————————21世紀の初め。
アメリカのタイレル社は人間そっくりの「ネクサス型ロボット」を開発。
それらは「レプリカント」と呼ばれた。
特に「ネクサス6型レプリカント」は体力も敏捷さも人間に勝り、
知力もそれを作った技術者に匹敵した。
レプリカントは「オフ・ワールド」と呼ばれる地球外基地での奴隷労働や、
他の惑星の開拓探査などに使われていたが、
ある時、反乱を起こして人間の敵に回った。
そんな「オフ・ワールド」から地球に来たレプリカントを処分するために
「ブレードランナー」と呼ばれる特捜班が組織された——————————
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/2f/82f2fefbfa4cc1da39be9b194a1be38c.jpg)
リドリー・スコット監督。ブレード・ランナー(BLADE RUNNER)
原作は「フィリップ・K・ディック」さんのSF小説
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
1982年に世界公開されて以来、
この映画作品に影響を受けなかったクリエーターさんなんて
いるのでしょうか?......的な。
今では「アメリカ国立フィルム登録簿」
に永久保存登録もされている作品。
それくらい映画や映像の世界は勿論、
あらゆる領域で突出したインパクトを残した作品なのだと思います。
映像や演出の凄さは勿論のこと、
体と脳ミソを内側から揺さぶられるような
圧倒的な電子サウンドの迫力。
雰囲気。
あまりに刹那的で哲学的で深遠な物語世界などにも、
今だ多くの人を惹きつけてやまない「何か」があるのだとも思います。
SF映画において、これ程の影響力を放った作品は、
他には「2001年宇宙の旅」ぐらいしか僕には思い浮かびません。
僕の様な人間にとっては、
それくらいリスペクト極まる作品の一つなのです。
つい先日。
そんな作品の続編が!
リドリー・スコット(Ridley Scott)さん直々のプロデュースで、
ドゥニ・ヴィルヌーヴ(Denis Villeneuve)監督で作られた
というのですから、
ポンチキな僕さんとしてわ、
これはもう見に行くしかなかったわけなのです。
ええ。ええ。
「ブレードランナー 2049」
勿論、3D、IMAXで。お楽しみ感満載で(^^)
アートワークも人を寄せ付けない孤高さが......
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/8f/36856f67170436afebcdadfdef66dda7.jpg)
製造時に寿命まで決められているレプリカント。
その寿命が切れる期日は、
レプリカント自身には明瞭にインプットされていなくて......
......もし、人類を創りたもうた神なる存在がいて。
その神々から見た人間とは、
もしかしたら、こんな感じなのではないだろうか......
それがレプリカント。
そして、ブレードランナーの世界......
なのでしょうか。
前作も、今作も、
スクリーンを見ているうちに自覚してしまうのは、
優れた人工知能を有した人型アンドロイドの方に
感情移入していってしまう自分。
そのことには、きっと、そんな理由があるのではないか?と。
そう思います。
強く思い出すのは、ファースト作品の中のワンシーン。
新作でも出演している凄腕ブレードランナー
「デッカード(ハリソン・フォード)」が、ネクサス社の社長と、
彼が開発したばかりの最新型美女アンドロイドの「レイチェル」を
「彼女はアンドロイドだ」
と、見事に見破ったシーンで、
彼らはこんな会話をします......
==================================
———彼女はレプリカントだな。だろ?
その通り。お見事。
普通、どれくらいの数の質問でそれがわかる?
———20問から30問。
いや、彼女は特別で、
さらに100問ぐらい必要なのではないか......?
———いらない。
彼女も自分自身を疑い出してるのだが......
———疑ってる!?だと?
まだ彼女は自分がレプリカントだと知らないのか?
我がタイレル社は人間以上のロボットを目指している。
レイチェルはその試作品だ。それ以上の意味はない。
しかし、我々も彼女が最近、
おかしな感情というものに目覚めて来ていることを理解している。
彼女はそのために近頃、何か......苛立っている。
おそらくそれは、
彼女には我々が植え付けた数年分の過去の経験しかないからだ。
もし、我々が......
さらにもっと多くの過去を与えてやれば色々とクリアになり、
感情も落ち着き、制御も楽になる。
———記憶......
おまえが言っているのは記憶!?のことか?
==================================
人を人たらしめている、
自分を人たらしめている、
自分を自分たらしめている、
自分という個性を認識している、
定義づけている根本理由とは何なのだ?
そんなものがあるのか?
それは......経験?記憶?思い出?なのか?
それこそが、自分を自分たらしめている要因なのか?
魂というものなのか?
記憶とはその一部なのか?
だとしたら、もし、記憶や経験が全くなかった場合、
自分は......俺は......
何者になるのだ?
自分を何者だと思うのだ?
自分をなんだと思うのだ?
人間って......なんなんだ?
記憶......
「思い出」を植え付けられたスクリーンの中のレプリカントは、
その思い出をお守りのように抱いています。
何にも勝る宝物の様に大切にしています。
やがて、人間の様な感情も抱くようになっていって......
そして......
「人はどこから来て、どこへ行くのだろうか」
古今東西、沢山の人々が思い、考えて来た、
そんな哲学的な問いにもかかって行くような物語の世界観。
今年あたりから「AI=エイアイ=人工知能」
という言葉が本格的に世間で飛び交い出していて。
会話や情報をインプットすればするほど、
その電気思考回路は変化と進化をしていき、
表現する言葉やボディの動きも変わってくる......なんて。
凄いぞ!AI!
未来は人の仕事も全部出来ちゃうんじゃないの!?
是非とも!
そーなっておくんなさいましーーー!
なんて。
そんなもてはやされ方もあちこちで普通になって来て。
そんなAIがドンドコと進化、発展して、
やがてブレードランナーの世界に......!?
この映画を見るとしたら、ファーストを見てから行かないと
「何が何やら!?!!?」
となってしまうかもしれません。
かなりチカラの入った宣伝を見て、
「これ、見に行ってみようかなぁ......」
などと思っているような方は、
どうかソコはご注意あそばせおぉぉ(^^)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/c2/7332a672ae1cbd3c4d1097a49ddb856c.jpg)
以前ココでも記したように、
かの名作「マトリックス」のオープニングは、
かの名作「攻殻機動隊」のオープンングの影響が見て取れます。が、
その「攻殻機動隊」のオープニングは、その特徴的な音楽も含め、
この「ブレードランナー」の影響を受けていると思われます。
ヴァンゲリス(Vangelis)さんの
オリエントなポリフォニック・シンセサイザーのサウンドからも
インスパイアされている部分があるのではないか、と。
「ターミネーター」も「未来世紀ブラジル」も「A.I.」だって、
みんなそうではないのかな?とも思います。
綿々と続く偉大なる作品達の流れには、
僕はいつも心焦がれてしまいますのです(^^)
アメリカのタイレル社は人間そっくりの「ネクサス型ロボット」を開発。
それらは「レプリカント」と呼ばれた。
特に「ネクサス6型レプリカント」は体力も敏捷さも人間に勝り、
知力もそれを作った技術者に匹敵した。
レプリカントは「オフ・ワールド」と呼ばれる地球外基地での奴隷労働や、
他の惑星の開拓探査などに使われていたが、
ある時、反乱を起こして人間の敵に回った。
そんな「オフ・ワールド」から地球に来たレプリカントを処分するために
「ブレードランナー」と呼ばれる特捜班が組織された——————————
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/2f/82f2fefbfa4cc1da39be9b194a1be38c.jpg)
リドリー・スコット監督。ブレード・ランナー(BLADE RUNNER)
原作は「フィリップ・K・ディック」さんのSF小説
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
1982年に世界公開されて以来、
この映画作品に影響を受けなかったクリエーターさんなんて
いるのでしょうか?......的な。
今では「アメリカ国立フィルム登録簿」
に永久保存登録もされている作品。
それくらい映画や映像の世界は勿論、
あらゆる領域で突出したインパクトを残した作品なのだと思います。
映像や演出の凄さは勿論のこと、
体と脳ミソを内側から揺さぶられるような
圧倒的な電子サウンドの迫力。
雰囲気。
あまりに刹那的で哲学的で深遠な物語世界などにも、
今だ多くの人を惹きつけてやまない「何か」があるのだとも思います。
SF映画において、これ程の影響力を放った作品は、
他には「2001年宇宙の旅」ぐらいしか僕には思い浮かびません。
僕の様な人間にとっては、
それくらいリスペクト極まる作品の一つなのです。
つい先日。
そんな作品の続編が!
リドリー・スコット(Ridley Scott)さん直々のプロデュースで、
ドゥニ・ヴィルヌーヴ(Denis Villeneuve)監督で作られた
というのですから、
ポンチキな僕さんとしてわ、
これはもう見に行くしかなかったわけなのです。
ええ。ええ。
「ブレードランナー 2049」
勿論、3D、IMAXで。お楽しみ感満載で(^^)
アートワークも人を寄せ付けない孤高さが......
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/8f/36856f67170436afebcdadfdef66dda7.jpg)
製造時に寿命まで決められているレプリカント。
その寿命が切れる期日は、
レプリカント自身には明瞭にインプットされていなくて......
......もし、人類を創りたもうた神なる存在がいて。
その神々から見た人間とは、
もしかしたら、こんな感じなのではないだろうか......
それがレプリカント。
そして、ブレードランナーの世界......
なのでしょうか。
前作も、今作も、
スクリーンを見ているうちに自覚してしまうのは、
優れた人工知能を有した人型アンドロイドの方に
感情移入していってしまう自分。
そのことには、きっと、そんな理由があるのではないか?と。
そう思います。
強く思い出すのは、ファースト作品の中のワンシーン。
新作でも出演している凄腕ブレードランナー
「デッカード(ハリソン・フォード)」が、ネクサス社の社長と、
彼が開発したばかりの最新型美女アンドロイドの「レイチェル」を
「彼女はアンドロイドだ」
と、見事に見破ったシーンで、
彼らはこんな会話をします......
==================================
———彼女はレプリカントだな。だろ?
その通り。お見事。
普通、どれくらいの数の質問でそれがわかる?
———20問から30問。
いや、彼女は特別で、
さらに100問ぐらい必要なのではないか......?
———いらない。
彼女も自分自身を疑い出してるのだが......
———疑ってる!?だと?
まだ彼女は自分がレプリカントだと知らないのか?
我がタイレル社は人間以上のロボットを目指している。
レイチェルはその試作品だ。それ以上の意味はない。
しかし、我々も彼女が最近、
おかしな感情というものに目覚めて来ていることを理解している。
彼女はそのために近頃、何か......苛立っている。
おそらくそれは、
彼女には我々が植え付けた数年分の過去の経験しかないからだ。
もし、我々が......
さらにもっと多くの過去を与えてやれば色々とクリアになり、
感情も落ち着き、制御も楽になる。
———記憶......
おまえが言っているのは記憶!?のことか?
==================================
人を人たらしめている、
自分を人たらしめている、
自分を自分たらしめている、
自分という個性を認識している、
定義づけている根本理由とは何なのだ?
そんなものがあるのか?
それは......経験?記憶?思い出?なのか?
それこそが、自分を自分たらしめている要因なのか?
魂というものなのか?
記憶とはその一部なのか?
だとしたら、もし、記憶や経験が全くなかった場合、
自分は......俺は......
何者になるのだ?
自分を何者だと思うのだ?
自分をなんだと思うのだ?
人間って......なんなんだ?
記憶......
「思い出」を植え付けられたスクリーンの中のレプリカントは、
その思い出をお守りのように抱いています。
何にも勝る宝物の様に大切にしています。
やがて、人間の様な感情も抱くようになっていって......
そして......
「人はどこから来て、どこへ行くのだろうか」
古今東西、沢山の人々が思い、考えて来た、
そんな哲学的な問いにもかかって行くような物語の世界観。
今年あたりから「AI=エイアイ=人工知能」
という言葉が本格的に世間で飛び交い出していて。
会話や情報をインプットすればするほど、
その電気思考回路は変化と進化をしていき、
表現する言葉やボディの動きも変わってくる......なんて。
凄いぞ!AI!
未来は人の仕事も全部出来ちゃうんじゃないの!?
是非とも!
そーなっておくんなさいましーーー!
なんて。
そんなもてはやされ方もあちこちで普通になって来て。
そんなAIがドンドコと進化、発展して、
やがてブレードランナーの世界に......!?
この映画を見るとしたら、ファーストを見てから行かないと
「何が何やら!?!!?」
となってしまうかもしれません。
かなりチカラの入った宣伝を見て、
「これ、見に行ってみようかなぁ......」
などと思っているような方は、
どうかソコはご注意あそばせおぉぉ(^^)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/c2/7332a672ae1cbd3c4d1097a49ddb856c.jpg)
以前ココでも記したように、
かの名作「マトリックス」のオープニングは、
かの名作「攻殻機動隊」のオープンングの影響が見て取れます。が、
その「攻殻機動隊」のオープニングは、その特徴的な音楽も含め、
この「ブレードランナー」の影響を受けていると思われます。
ヴァンゲリス(Vangelis)さんの
オリエントなポリフォニック・シンセサイザーのサウンドからも
インスパイアされている部分があるのではないか、と。
「ターミネーター」も「未来世紀ブラジル」も「A.I.」だって、
みんなそうではないのかな?とも思います。
綿々と続く偉大なる作品達の流れには、
僕はいつも心焦がれてしまいますのです(^^)