雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

とっておき

2022-02-13 16:39:41 | 美味い
「おーーーーい!
ちょっと聞いてくれい!
今度、新潟の湯沢というところにスキー場を作ることになったから。
それと、
そこのゲレンデにはシンボルとして大きなヨットを置くから。
お前ら若手で、空いてる時間ができた時は手伝いに行ってくれ。
開業に向けて色々とやることがあるから。
いいか。
とにかく頼むぞ!」



ある日、突然、
お世話になっている先輩から、
そんなことを言われたことがありました。
むかーし、むかしの、そのまた昔。
以前も記した「愛すべき某レコード会社」に入ったばかりの頃。
バブルとはこういうことなのか!?的な出来事。



「スキー場!?
うええ!?
そんなものなんで作るの!?
レコード会社でしょ?ここ?
ええええ!?
つーーか、なんでヨット!?
雪山に?
ええええ!?」



先輩によくよく話を伺うと、
当時のレーベル(レコード会社)を支えてくれていた超!
のつく大御所!御大!のタレント・アーティストさんが、
趣味としていたスキーへの愛が高じて
スキー場を作ることにしたらしく。
とても大切な所属アーティストさんの夢でもあるし、
会社としても、
その資金や諸々のサポートをすることを決定したのだそうです。
ここから先のお話は、
ネットなどをググってもらえれば色々とわかるとも思いますので
今回ここでは記しませんが。
まぁ、とにかく、当時、
学生から社会人になってまだ数年しかたっていない
アマチャンの僕さんにはとてもインパクトのあった出来事でして。
その時のことは今でも鮮明に覚えています。
そして、この時、
もう一つ明瞭に記憶していることというのがありまして。
それが、先輩に言われるがまま、
スキー場の開業に向けて諸々のお手伝いをしに行っていた時に入った、
地元、湯沢町にあるお店のこと。
ご一緒させてもらった、その、
某御大アーティストさんが連れて行ってくれたイタリア料理店。
御大、曰く......



「ここは僕のお気に入りでね。
とにかくおいしいんだよ。
ここまでおいしい店は東京でもないから。
みんなにも食べて欲しいんだ。
ココに来たらココには絶対に寄らないとね。
今日は色々手伝ってくれているみんなへのお礼だから。
思う存分食べてくれ」



「ラ・ロカンダ・デル・ピットーレ
(PIZZERIA La locanda del pittore)」



新潟県は湯沢町にある名店中の名店さん。
岩原スキー場(いわっぱらスキー場)というスキー場の
ゲレンデの中!にあります。



若ぞースタッフだった僕が、
最初に御大に連れて行ってもらった頃は、
まだ一般には殆ど知られていないお店でしたが、
今では超のつく有名店さんでしょうか。
東京の都心からはこのお店行きのバスツアー!
などが出ていたりもしてましたし......今でもあるのかな?
わかりませんが、
ミシュランなどにも載っているお店さんです。
凄いっす。

実は、このお店さんこそが、
薪(まき)を使って焼き上げる「ピザ窯」というものを
日本で初めて設えたお店。
日本初の本格的「PIZZERIA(ピッツェリア)」と言っても
過言ではないと思います。

このお店を一般にブレイクさせたのは、
北海道で開催された
「洞爺湖サミット(主要国首脳会議。G8)」
だったでしょうか。
各国首脳にこのお店のメニューが振る舞われたことが
話題ともなりました。

僕にとって、とにかく嬉しいことは、
このお店が今でもしっかり営業されているということでして。
行けばそこにある。
あってくれる。
それが何よりも嬉しいことなのです。
僕さんの思い出のお店。味。贅沢。
思い出が色あせないという幸福。(^^)



上はマルゲリータかな......
下は「ピットーレ」という、お店と同じ名前のピザ。
真ん中にはオーバーイージーの卵さんがオン!



最初に御大に食べさせてもらった時に、
とにかく驚いたのは、この「ニョッキ」。



「俺が今まで知っていたニョッキは、
ニョッキではなかったんだ......」

という衝撃。
それと、この、
季節メニューでもあるキノコのチーズ焼き?みたいなもの。
地元、魚沼産ジャンボ椎茸の窯焼き天恵菇(かまやきてんけいこ)
ヤバくて泣いちゃいます。



ピザはもちろんですけど、
パスタさんも、もう、なんか変。ヤバイ。
シンプルなのに奥ゆかしいおいしさが、
深く深く、奥の方に詰め込まれている感じ。
そもそも小麦粉そのものが違うのだろうな、と、
そんな感じ。
品質はもちろん、麺として作っていく時の熟成度とか。
発酵とか。具材のベーコンとかも。
その違いが味として滲み出てきます。



御大と、
顔を出してくれたオーナーシェフさんから聞いたお話としては、
お店の名前はシェフが修行していたイタリアのお店と同じなのだそうで。
そのお店は、
イタリアのコモ湖のほとりにある、
小さな宿の中にある普通のお店なのだそうです。
お客さんのほとんどは週末にミラノから遊びに来て、
帰りに寄って行くような方が多かったとのこと。
新潟県の湯沢の地に作ったのは、
そんな修行していたお店のイメージと立地が重なる部分があったのと、
たまたま身内から空いていたロッジを紹介されたことが
キッカケとなったのだそうです。
イタリアから戻って店を開いてからは、
評判が評判を呼び、

「東京の都心でも店を出しませんか?」

などという声も沢山いただいたらしいのですが。
味の要である数々の新鮮な食材や、水、
ピザ窯で使う薪(まき)などが
東京都心では手に入れることが難しいらしく。
それで断っている、とのことでした。

「さすが御大......
すげー店を知ってるな、、」

と、青二才だった僕さんは、
二人の話を聞きながら痛く感激していたことを覚えています。
そして、やはり、このお店が最高なのは冬。
白い雪が降り積もっている季節。
岩原スキー場がオープンしている時。
ピットーレさんはこの写真の、
神々しい太陽の真下ぐらいの位置でしょうか......



ランチにピットーレを狙いすます僕さん。
( ̄ー+ ̄)ニヤリ。



本来は2階となっているフロアの窓の、
すぐ横にまで降り積もる雪。



お店にはスキーやスノーボードで直接滑り込み。
店の前で道具を外し。
スキーやボードのブーツを履いたまま、
少し疲れた体をゆったりと休めながらいただく最高のイタリアン。



ちなみに夏はこんな感じっす。
真っ暗な山の中。
ポツンと一軒、ひっそりレストラン、的な。
ええ。
比較的空いてます。





僕さんとしては、
岩原(いわっぱら)という貴重な一枚バーンを有するスキー場と共に、
一年に一度ぐらいは訪れて、
多くのことを思い出したりもする場所であったりもしまして。









愛しい場所と風景と空気と。
お店と味と。思い出と。
これからも、なんとか、
良き人生を送れますように。(^^)


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コメント (10)
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