえば生活保護のようなもの。
*勘当(かんどう)親子・主従・指定などの関係を切って追放すること。