本と映像の森 230 林直道さん著『百人一首の世界』青木書店、1986年4月15日第1版第1刷~2003年12月17日新装版第1刷、217ページ、定価本体2300円+消費税
日本人で「百人一首」を知らない人は少ないとは思いますが、その「百人一首」を、文学者でも歌人でもない、マルクス主義経済学者が研究した異色の本です。
「百人一首」の歌の選び方が、最高の歌人の最高の短歌を選ぶのではなく、何かおかしい。別の原理で選んでいるのではないか、という疑問から始まって、この100人の歌人の各1首が、「織物」のように縦横で関連のある歌を配置していることを主張しています。
選んだ人は誰もが知っているように、藤原定家さんですが、その定家さんの内面の心境に沿って、どうやってその句が洗濯され、「歌織物」として何を表現しているか?
つまり「百人一首」は、地理と歴史を強く反映している、歴史的な「作品」です。
もっと考察していきます。
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この本は浜松市中央図書館で借りました。