こんばんは
今日もなかなか忙しい一日でした。本当は病院は暇な方が良いのかもしれませんが、今の日本ではある程度の規模の病院で暇になるのはなかなかないのかもしれませんね。
血液内科という診療科なら特に・・・・。
今日の良いことは悪性リンパ腫の再発と思って、いろいろと計画を組んでいた人が再発ではなさそうであるということ。
リンパ節腫脹はあるものの病理学的に異なる状況で、腫瘍マーカーは上昇しているものの・・確かに他の血液検査が初発時と異なる。 特に血液像は好酸球が30%を超えるということで…アレルギー的な要素が高いようです。
それならば・・・対応が全く異なります。これが一番良かったことでしょうか。
あと、先日サラセミアを疑った初診の患者さんは、どうやらサラセミアでよさそうです。サラセミア+ITPというところでしょうか・・・・。
また、初発のCML疑いの患者さんもCMLと診断確定して、今日からグリベックスタートです。
そんなこんなで入院、外来、他科との連携などいろいろやっておりますが、今日は当直が血液内科の先生だったので、早めに帰ってきました。
今日の記事ですが、こちらを取り上げたいと思います。
CBからです
診療報酬の配分「見直しを行う」―事業仕分け
11月11日22時40分配信 医療介護CBニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091111-00000015-cbn-soci
政府の行政刷新会議第2ワーキンググループは11月11日、事業仕分け作業の対象としていた「診療報酬の配分(勤務医対策など)」について検討を行い、「見直しを行う」と結論付けた。見直しの例としては、「収入が高い診療科の見直し」「開業医・勤務医の平準化」を挙げている。
検討に先立ち、取りまとめ役を担当した民主党の枝野幸男衆院議員は、診療報酬について「典型的な仕分けの作業とは若干異なる」と前置きした上で、「公開という外部の視点が入った中で、医療費の総額を上げる下げるという議論の前に、仕組みや制度、あるいはその議論の中において取り入れるべき視点について、一つの方向性が出れば、今後の診療報酬改定のプロセスの中で生かしていただくという流れになっていくかと思う」と述べた。
また、厚生労働省の外口崇保険局長は「前回改定で病院勤務医対策を重点的に評価した」とする一方で、「評価はまだ限定的」とした。さらに、前回改定の結果検証で、勤務状況が1年前と比較して「悪化した」との病院勤務医の回答が40.8%に上ったことなどを取り上げ、「ぜひ国民の皆様の理解を得て、こういった勤務医の皆さんの環境改善を進めたい」と訴えた。
これに対して財務省側は、▽公務員の人件費カットや物価のデフレ傾向が進んでいる現状を勘案して、診療報酬全体の伸びを決定する▽収入が高い診療科の報酬を見直す▽開業医の報酬を勤務医と公平になるように見直す―の3点によって財源を捻出し、勤務医対策に充てることで、「国民負担を増やさずに医療崩壊を食い止める取り組みを行ってはどうか」と提案した。
取りまとめられた評価シートに記載された民間委員の意見としては、「再診料、特定疾患療養管理料の診療所優遇を廃止すべき」「医療サービスのクオリティに基づいて配分すべき」「開業医、勤務医の比較など、設備投資コストや税などを含めた対比が可能な調査・データ・分析を厚生労働省の責任でしっかりと進めないと、判断すること自体が困難である」などがあった。
ワーキンググループの評価結果では、「診療報酬の配分(勤務医対策など)」について16人の評価者全員が「見直しを行う」とした。その例としては、「収入が高い診療科の見直し」が14人、「開業医・勤務医の平準化」が13人の支持を得た。また、「公務員人件費・デフレの反映」についても8人が支持したことから、厚労省に対して考慮するよう求めた。
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現場で働く人間としては、いろいろ思うところがあります。
僕は医療自体が楽しいので、今の状況でも苦痛はありません。一応年収も600万位はあるのではないかと思います。大学病院の勤務医としてはかなり高額ではないでしょうか?
ただ、朝の7時(半前)から早くて22時くらいまで病院内で何かをやっていますし(これでも早くなったんですよ)、患者さんの状況・状態によって当然午前様も多いです。
ついでにいつ呼ばれるかわからないOn call体制のため、熟眠できません(寝過したら患者さんが死ぬことありますから)
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さらに外来も含めて患者さんの数に対して医師の数が少ない(特に血液内科は少ないのです)ですから、患者さんも満足な医療を受けられない可能性がありますし、僕らももう少し時間が欲しいと思います。
あとは人間としてもう少しプライベートの時間を充実させることができればよいと思わざるを得ないところがあります。家族ができたらなおさらではないかと・・・。
財務省はともかく診療報酬などを減らしたいという考えでいるのだと思いますが、診療報酬はともかくとして「日本の医療費」を大幅に増やすことに関しては理解してもらえないだろうかと思います。
診療報酬を改善することで病院自体が成り立つようにすることも重要ですが、このままでは「医療の進歩」に「医者の数」が追い付かず・・・最終的には国民の不利益になると思います。
もしくは「法の下の平等」が成り立たない・・・「お金」を持っている人が最先端の医療を受けられるような国になるのではないかと思うのです。 結局、医療を供給する能力が低下すれば・・・需要する方に制限が来るのは当たり前なのですから
供給する能力が低下していますから、明日の外来も当たり前のように食事もせずにノンストップで進行するでしょう。いつものことです。その程度で収まっているうちは個人の犠牲で、全体が成り立っていますが…そろそろ限界が来ているというものでしょう。
僕なんかは多少過労気味でも気にしていません。病棟から外を眺めながら
「患者さんの生死に接しているが、明日は我が身かもな・・・。油断せずに一生懸命に生きていこう」
とか思ったりもします・・・。
実際、去年お世話になった先生がくも膜下出血で倒れられているので(しかも前日に廊下で立ち話をしていたのに・・・)、本当に明日のことはわからないと思っています。
ある程度の勤務医の方々はそういう状況で仕事をされているのではないかと思います。
診療報酬の配分もいろいろ考えなくてはならないと思いますが、医療システムをもう一度考え直しても良いのではないかと思っています。勤務医と開業医の診療報酬のバランスを勤務医側に傾けたとしても、結局開業医が倒産していけば病院にかかる負担は増えるわけですし・・・・(開業医が倒産すれば勤務医が増えると思っているのかもしれませんが、特殊な診療科になればなるほど…難しくなると思います。連携能力を高めていたら別ですがw)。
そうでなくても病院志向が強い日本国民ですから…。
診療科に関しては、確かに見直すことで診療科の希望が変わるかもしれませんが、診療報酬が高いという理由だけでその診療科を選んでいるわけではないでしょうし(僕は完全に趣味の世界で選びました)・・・・。
だいたい・・・人の生き死にには関わりたくないと思う人は医者だって多いと思いますよ、人間ですから。
そういう意味では、「収入が高い診療科の見直し」「開業医・勤務医の平準化」はまったく評価しませんし、むしろ「この程度で終わるのかしら?」と思ったりしています。
「公務員人件費・デフレの反映」に関しては、事務職の…という意味なのか、医師や看護師・・・医療職のという意味かはわかりませんが・・・。
デフレを反映させて給料の増減がなくとも・・・「相対的にはあがったでしょう?」と言いたいのか、それともその分(周りの給料が下がっている分)下げるという意味かはわかりませんが・・・・。
僕のこのあたりの考えはBlog内にいろいろ書いてありますが、最近の記事だと
「エンゲル係数と人件費:医療費と医師に対する人件費に関して」などがあります
もしよろしければ、読んでいただけますとうれしく思います
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明日は40人近く予約の患者さんがいます。末期に近い人は・・・当然話もなくなりますから、辛いです。もう少し人手が欲しいです。
さらにそれが終わったらシビアなムンテラを連続でしないといけないかもしれません。少なくとも1件はあります。
それが終わったらカンファレンスですから・・・朝飯以外は食べられない可能性があります。朝食べ損ねたら、たぶん1日食事抜きかも・・・・・。
それだけは避けたいですけど・・・・難しいですね。
では、また。