新・本と映像の森 98 梅田 正己『日本ナショナリズムの歴史 1』髙文研、2017年
新・本と映像の森 98 梅田 正己/著『日本ナショナリズムの歴史 1 「神国思想」の展開と明治維新』髙文研、2017年、368ページ、定価本体2800円、
いま話題のテーマに真っ正面から挑んだ本。良書です。その第1巻だけ手に入れたので、紹介します。
まだ全部読んでいませんが、じっくりと読み込んでいきたいと思います。
「日本ナショナリズム」、つまり日本民族主義を歴史的に、古代天皇制から探求している。
1巻のおもしろいところは、① 日本史のなかの天皇、② 国学のとくに本居宣長の古事記との関わり、③ 水戸学と明治維新などです。
本居宣長は古事記をすべて事実だと信じていたのではないか、というのも凄いです。
目次は以下の通り。
Ⅰ 日本ナショナリズムの源流、
Ⅱ 国学と水戸学にみる初期ナショナリズム、
Ⅲ 日本史のなかの天皇制、
Ⅳ 幕末の動乱と天皇(制)復権への道程
梅田さんのナショナリズムの定義は、「ナショナリズムとは、他国との対抗関係において、自分たちの国(民族)の独自の歴史・文化を確認し、かつそれを誇示したいと思う、その心情をいう。」(p82)
「かつそれを誇示したいと思う」という部分が無ければ、この定義はボクでも賛成できると思います。
「正しいナショナリズム」というものもありそうです。