雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

遠州の遺跡・寺社1 五社神社の謎の「姫大神」 

2009年11月21日 00時03分14秒 | 遠州古代史
遠州の遺跡・寺社1 五社神社の謎の「姫大神」


 1 浜松・五社神社の「姫大神」

 浜松市の中心部、今の「はまホール」、昔の「浜松市民会館」のすぐ北側に、「五社神社・諏訪神社」があります。

 毎年、「紅白歌合戦」が終わって「行く年来る年」が始まる頃、元旦の午前0時前から、急に、この五社神社前は、新年の参拝の人が集まってきます。人の波が、午前0時から午前1時頃まで続くのですが、浜松では、伝統があり、今でも人々の尊敬を受ける神社であることはまちがいありません。

 神社には、位(くらい)というのがあって、「特一級」から「十五等級」まであります。この「五社神社・諏訪神社」は、「特級」ですから、「偉い神様が祭られている」ことは、間違いないはずです。

 いま五社神社・諏訪神社の前に行くと、大きな赤い鳥居の左に、説明版があります。その説明版でも、手元にある『浜松神社名鑑』という本でも、五社神社の祭神は、つぎの5人です。
 つまり、神様が5人いるから「五社神社」ということのようです。

 1 太玉命
 2 武雷命
 3 斎主命
 4 天児屋根命
 5 姫大神
 
 問題は、最後の5番目の「姫大神」です。5人の神様のうち、4人までは、固有名詞で、『日本書紀』などの古代文献にも名前の出てくる神様ですが、「ひめおおかみ」とは、なんでしょうか。

 「姫(ひめ)」も「大神(おおかみ)」も、固有名詞ではない、一般名詞です。
 なんで、「姫大神」なる女性が、ひとりの特定できる女性だと言えるのでしょうか。

 そういう疑問から始まって調べ始めたら、すこしわかってきました。

 2 春日神社と宇佐神宮の「姫大神」

 静岡県神社庁浜松支部編集で『浜松神社名鑑』という本が昭和57年(1982年)に発行されています。浜松市内の神社「231社」をそれぞれ1ページづつまとめた本です。
 
 この本を見ていくと「姫大神」が、五社神社以外には、春日神社に出てきます。しかも、浜松市内に笠井地区に3つ、馬郡町にに1つある春日神社の祭神は、ほぼ五社神社と同じです。

 私は、五社神社という神社は、諏訪神社と合体していることから推定して、諏訪神社という出雲系の神社と思っていたのですが、それは大間違いのようです。
 つまり、五社神社は、実は、藤原氏の氏神である春日神社と同じ系統と言うことになるようです。五社神社・春日神社と、諏訪神社・遠江一宮である小国神社などとはまったく違います。

 インターネットで「姫大神」を検索すると、いろんな「○○○姫大神」がヒットしますが、春日神社以外に、もうひとつ、固有名詞のない「姫大神」が出てきます。

 それは、九州・大分県の宇佐神宮の「姫大神」です。
 しかも、宇佐神宮、つまり、日本で一番多い神社である八幡様の総本山ですが、一般に考えられている宇佐神宮の主神である八幡様=応神天皇ではなく、実は、「姫大神」こそ、宇佐神宮の本来の主神であるとする考察がいくつもあります。

 春日神社の「姫大神」と宇佐神宮の「姫大神」が同じ女性神と仮定すると、なぜ、藤原氏の春日神社に「姫大神」が入り込んでいるのでしょうか。あるいは藤原氏の最初からの祖先神なのでしょうか。

 インターネットで宇佐神宮を検索したら、「姫大神」は卑弥呼であるとの解釈が出ていました。非常に魅力的な仮説ですが、まだ仮説であって証明されていません。

 「姫大神」とは何か、私も、探索を続けたいと思います。

 (「遠江と古代史の森」に2004年12月30日アップした再録)

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