新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医師不足による疲弊は深刻;同感・・・・かな

2009-02-14 19:41:25 | 医療

もう少しだけ書きます

 

新生児科不足に関しての記事ですが、最後の文にあるようにあまりにも医師不足がひどくて、不足が著しい診療科は疲弊してきています。

 

僕みたいに若くて(w)元気のいい、家庭を持っていない医師でも・・・疲れますから。

 

県境越え「母体搬送」急増 新生児科医不足 宮城

2月14日10時0分配信 河北新報  

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090214-00000015-khk-l04

高リスクの妊婦と胎児を診療するため高度医療機関に妊婦を移す「母体搬送」で、宮城県から隣県への移送が急増していることが13日、仙台赤十字病院総合周産期母子医療センターのまとめで分かった。新生児科の医師不足が深刻化し、新生児集中治療室(NICU)を備えた3次医療機関の負担が増大しているためだ。中江信義センター長は「新生児科医の養成を進め、受け入れ可能な施設を増やす必要がある」と訴えている。  

宮城県内での3次機関は仙台赤十字病院、東北大病院、県立こども病院(いずれも仙台市)で、NICUは計27床。2007年の県外への母体搬送は15件と、前年の5件から3倍に増えた。うち7件は3病院のNICUが満床で山形市に搬送。6件は気仙沼地区から岩手県一関市に運ばれた。08年は未集計だが、07年と同じ状況と予想される。  

県外搬送は02年ごろまで年間10―20件だったが、こども病院が開院し、東北大病院がNICUを拡充した03年は5件に激減。以降は3―5件で推移していた。  

急増した最大の理由は新生児科医の不足だ。県内にはもともと20人程度しかいないため、近年は仙台市内の中核病院でも母体搬送の受け入れが難しくなった。その結果、NICUを備えた3病院に搬送が集中し、満床状態となることが多くなった。  

加えて、NICUでの処置が必要な低出生体重児の出産が増え、3病院が軽症の異常新生児も診るようになったことから、高リスクの母子の収容能力はさらに低下した。  

気仙沼から一関への搬送が増えたのは、岩手県立磐井病院で新生児の診療が充実し、仙台より地理的に近いことなどが影響しているとみられる。  

宮城から受け入れる側も余力があるわけではない。07年に6件の搬送を受けた山形県立中央病院産婦人科の阿部祐也科長は「NICUの空きには波があり、山形がいっぱいの時には仙台に引き受けてもらう。お互いさまという気持ちだ」と言う。  

中江センター長は「県内に新生児科医があと5―10人いないと、今いる医師が疲弊する。大崎市民病院を拡充し、軽症から中等症の新生児を診られる2次機関を仙台に整備すべきだ」と指摘している。

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日本でもっとも人口当たりの医師数が少ない埼玉県・・・

内科の中でも著しく少ない診療科の一つの血液内科

 

医師数が不足しているけど、病床削減命令が出ているものの患者数は減らない状況で(つねに満床以上)やっている診療科でやっている身としては・・・

「疲弊するわな…」

と思う。

 

だって、僕がつかれるくらいだものw

 

もう少し年齢が上で、家庭を持っている方々が疲れないわけがない

 

家庭も大事だけど、患者も大事。どっちも最大限やろうとすれば倒れるでしょう。

 

僕はまだ患者さんのことを考えていればいい身ですけど・・・。

 

これが患者さんも家庭もとなれば・・今の状態ではやっていられないと思う

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと

僕のように3日間くらい帰ってこない日がありますけど・・・とか、予定を組んでいても呼ばれたら行きますけど…とか、とりあえず何かあったら呼んで…という状態で待機している人間がいるから成り立つ医療。

 

全員が普通に家庭を持っていたら成り立たないだろうな~

 

逆に家庭も医療も両立させる・・・人間としての生活と医療を両立させるにはどうすればよいか…。

 

そう思ったら「開業されていく先生が多い」理由はよくわかるというものかもしれない・・・。

 

僕はそう思って医療現場に身を置いています。

それでは、また。

コメント (3)
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看護師不足対策の遅れ:実は診療体制縮小につながっています

2009-02-14 19:21:17 | 医療

こんばんは

今、帰ってきました。僕の予想よりもかなり遅いです

 

昨日、「ようやく寝れる」と思い帰ってきて、寝た後2時ころ電話があったようなのですが、完全に死んだように寝ていたため、全く気がつかず・・・

 

朝の6時に目が覚めて、その時に気が付きました。

 

「しまった。この電話に反応していない。今日は血液内科の上の先生が当直だからやってくれているんだろうけど、何が起きたのやら・・・・」

 

そう思い、朝一番に「てくてく」と出かけました

 

このとき想定していた「イベント」ではなく、正直予想外の軽いレベルだったのですけど…初めて目が覚めませんでした。

 

今日は…今日こそは厳しいイベントが発生しそうなので、そのつもりで待機しています。

 

朝行ってからは、ICUにいる患者の引き継ぎや急変している患者さん家族を呼び、お話をして・・・さらにICUの患者家族にも話をして、そうこうしているうちに次から次へと動かざるを得ないことが起き・・・・

 

そしてあまりにもさまざまなことが起こったため木曜日から毎日の日課である患者さん全員のところへ行くことができなくなっていたので、夕方回ってきました。

 

患者さんたちの何人かは

「忙しそうですね。大丈夫ですか」

とか

「○○ちゃん(僕は男だ!)、久々に来たな。忙しそうだったから」

と握手をされたりと、元気な会っていなかった人は僕のことを気遣ってくれました。

ありがたいことです。

 

そして・・・気がついたら18時でした。

 

う~ん、可能であれば朝まで持ってほしい・・・・。呼ばれることなく・・・・ けど、それもしんどいんだよな~。いつ呼ばれるかと思って待機しているのも・・・。

 

今日はその前にひとつ記事を書きます

 

遅れる地方の看護師不足対策

2月14日2時35分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090214-00000516-san-soci  

深刻な看護師不足により、奈良県の基幹病院が機能の一部停止に追い込まれた。県立奈良病院(奈良市)が病床休止を余儀なくされた背景には、大都市圏の病院に医師や看護師の人気が集中する医療の「地域偏在」問題がある。さらに地方の看護師不足対策は、医師に比べて「遅れている」(厚生労働省)のが実情で、関係者の悩みは深い。  

厚生労働省によると、全国の一般病院の医師総数は、平成9年の約15万6700人から、19年には約17万5400人に増加。看護師総数も9年の約43万9000人から、19年には約57万3000人まで増えている。  

しかし、医師や看護師が、患者が多く好待遇の大都市圏の病院に集中する「地域偏在」や、産婦人科や小児科など労働条件の厳しい診療科を敬遠する「診療科偏在」が著しく進んだ結果、大都市に人材が流出しやすい近隣地域や僻地(へきち)などでは、局地的に医師や看護師不足が深刻化しているという。  

都道府県別にみても、常勤換算した人口10万人あたりの医師数(19年調査時)は、最も多い高知(212・1人)と最も少ない埼玉(99・5人)の格差は112・6人と、15年調査時の108・6人から拡大。看護師の地域間格差について厚労省は「統計はないが、医師と同傾向と認識している」という。  

厚労省は21年度の政府予算案に、僻地医療を担う医師の給与を増額する予算として1億3600万円を計上するなど、地域偏在解消に直接的な財政支援に動き出している。しかし、看護師については、都道府県が新卒の看護師に研修を開催した場合の助成費7200万円などを計上しただけで、直接的な支援は見送られた。  

厚労省医政局は「医師不足は大きくクローズアップされ国の対策は進んでいるが、看護師不足対策は遅れている」としたうえで、「都道府県の取り組みによって、看護師の地域偏在は今後、拡大することもありうる」と指摘している。

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関連記事はこちらですね http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/localpolicy/221918/

そしてこれに関してSkyteam先生が記事を書かれていらっしゃいます。 http://skyteam.iza.ne.jp/blog/entry/914622/

基幹病院・・・うちの大学病院も基本的には「医師不足」に加えて「看護師不足」「検査技師不足」「放射線技師不足」・・・と人手不足が深刻です。 様々な理由で診療体制の縮小・・・へと進んでいます。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと

メインは実は看護師さんの不足だったりします・・・。医師不足や他の理由もあるようですが・・・・。

看護師不足もかなり深刻で、そのために診療現場はかなり危ない状況だと思います。 もっとも医師不足も同様ですけどね。

 

今回のように同時多発になると僕一人では対応しきれませんし(と言いながら研修医を使って、何とかやっていたような気もしますけど・・・)。

 

厚労省が「看護師不足対策は医師不足対策に比べ遅れている」とおっしゃっているということですが、それは事実上「やっていない」ということではないでしょうか

 

実際、医師不足対策も遅れているのに・・・と思ってしまう。

 

臨床現場の混乱は国民の皆さんの不利益につながりますので、本当に何とかしていかなくてはならないと思います

 

とりあえず、いったん終わります。そろそろ呼ばれるかもしれませんし・・・・。

って、まだ帰ってきて1時間ちょっとか

 

それでは、また。

コメント (2)
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