新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

ど~でもいい話:僕と専門家集団

2009-02-26 01:13:41 | ど~でもいい話

こんばんは

 

今日も朝から晩までいろいろやっておりました。午前中は主に病棟の患者さんに関して、午後からは再発した患者さん3名と外来で話をしていました

 

日中、病棟にいなかったので探されていたらしく(ソフトバンクは・・電波が弱いのか、外来ではアンテナ一本のため連絡がつきにくい)、あとで帰ったら

「なるほど、外来にいたのか」

と言われました。

 

再発などの重い話をする時に自分の外来枠で話をしていると、他の患者さんが遅くなってしまいますし(明日もそのあたりの話をしないといけないかも、自家移植5年目でマーカーが連続で上昇中。この4月でFollowを近医にお願いしようかと思い始めていたのに・・・・)、そういった話をする患者さんだっていきなり

「再発しています。赫々云々で、今後はどうなります」

なんて5分で話されたらたまったものではない…と思うから僕は別枠で診察しているだけだったりする

 

いろいろな先生から僕が患者さんから「都合のいい医者だと思われる」と言われるわけだな・・・

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

その後もいろいろやって、病棟で最後に研修医が僕の直接担当11名の患者さんの何かを忘れていないかチェックしていました。

 

バンクドナーで移植をする予定の方が数名おりますが、お一人はずっと探しているのに「フルマッチドナー All ×」「HLA A座 1座不一致 全滅」・・・・

何でかな~。最後にDRを確認していなかったら・・・・どうしよう?

 

などと思いながら、過ごしていたりします。

 

さて今日はど~でもいい話からです

 

大学病院、それは専門家の集まりです。今日はこんなことがありました。

 

急性骨髄性白血病の治療でHigh dose cytarabine(AraC)というのがありますが、これの「眼」の障害を予防するためにステロイドの点眼をするのが基本的な「基準」として存在しています。

 

この治療の3クール目(最後)の治療を始めた患者さんが「眼」の違和感を訴えられたので、眼科受診をしてもらいました。

 

眼科からは「ステロイドの点眼をするなんて止めなさい」ということでした。 この場合、どうしたらよいのだろうか?

 

一応「Protocol」として確立しており、論文を「High dose cytarabine and conjuctivitis」で引いたらそこそこ・・・・論文が出てきたが、ある程度確立したやり方となっていると言ってよさそうである

 

だいたい「45~65%」ほどの予防効果があるとされている

 

しかし、眼科の先生が「理論的におかしい」と言っている場合、どうなんだろうか? 

 

彼らは頻回の点眼はすべきだが、ステロイド点眼はやらない方が良いと・・・

彼ら曰く「それはProtocolが間違っている。眼科がかかわっていないからだ」という。

 

その可能性はあるが、そうするとHiDACという治療ができてから30年近くになるが、その間ずっと間違ってきたことになるのだが・・・・?

 

本当は彼らが推奨するやり方とステロイドと、何もつけない群とでランダム化試験をしないといけないのだろうけど・・・どうなんだろうな。

 

 

ただ、僕らも某診療科が「カルバペネムの予防投与」をしているのを見て

「何考えているんだろう・・・・?」

と思ったものだが、今回の件ももしかするとそうかもしれない

患者さんのためにはプロトコール作成段階から「様々な専門家の関与」が必要である。そういうことなのだろうか?

 

そんなことを思いました。

 

それでは、また

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする