雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森 125 奥泉光さん著『シューマンの指』講談社、2010年7月

2011年01月21日 05時25分55秒 | 本と映像の森
本と映像の森 125 奥泉光さん著『シューマンの指』講談社、2010年7月

 「音楽推理小説」です。
 前に紹介した「さよなら、ドビュッシー」も最後にどんでん返しの謎解きがありましたが、これも帯には「ラスト20ページに待ち受ける、未体験の衝撃と恍惚-」と書いてあります。

 シューマンさんは、ショパンさんと同じ年、1810年の6月8日生まれなので、昨年は「シューマンさん生誕200年」なのですが、ショパンさんほどには騒がれませんでした。

 ぼくもショパンさんは、ピアノ曲をほとんど聴きましたが、シューマンさんはこれからなので、この本の最初に「ダヴィッド同盟舞曲集」なんて出てくると、本を置いて、CDを探しに行こうかと思いますね。

 もちろん、シューマンさんのピアノ協奏曲は、すごい、すてきで、何回も聴いています。

 小説は、主人公・里橋優さんへの旧友・鹿内堅一郎さんの手紙から始まります。
 
 ドイツに留学していた鹿内さんは、里橋優さんと知り合いのピアニスト・永嶺修人さんのコンサートと遭遇します。

 手紙は、ピアニストには致命的な、右手中指を切り落とした事故に遭遇した永嶺修人さんの右手が自由に動いているのに驚嘆した鹿内さんが里橋優さんに書いたものです。

 ネタバレは、あまりしたくないので、読み終わってから、どう紹介するか?考えますが、いま半分くらい読みましたが、シューマンさんの紹介テキストとしても傑作でもあることは間違い有りません。

 だって、音楽本より、「大反響!話題沸騰」の小説の方が、何倍?何十倍?印刷されるか。

 
 


雨宮日記 1月17日(月)夜 生きて生還して、則子さんとおいしいコーヒーを飲みに

2011年01月20日 05時48分27秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月17日(月)夜 生きて生還して、則子さんとおいしいコーヒーを飲みに

 昨夜は、大雪でスリップして心臓が(ペニスも)ちぢこまったりして、生きた心地がしませんでした。

 夕食のあと、則子さんに「おいしいコーヒーを飲みに行きたいな」と、上島2丁目の喫茶店「シーン」に行きました。

 ちょうど、長女のTさんの知り合いの作品展を「シーン」でやっていました。

 なんだか不思議で、すてきな生きものたちです。

 いつも大好きなクラシックの音楽が流れていて、月に何回か行く喫茶店です。

 則子さんといっしょに生きていると、こういう「余白」の時間が、とっても大事で、たいせつです。

 
 

本と映像の森 124 相田みつおさん『こころの暦 ひとりしずか』

2011年01月19日 07時08分54秒 | 本と映像の森
本と映像の森 124 相田みつおさん『こころの暦 ひとりしずか』

 相田みつおさんの素敵なことばが、家の2階のトイレにかかっていました。

 29日「ふるいものを出さなければ あたらしいものは入らない」
 
 これは、どっちなのか、ボクは判断できません。

 「あたらしいものを入れなければ、古いものは出ない」なのか。

 生物学者の福岡伸一さんの『生物と無生物のあいだ』講談社現代新書、を参照してください。

 物質代謝の基本は、どっちなのでしょうか。

 

雨宮日記 1月16日(日)深夜から17日(月)朝 何年かぶりの「大雪」で大変でした

2011年01月17日 16時13分32秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月16日(日)深夜から17日(月)朝 何年かぶりの「大雪」で大変でした

 土日も小雪が降っていまして、心配でしたが、案の定、16日夜から浜松では滅多にない「積雪」する雪になりました。
 家のあたりで車の上に3センチくらいでしょうか。

 雪に慣れた雪国では「3センチ?!で「大雪」?」「楽勝の小雪じゃないの!」と驚くでしょうが
 浜松では雪仕様のタイヤなんてみんな持ってないし、大事なのです。

 仕事のほうも名古屋からくるトラック便が3時間後れて、到着。
 いつもなら1人でやる仕事を、もう一人頼んで2人で分けて市内を走りました。

 時々、救急車のサイレンの音が聞こえています。

 おそるおそる雪道や凍った道を30キロ以内で走るのですが、
 何カ所かの坂道は登るのに滑ってたいへんだし、
 何カ所か市街地でスリップして車の制御が聞かなくなり、生きた心地もしなくなったり…
 
 明るくなった朝7時に事務所に帰ってきたら、
 事務所の前は通勤ののろのろ進む車の列で大渋滞でした。

 朝7時半に帰宅、台所で朝食を作っていた則子さんに
「無事生還しました」と報告して、朝食を食べさせてもらって寝ました。

 写真は夜中の事務所からの「雪景色」です。
 

遠州の遺跡・寺社 45 中区の三日月稲荷神社内の万葉「引馬」歌碑

2011年01月14日 13時45分09秒 | 遠州古代史
遠州の遺跡・寺社 45 中区の三日月稲荷神社内の万葉「引馬」歌碑

 「遠州の遺跡・寺社」を心新たに再開します。
 まだ寒いので、頻度はまだ少ないと思います。

 最初は、古代の「万葉集」歌碑からです。

 「9月29日  遠州の遺跡・寺社31 中区萩丘の朏三日月稲荷」で紹介したお稲荷さんの境内に万葉歌碑があります。

 有名な「引馬野に にほふ楱原 入り乱れ 衣にほはせ 旅のしるしに」という短歌です。
 
 ひくまのに にほふはりはら いりみだれ ころもにほはせ たびのしるしに 

 作者は、長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ)さんです。

 持統天皇のお供をして、大和かやってきたときにつくった歌ですが
 この「引馬野」がどこか、三河説と遠州説とがあります。

 もちろん中世の鎌倉時代頃から浜松の今の八幡宮のあたりを中心に「引馬宿」があったのは確かですが、
 古代の8世紀初頭(大宝二年=702年です)にはどうでしょうか?
 ぼくは今のところ、三河説です。

 ただし、三河であれ、遠州であれ、同じ朝鮮系の渡来人たちがいたのだから
 両方をひっくるめて「引馬」と言っていた可能性もあるでしょうね。
 
 なお現在の町名にある浜松市中区曳馬1丁目から6丁目は、中世の「引馬宿」からは
 かなり北にずれいている、新地名です。

雨宮日記 1月13日(木) 馬込川の水辺でカワセミが目の前に

2011年01月14日 13時37分15秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月13日(木) 馬込川の水辺でカワセミが目の前に

 何度も目撃しているのですが、カワセミが目の前の水辺で
 枝にとまって、何回も水路にダイビングしていました。

 たぶん魚を捕っているのでしょうけど、こんな水路に
 魚がいるのでしょうか?

 青とオレンジのカラーがきれいな翡翠色ですが、
 なせこんな目立つ色になったのでしょうか?
 カワセミは敏捷すぎて、カワセミを食べる捕食者(ワシタカ類?)もいないので、
 こんなキレイな色でもいいのでしょうか?

 写真は夕方で逆光のため色が薄いです。

雨宮日記 1月11日(火) 新聞についての則子さんとの対話

2011年01月14日 05時30分10秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月11日(火) 新聞についての則子さんとの対話

 今日から「N子さん」を、ほんとうの名前の「則子さん」に表記します。
 ですから、N子さんの「真実の名前」は、「雨宮則子」です…じゃないでしょ?!
 はい、「真実の名前」より「雨宮則子」の方が、なんだか、格好いいですね。

 もし則子さんの小説を書くときがあったら、主人公は「雨宮則子」さんと、「雨宮智彦」くんです。
 
 則「智彦くん、今の仕事について、やっぱり中日新聞も、だいじな資料だなと思ったの」
 智「ぼくも昔からそう思ってるけど、購読料を考えると、「とろう」とは、なかなか言えなくて」

 則「よし、いま「静岡新聞」「朝日新聞」「赤旗」の3紙だけど、「中日新聞」もとろうか?
 智「いいけど、新聞は、あくまで資料だよ」
 則「どういう意味?」

 智「新聞を読むことも大事だけど、もっと多くの時間を基本的に本を読まないと、新聞に食われますから」
 則「新聞を読む何倍くらい?」
 智「3倍以上かな」
 則「新聞を食べて昇華しなさいと言うのね?」
 智「まあそれは本も同じだけど。感動しているだけなら本はいらないね」
 

 
 

本と映像の森 123 高橋正樹さん著『破局噴火』祥伝社新書、2008年10月初版

2011年01月11日 05時11分43秒 | 本と映像の森
本と映像の森 123 高橋正樹さん著『破局噴火』祥伝社新書、2008年10月初版、244ページ、定価780円+消費税=819円

 「火山シリーズ」で新年から「本と映像の森 120 石黒輝原作・正吉良カラク漫画『カグツチ (上・下)』講談社、2008年」、「本と映像の森 121 石黒耀さん著『死都日本』講談社文庫、講談社、2008年(単行本2002年)」と書いてきましたが、実際に読んだ順は逆です。

 この高橋正樹さんの本は「カグツチ」や「死都日本」のような「破局噴火」が、日本列島で過去に何度も何度もおこって日本列島全体が火山灰に覆われたことを実証しています。

 たとえば7300年前に鹿児島県の現在の薩摩硫黄島の位置にある「鬼界カルデラ」の破局噴火で噴出した「アカホヤ火山灰」が日本列島に分布しています。
 浜松のあたりでは十数センチでしょうか。

 2万9千年前の地層からは、鹿児島県の桜島火山付近の「姶良カルデラ」からの「AT火山灰」が浜松付近でも20センチの厚さで降り積もりました。

 どちらも西日本は潰滅です。

 東日本では箱根火山から6万年前に破局噴火がおこり箱根から東は潰滅しました。

 九州の阿蘇カルデラは、過去に、27万年前、14万年前、12万年前、9万年前と4回にわたって破局噴火を起こしています。

 第1に、災害という観点でも、日本列島全体でも旧石器時代や縄文時代の日本人がどうなったか、当時の生態系がどうなったか、浜松ではどうだったか、ということがひとつです。

 第2に、それが現在の浜松の地層にどう残されているかと言うことです。

 つまり、火山学や地質学という自然科学と、考古学や歴史学、郷土学がすべて混ざり合って、真実の歴史を探究しないといけないということです。

 

本と映像の森 122 「朝日新聞」連載「孤族の国」が語るたそがれの日本

2011年01月10日 22時14分31秒 | 本と映像の森
本と映像の森 122 「朝日新聞」連載「孤族の国」が語るたそがれの日本

 「朝日新聞」が年末から連載を始めた「孤族の国」が凄いです。
 偶然、浜松の記事が載っていたので、読み始めたのですが、おもしろいと言うより肌寒くなります。
 なにしろ、これからどんどん暗くなって夜になるのに、多くの人はひとりぼっちで…。

 以下に、第一部の目次をかかげておきます。

 「朝日新聞」 孤族の国 第1部 男たち 全記事一覧

 1 55歳、軽自動車での最期
   高齢化と単身化が都市を襲う「2020/30年問題」
   孤独死、40代から高リスク 東京都監察医務院調査
   家族に頼れる時代の終わり
 2 還暦、上海で婚活したが 
 3 失職、生きる力も消えた
 4 39歳男性の餓死
 5 彼は無表情だった 
 6 少女のような目の母と 
 7 聞いてもらうだけで 
 8 最後に人とつながった 
 9 ひきこもり抜けたくて 
10 自殺中継 ネットに衝撃 
11 動かぬ体 細る指 外せぬ指輪

 今なら、ネットの「アサヒ・コム」で読めますので、お勧めです。
 これを読んでどう考えるか、何をなすべきか、ぼくもN子さんや仲間たちと話したいと思います。

雨宮日記 1月10日(月) 寒いですが、こういう日に行く里山の「里の家」の火は暖かいです

2011年01月10日 20時50分53秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月10日(月) 寒いですが、こういう日に行く里山の「里の家」の火は暖かいです

 寒くて里山に行っても作業は速めに終えて、かまどの火や火鉢の火をおこして暖まっています。

 かまどの燃える火や、火鉢の炭の赤い火がなんともいいんですね。

 以下、加藤文三さんの『民謡歳時記 (上)』青木書店、1980年、p38より

 「秋岡芳夫の『住(すまう)』という本を読むと、日本人がその住居から失ってしまったものを、しみじみと感じる。農家には土間があり、囲炉裏(いろり)には、いつも赤々と火が燃え続け、炉ばたには家族の円やかな心の集いがあった。川島宙次の『日本の民家』にも、身のまわりの材料を使い、自然の風土にあわせて、生活と仕事のために機能的に造りあげてきた日本の民家が、多彩な地方色をもった文化と、どのようにかかわりあってきたかが語られている。」

雨宮日記 1月9日(日) 歯医者のきらいなN子さん、ついに治療に行って…

2011年01月10日 05時57分06秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月9日(日) 歯医者のきらいなN子さん、ついに治療に行って…

 ぼくも歯医者さんは嫌いですが、妻のN子さんは、ついに痛みに我慢できなくて、近所の歯医者さんに行きました。

 帰って来て「歯医者で唇が傷ついた」というんですね。
 歯医者の治療で、治療が必要な傷がつくようではお医者さんなんだか、なんなんだか。

 午後、会ったUさんに、「それ、いいお薬があるからつけて」と言われて、もらいました。
 歯医者さんに次に行くのは一週間後です。
 
 

雨宮日記 1月8日(土)の2 赤い夕焼け、たそがれの人類…

2011年01月08日 23時52分40秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月8日(土)の2 赤い夕焼け、たそがれの人類…

 N子さんと一緒に訪問した、友人のマンション(5階)の部屋から
 真っ赤な西日を見ました。
 
 「夕焼け小焼けで日が暮れて…」が身体に流れ出しました。

 もうひとつ「夕焼け小焼けの 赤とんぼ…」。

 そして、朝焼けは人類の目覚め、始まりだけど、
 夕焼け・落日は人類の週末、終わり、という感覚を感じました。
 
 いや人類ではなくて、日本人だけか。

 朝焼けに、人間は自分たちの明るい、輝ける未来を感じるけど
 夕焼けに、人間は自分たちのつらい、苦しい過去を感じるのでしょうか。
 
 つうが夕方の空に飛んでいく「夕鶴」はどうでしょうか?
 つうは、過去?、未来?

 目の前の、この危機を解決できれば、この赤さは
 人類の夜明けになるのでしょうが、
 目の前の、この危機を解決できなければ、この赤さは
 人類のたそがれ、夕焼けになるのでしょうね。

 この「雨宮ブログ」は、
 光瀬龍さんの名作「たそがれに還る」のように、閉鎖未来を人類あるいは日本人が宣告されているのか、いないのか、
 それを探求するブログでもあります。

 絶望的になることもないのですが、「必然性」という名の超楽観論に染まることもありません。
 リアルに、具体的に、妻N子さんとともに、探求の旅を続けます。

雨宮日記 1月8日(土) 寒い日が続きますが…里山で梅のつぼみです

2011年01月08日 22時12分02秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月8日(土) 寒い日が続きますが…里山で梅のつぼみです

 冬型の季節が続きますが、里山へ「帰りました」。
 里の家の周囲に植えた桃の木に、白いつぼみがついていました。
 もうじきモモの花の季節です。

 「 梅の木の ある顔もせず 山家哉 」(小林一茶、七番日記)


本と映像の森 121 石黒耀さん著『死都日本』講談社文庫、講談社、2008年(単行本2002年)

2011年01月08日 20時47分29秒 | 本と映像の森
本と映像の森 121 石黒耀さん著『死都日本』講談社文庫、講談社、2008年(単行本2002年)、六三一ページ、定価895円+消費税

 「本と映像の森120」で紹介したマンガ「カグツチ」の原作小説です。
 「カグツチ」では黒木さんの息子が同級生たちと霧島破局噴火からの必死の逃避行に出ますが、原作小説では火山学者の黒木さん本人が逃避行の主人公です。

 西暦20XX年、九州の霧島火山群から、日本列島で過去幾たびも繰り返されてきた「破局噴火」が始まり、南九州は潰滅、日本列島も地球も灰で覆われます。

 子どもたちの逃避行だったマンガ版とは違って、小説は黒木さんの逃避行と、日本政府の「K作戦」という名の政治的・経済的作戦がからみあって進行していきます。

 「日本沈没」マンガ版と同じくらいにおもしろいリアル感にあふれた小説です。
 いつか、必ず起こるはずの。

 「K作戦」もおもしろいですが、その根底にある、日本列島と人類との地誌的関係の根本的反省というほうが、ぼくは好きですね。
 つまり、火山噴火や河川洪水に頓着なく沖積平野に住み着いて、洪水をコンクリの河川で制御している気になってしまった日本人への根本的批判です。
 それは、ぼくも略奪的文明から、循環型文明への大転換なしに、人類に未来はない、という考えから賛成します。

 なお、古代史ファンとしておもしろいのは、この原作本にしろ、マンガ本にしろ、カグツチの神が火山神とするかぎり、カグツチは九州にいた神として描くしかないという点です。
 カグツチと関連して、天の香具山は、カグツチの神の座す火山となり、奈良県の天の香具山ではありえないことになります。
 また古代史コーナーで触れたいと思います。


雨宮日記 1月7日(金)の2 夕方、三日月と空のコントラストが

2011年01月08日 05時32分59秒 | 雨宮日誌
雨宮日記 1月7日(金)の2 夕方、三日月と空のコントラストが

 夕方、事務所から帰ろうとして、三日月と深い青の夕暮れの空のコントラストがよくて写真に撮りました。

 ブログで見て、はたして、中間的な感じが出るでしょうか。


 「 三日月は 反るぞ寒さは 冴えかへる 」(小林一茶、文政元年(1813年)、「七番日記」より)