雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

プロメテウスと2001年

2012-08-20 00:30:36 | 凄い...映画/音楽/珈琲
やっぱり「2001年宇宙の旅」という映画は、
あまりにも偉大なんだな......と、つくづく思うわけです。
リドリー・スコット監督の最新作
「プロメテウス」3Dを見た率直な感想。
この映画の話はネタバレ注意の部分もあるのであまり語れませんが、
「2001年宇宙の旅」に寄せる僕の思いの方は
ちょっと記しておこうかと思います。



僕は大学を出てから、
もう20年ほどレコード会社で働いていますが、
最初の会社へ入社するきっかけとなったのは、
数人の気の合う仲間と作った
幾つかの映像作品をその会社に送ったことでした。

大学時代は趣味のバンドをやりつつ、
空いている時間は単位を取る為に
ひたすら映像作品を作っていたような感じでした。
ソレらの作品は今見ると恥ずかし過ぎて、
到底ヒトに見せられるようなモノではないのですが、
ソノ作品が、思いもよらず、
送った先の会社の方々に評価して頂いて。
そのチーム......5人いましたが......全員採用!
ということになりました。
15人程度しか無かった採用枠だったので、
この採用には当時かなり驚いたのを覚えています。

その後、音楽ディレクターやプロデューサー職についてからも、
映像はとても好きだったので、
PV制作などではいつも企画原案や絵コンテなどを書かせてもらったり、
数本の映画にもなんやかんやと関わらせてもらったり、
ショートフィルムなどをプロデュースさせてもらったり......と、
映像周りに関しては趣味的なワークとしていつも楽しみながら携わって来ました。
嬉しいことに、
そんな仕事の縁もあって映画監督の友人も幾人かいるのですが......
なぜでしょう......
このジャンルの人達はみんなとてーーーーも不思議ちゃんです......(; ̄ー ̄A

そして、そんなワケもあって。
勉強の為やらなんやらで、
僕は人並みよりはかなり多くの映画を見て来たとは思うのですが、
中でも「スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)」監督と、
その代表作の一つ「2001年宇宙の旅」というのは、
「僕にとっては」別格な存在であり、作品でもあって。
未だに心のベストテン第2位!に輝く作品です。
ちなみに1位は以前記したコレです。(^。^)
まぁ、もうこの上位2作品はここから落ちることはないと思います。
きっと。



この「2001年~」という作品はあまりに有名ですし、
各所でSF映画の金字塔などと言われていますが、
確かに、個人的にもそう思っています。
その一番の理由は、この映画の前と後では
SF映画の制作における概念がまったく変わってしまったからではないかと思います。
本当に「空想的」であったSF映画が、
科学的で物理学的根拠も絡めたファンタジーへと変化していったことは、
おそらくこの作品が世に出ていった以降のことではないかと。
今回の「プロメテウス」の冒頭から20分ぐらいの世界観や構成、
表現手法も

「リドリー、ちみもか......」

というくらい、今更ながら
「2001年~」という作品の影響力の凄さを思い知らされますし、
そんな映画のタイトルを挙げていったらもうキリがないのでしょう。
公開から既に40年以上の月日が経っている作品なのに、
今見ても......もう、驚くほか無いです。



極力、物理法則に即した脚本。
シンメトリーな構図を大胆に持ってきた斬新なカット。
静寂と音楽、喧騒を極端に使い分ける音響。
そこから生み出される、
スクリーンの隅々にまで漂う張りつめた緊張感。
無機質なものにも感情移入させてしまう絶妙なスクリーンプレイ。
......ああ......言い出すとキリがない。。



この映画で確立された手法は、もう、その後、
全てのSF映画に何らかの形で入り込んでいるのではないかと思います。
はい。
もしこれから

「プロメテウスを見てみようかなぁ......」

などと思っていて、
「2001年宇宙の旅」を見ていない方がいらっしゃいましたら、
「2001年~」と「エイリアン」の2作を見てもらってから
劇場に行くと興味深いかも!?しれません。
その時はきっと冒頭から、そして最後も!
ニヤニヤしながら見れると思います。ニヤニヤ。。
お連れの方に気持ち悪がられないようにご注意ください。(^_^)



ちなみにこのキューブリックという監督。
「シャイニング」という作品では底知れぬ恐怖の表現と、
その後の映像世界では常識となる「ステディー・カメラ」をいち早く導入。
「ロリータ」では禁断の世界をメジャーにまで押し上げ、
この映画のグラフィックをはじめとするアートワークは最早レジェンドの領域。
「博士の異常な愛情」では大国に対する皮肉な哲学を堂々と投げかけ、
「時計仕掛けのオレンジ」の倒錯とも錯乱ともとれる
ゲイ・カルチャー的不可思議な世界観は、
今だに多くのエンターテイメントでコピーをされ続けています。
ジャニーズ系の舞台や作品では、まぁ......よく見られます。
この映画に出てくる「ミルク・バー」的お店も街のあちこちで。
「エイリアン」1、2の特撮チームは
「2001年宇宙の旅」と同じブライアン・ジョンソンが率いるチームですし、
「スーパーマン」もそう。
「エイリアン」の監督だったリドリー・スコットが
影響を受けないはずはありません。
彼と親交の深かったスピルバーグ監督の「A.I.」は、
キューブリックの書きかけの脚本を、
亡くなった彼への花向けとして作ったものですし。
才能は才能を愛するのでしょうか。



スタンリー・キューブリック。



映画ファンでなくとも、
この名前を覚えてもらえたら、
ファンとしてはとても嬉しく思うのです(^.^)


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