新・本と映像の森 97(マンガ17) 白戸三平『風魔』<小学館文庫>、原著1966年
小学館、1999年、381ページ、定価本体629円
『真田剣流』の続編です。ただし登場人物が重なっているだけで、内容的にはまったく独立のものとして、前の本を読んでいなくても問題ありません。
「風魔(ふうま)」は通常は北条に仕える忍び集団だが、この白戸作品では、忍者の生活をまもる互助組織、最強の忍び集団となっています。
そのため徳川とその忍び、服部一族には目の上のコブとなっています。
物語を回す主人公は、風魔一族に偶然加わった、少年「コッパ」です。猿飛一族の死んだ黒猿の遺児であるコッパは、いわば目をつけられる運命にあります。前書を参照。
物語の主軸をなすのは、初代半蔵の影武者だった犬丸半蔵、名前の通り、犬使いであり、忍犬シジマを操っている。
そして風魔一族とその一員、二階堂主水(もんど)。二階堂主水と風魔一族の首領・小太郎と、若い太郎との関係は?
術の謎解きも、おもしろい。
犬丸の「天足通」「神渡り」「竜煙」
二階堂の「心の一方」
以下は目次
第1章 神かくし
第2章 亡霊復活
第3章 多面武蔵
第4章 異変二階堂流
第5章 二階堂乱舞
第6章 猿風
第7章 月影
第8章 蛍火狂乱
第9章 竜煙
第10章 飢牙作戦
第11章 シジマ無情
ボクのいちばん好きなのは、「風魔」の少女、蛍火です。『忍者武芸帳 影丸伝』でも、すてきな敵役だったけど、白戸さんも、またここで使ってるわけです。
このシリーズは、また紹介する機会もあると思うので、これくらいで。