29.03.26 役 員 NO.1475
知人のHさんは会社を定年退職されましたが、子会社からの誘いがあって、役員待遇
で迎えられました。 この不況な時代にあっては実におめでたいお話しではありませ
んか? でも、私は他人事ながらちょっと違った目で見る必要性を感じます。
一つは、もし年金で生活ができるのであれば、なにも心身を酷使して働き続ける必要
はないのではないか? 一回きりしかない人生なんだから、仕事以外の趣味など、
もっと他のことをする方がいいんじゃないかな?という考えと、もう一つは、十分に
気を付けた方がいいんじゃないかなということがあるのです。
それは、役員待遇とはいっても所詮は雇われ役員です。 なのに商法上は「取締役一
帯の法理」によって経営上の責任(リスク)を負うことです。
会社が銀行借り入れなどする場合には、借入金の連帯保証を求められることがあり、
資金繰りが間に合わない場合には自己資金を用立てしなければならない場合だって出
て来ます。 そういうことは常態化します。
気が付いた時には退職金をつぎ込み、借金の連帯保証義務が発生して、それを解決す
るためにはせっかく手に入れたマイホーム売らなければならないような事態になって
いることさえあるのです。 役員待遇とは名ばかりで、実はその人の退職金が目当て
というような場合だってあるのです。
働ける間は働くということに異議はありませんさんが、何も命や財産を賭けるほどの
ことはないのではないかと思います。