古代ブログ 112 秋田の温海山(あつみやま) 20191117
偶然読んでいた『芭蕉連句集』(岩波文庫、中村俊定・萩原恭男校注)にこういう発句があった.元禄2年の項です。
「三四 温海山や(曾良俳諧書留)
出羽酒田 伊東玄順亭二而
温海山や吹浦かけて夕涼 翁」(p114)
翁というのは芭蕉のことでしょう。発句の漢字にふりがなをつけてありましたので、やっとボクも気がつきました。これは安曇族の「あつみ」なのだと。
「温海山(あつみやま)や吹浦(ふくうら)かけて夕涼(ゆうすずみ)」
この本では「温海山」「吹浦」に注釈が次のように書かれています。
「温海山 ー 山形県酒田市の南約四十キロの海岸近くにある山」「吹浦 ー 酒田市の北、飽海郡遊佐町付近の海岸。温海山に「暑し」、吹浦に「吹く」を掛ける。」
しかし、これが安曇族の「あつみ」であれば、温海山は本来の読みが「あつみやま」なので、それに漢字の「温海山」をあてはめたのにすぎません。
それがボクの説に過ぎないにしても「あつみやま」の名称が古代海人の安曇族から出ている可能性を言わないのは、どういうものか。
安曇族は九州が故郷で、愛知県渥美半島や、長野県安曇野をはじめ全国にその足跡は知られています。
ボクのまわりにも渥美さんという人はいますね。