新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

医師不足と激務のさなかで・・・・・「論文が減る日本の医療」

2009-11-20 00:56:57 | 医療

こんばんは

 

今、帰ってきました。

今日は外来日でしたが、患者さんの人数は少ない方で30名前後でした。早く終わると思っていましたが、新患が多く・・・そして緩和ケアをしている人も何人かいて時間がかかりました。

 

その後、様々な出来事がありましたが…今日の一番の出来事は「血液内科志望の2年目研修医登場」というところでしょうか。

 

今日から研修する彼は僕にある意味似ていると思うので、僕は一生懸命引っ張りましたw来てくれて非常にうれしく思っています。

 

さて、今日の記事ですがあえてこれに触れます

 

<産婦人科医>論文数が半減 激務と研究費減で

11月19日15時0分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091119-00000063-mai-soci  

日本の産婦人科医が国際的な学術誌に投稿し掲載される論文数が減り続けていることが、日本産科婦人科学会(日産婦)の調査で分かった。医師不足による医療現場の疲弊に加え、大学への公的研究費削減も背景にあるという。  

 

医療の質の低下を懸念する日産婦は、専門医の認定条件を見直し、研究業績を重視する方向で検討を始めた。  

 

調査は、各国の研究者から引用される影響力の高い31の英文学術誌を選び、国内在住の日本人研究者が筆頭著者になっている論文の数を集計した。  

00年以降は毎年、それ以前は86年以降5年ごとに推移を見た。  

 

86年は34本だったのが91年には101本に急増。その後も順調に増えたが、01年の224本をピークに減少に転じた。05年165本、06年130本と減り続け、08年は98本でピーク時の半分以下、91年の水準に戻った。生殖補助医療分野の論文が増える一方、ホルモンや婦人科の腫瘍(しゅよう)などの減少が目立つ。  

産婦人科は近年、医師確保が課題になるなど厳しい労働環境にある。医師が診療に追われ、論文のための症例分析や研究に時間を割けなくなっているとみられる。  

 

緊縮財政による研究費削減や、新しい研修医制度で専門教育が軽視されているという指摘もある。  こうした現状を受け、日産婦は専門医の認定要件に論文執筆を義務付けるなど、研究力をより重視する検討に入った。  

調査した日産婦理事の井上正樹・金沢大教授(婦人科腫瘍学)は「医師が研究マインドを持たないと、医学の発展は望めない」と指摘する。【江口一】

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血液学会でも「基礎系」の発表が少なくなりました

 

研究と臨床が直結しやすい血液分野で研究(基礎系)の発表が少なくなっているというのは恐ろしいことだと思います。 それだけ血液内科医も疲弊してきているということだと思いますが・・・。

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研究発表があるのは特定の施設が中心になっている…という事実は、本当に研究に力を割けなくなった日本の現実を反映していると思います。

 

それは日本の将来を考えると非常に厳しい事実だと思います。

 

それでは、また。

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P.S 今日のカンファレンスで「(教授が)ASHから帰ってくるまでに(5月頃にいっていた)論文書いてね」と言われました。

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眠くなりました・・・・・(眠らない医者のくせにw)

2009-11-18 23:37:28 | Weblog

こんばんは

 

先程、帰ってまいりました。

今日もいろいろあったのですが・・・・とりあえず一日は無事に過ぎていきました。

 

 

 

しかし、今日は寒いですね。今も部屋の中が若干寒いかな~と思っています。

 

最近の特記事項としては・・・インフルエンザに関しての「優先接種証明書」を書くことが増えたり、書いてもらえるのか否かの照会の電話がかかってきたりすることが増えてきたということでしょうか。 これでまた外来の時間が少し伸びたりもするのですが、まぁ仕方がありませんね。

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さて、今日は眠くなってきました。少し本を読んだらそのまま寝ようと思います。

 

それでは、また。

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奈良の搬送記事を見て思う

2009-11-18 00:03:09 | 医療

こんばんは

 

今、帰ってきました。

今日も昨日の続きのような大荒れで、医師・看護師ともにバタバタしておりました。

 

 

0時には出勤してくる深夜勤務の看護師が帰ったのは20時すぎ。

「帰るより、このまま泊まった方が良くない?」

という話をしたりしておりました。

 

 

昨日挿管した人は、呼吸状態も改善。改善したのを機にCTをとったところ以前にあった病変も改善し、どうにかなるだろうと考えております。

 

まぁ、急変しても助かる可能性が低かったら挿管しないと思いますが・・・・。完治しない腫瘍を抱えている患者に対して…ですけど。

 

もちろん、家族の希望が強ければべつですけど・・・・ね。

 

 

結局昨日挿管した患者さんは、そういう理由で個室をでて他の病棟の2人部屋へ・・・。個室に別の急変中の患者さんを移動させて対応中です。

 

その他にもいろいろありまして、現在に至っております。

 

さて、救急搬送の話題が朝日新聞に出ておりましたので紹介します。

 

 

9病院に断られ1時間20分後に搬送 奈良で発作の男性

2009年11月17日3時31分 http://www.asahi.com/health/news/OSK200911160100.html  

 

奈良県生駒市で7日、自宅で低血糖発作を起こした男性(69)が県内や大阪の9病院に搬送を断られ、通報から約1時間20分後に大阪府の民間病院に運ばれたことがわかった。男性は今も治療中。同市では3月と10月にも患者が6~7病院に搬送を断られ、その後死亡しており、県地域医療連携課は「根本的な救急受け入れ態勢を整備する必要がある」と話している。  

 

市消防本部などによると、7日午後11時45分ごろ、男性の家族から119番通報があった。救急車は6分後に到着。救急隊員は脳卒中の疑いもあるとみて、2次救急の当番病院や県内、大阪府の病院などに照会したが、「処置中」などの理由で断られた。10回目の照会で大阪府大東市の民間病院に搬送が決まり、8日午前1時6分に収容された。  

 

奈良県は5月、消防が受け入れ病院を検索するシステムに、従来の診察科別のほか「心筋梗塞(こうそく)」「脳卒中」など症状別の可否情報を加えた。市消防本部は今回、「脳卒中」を受け入れ可とした県内2病院に照会したが、いずれも「処置中」で断られたという。(東裕二)

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救急搬送に関しては本当に難しいところだと思います。

 

僕はまた今週の3連休ど真ん中で当直をするのですが、自分たちでどこまで対応できるかというのは患者さんの予後に影響します。

 

うちの大学も基本的には各科当直は「かかりつけ」の対応を行っています。それぞれの当直が専門性を生かして連携したりはしますが、基本的に「各科」対応です。

 

先日、救命・社会復帰できてはいるのですが・・・こんな患者さんがいました。

 

ふたを開けたら急性腹症・・・という患者。緊急手術が必要な状態で、ショックになっていました。僕は病院を離れる当直の先生の代わりにバックアップでこの時当直に入ったのですが・・・いろいろ大変な状態でした。

 

 

患者さんが手術が必要だとわかったとき・・・・当大学はすでに外科、麻酔科が別の緊急手術に入ってしまって対応できないということで、他大学へショックの治療を行いながら搬送したという。

僕は当直が帰ってくるまで当直代理をしながら待っていました。

 

もっとも、そこで「DNR」と言って術後に逆搬送されてきて、全身状態がすこぶる悪い状況から後輩がきめ細やかな管理を行ってレスキューしたわけですが・・・(うちの診療科全員が「DNR」と書いて送ってきた病院に元気な姿を見せてやれ…と言っていましたw)。

 

 

とりあえず「緊急手術」ができなかったら死亡していたわけです。

 

緊急手術ができない=受け入れ不能です。

 

今回のケースは下血=消化器内科…での連携のはずが、救急隊からの情報が急性腹症(腹膜炎)の可能性を全く除外するような情報だったということだったわけですが・・・それによって対応に遅れが出たということですけど・・・・(時々、受け入れが悪いと救急隊の方が必要な情報を言わなかったりします。僕も何回も騙されて、入院ベッドがない状況で患者さんの対応をしなくてはならなくなったことがあります)。

 

脳梗塞かもしれない…と言われたら、その対応ができない施設が「受け入れ不能」というのは理解可能です。そしてその風潮を作ってしまったのは間違いなくマスコミではあると思います。

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なかのひと 

善意で動いて患者に不利益があれば、どれだけ力を尽くしてもたたかれる。それが先日までのマスコミですから。

 

大学病院ならこの「連携」がまだあるわけですが、病院当直が一人ですべての患者に対応する場合、いろいろ受け入れ困難なこともあります

 

そういった、様々な理由が受け入れ困難・・・な状況を作っているのだろうと思います。

 

 

因みに同じころ、こんな記事も出ていますが・・・・これは一部意味がわかりません。

 

透析患者、7病院が搬送断る 奈良、3日後に死亡

2009年11月13日

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200911130003.html?ref=recc  

奈良県生駒市で10月24日、意識が低下した腎臓病の人工透析患者の男性(83)が、県内や大阪の7病院・医療施設に計8回受け入れを断られ、通報から約1時間45分後に大阪府の病院に搬送されていたことがわかった。男性は3日後に肝臓がんで死亡した。同県では救急患者の搬送不能問題が相次いでおり、県地域医療連携課は「今回のケースを調査し、対応を検討したい」としている。  

 

生駒市消防本部などによると、男性は同市在住。24日午後4時半ごろ、家族から「発熱があり、体が震えている」と119番通報があった。3分後に救急車が到着。男性が診察を受けたことのある同市内の病院をはじめ、2次救急の当番病院や県立病院、大阪市内の病院などに照会したが、男性が透析患者だったため、「専門医がいない」「専門外」との理由で断られた。  

 

9回目の照会で受け入れ先となった大阪府大東市の民間病院に午後6時15分ごろ到着したが、27日、持病の肝臓がんで死亡したという。  

奈良県では06年8月、入院中に意識不明になった妊婦が同県や大阪府の19病院に受け入れを断られ、8日後に死亡。07年8月にも下腹部の痛みを訴えた妊婦が、11病院に断られて死産した。今年3月には意識を失った男性が6病院に断られ、約1時間半後に大阪府の病院で死亡した。(東裕二)

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持病の肝臓がんで死亡したというのは今回の搬送と何か関係があったのかは、まったくもって意味がわかりません。

 

ただ、唯一わかるのは「長期の入院」になることを念頭に「うちで受け入れても透析ができないからこの患者さんは死んでしまう。だから透析ができる病院で診てもらうしかない」という判断で、各病院が断ったのだろうということ。

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逆に透析が翌日にはできるようになるのであれば断る理由がないと思う。

 

入院=長期的な管理が必要…ということになるため、大学病院などでなくては受け入れは難しいかもしれません。

 

 

それでは、また。

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研修医の変わり目・・・

2009-11-17 00:46:48 | Weblog

こんばんは

 

今、帰ってきました。

 

今日で2年目の研修医の先生が研修を終了されるのですが、いつもこの研修医の交代時期に異変が起きます。

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なかのひと 

この子が来た時は無菌室の中でCPAになり…

蘇生はして意識も清明ではありますが、非常にその後も重篤な心機能低下に悩まされています。

 

 

そして今日は・・・・家族に説明しているそばから呼吸状態が悪化して、いきなり挿管することになり・・・・

 

白血病細胞の浸潤による呼吸不全だと思うよ・・・。しかし、このPSでは治療が難しいけど・・・という話をしていたら、一気に来てしまいました。

 

CTをとった時点で「白血病浸潤」「肺水腫(違うと思うけど)」「ニューモシスチス肺炎」などが鑑別に上がり、呼吸器内科・血液内科・放射線科・・・全員が「浸潤の可能性が高い」と判断しています。

何故ならβdグルカンは基準値以下、BNPなども測っていますが・・・利尿をかけてかなりドライサイドにおいているにもかかわらず肺は改善しませんので・・・・。

 

そのことを含め・・・説明しているうちにリザーバー最大流量まで上がっていて、そのまま挿管となりました。

 

少しやりようがあると思っていることと、いきなりラッシュで来てしまったので家族の受け入れる時間がないので、挿管して時間を稼ごうと思いましたが・・・高齢のCMMLに完治する治療法はないので・・・厳しいところです。

 

挿管に関しては今日で研修終了の研修医の先生にやってもらいましたが、挿管した後も呼吸状態が安定せず。呼吸器の設定でPEEPなどもARDSネットワークに準じてかけていますがFiO2 0.9までしか下げられないとは・・・・・・。

 

 

その他にも同時に他の患者さんも動きがあり、11時過ぎまで総出で働いておりました。

 

朝から食事をしていない研修医もおり、状況が落ち着いた後、とりあえず全員でピザを食べました

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こんな風に研修医の変わり目は「大荒れ」になる傾向が毎回強いと思います。これ以上荒れてくれなければよいのですけど・・・・。

 

 

それでは、また。

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国を守る気はあるのだろうか?

2009-11-15 20:19:07 | Weblog

こんばんは

 

今日は少しゆっくり過ごせております。

先程、Yahooを開いたら・・「おいおい」と思った記事があったので少しだけ紹介します。

 

 

紛争救援に自衛艦活用=鳩山首相が「友愛ボート」構想-APEC

11月14日22時22分配信 時事通信  

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091114-00000128-jij-pol

【シンガポール時事】

鳩山由紀夫首相は14日午後、アジア太平洋経済協力会議(APEC)に合わせて開かれた最高経営責任者(CEO)サミットで講演し、紛争や災害の被災者を救援するため、海上自衛艦を活用する「友愛ボート」構想を明らかにした。紛争地域に自衛隊を派遣するとも取れる発言で、国内で物議を醸しそうだ。 

 

首相は同構想について「日本の自衛艦に自衛隊のみならず、NGO(非政府組織)あるいはアジアの多くの人たちが協力して乗り込んで、紛争があって人の命が危ないとなれば、その船が行って医療などの協力を行う」などと説明。「柔軟に動くことができる船を活用することによって、人の命を救うための体制をアジア太平洋地域の人たちが協力して行う発想だ」と語った。 

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自衛隊の紛争地域派遣の問題を上げていますが・・・もっと非常識なのは「国防のための護衛艦」の能力を公にさらすようなもので、これで日本の国が守れるわけがないですね。

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なかのひと 

日本は周りを海で囲まれていますから、まず海上で守らないといけないわけです。海上・航空戦力を一般に知らしめてどうするんでしょうかね

 

 

別に一緒に乗っただけで何がわかるか…と思っているのかもしれませんが、何でもわかると思います。そういう意味で「何も考えていない発言」だと思います

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少し情けなくなりますね。

それでは、また。

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ど~でもいい話:僕と見た目年齢

2009-11-15 16:57:29 | ど~でもいい話

さて、久しぶりにど~でもいい話です

 

血液内科というのは白血病や悪性リンパ腫などに抗癌剤による治療を行う診療科です(もちろん、普通の貧血などもみますが…先々週軽症のサラセミアの方が来ました。親も子供も小球性貧血で、Hb分画はしっかり異常がありました)。

 

 

抗癌剤というのは基本的に毒物ですから、毒物を持って毒を制する。その為には基本的に全身状態が良くないと、抗癌剤治療で死んでしまいます

 

特に血液内科の場合、骨髄毒性が強く出るほどの強さで抗癌剤治療をしないといけないので・・・・。臨床腫瘍学会が「急性白血病の治療は血液内科がやらないとだめです」と言っているのは当然そのあたりにあるのでしょう

 

 

ですから時々

「○○さんは70歳の女性ですが、見た目的には60代前半(でも通用しそうなくらい元気な方)です」

と言ったりしています。

 

見た目は「何歳くらい」は逆もしかりで、60歳だけど見た目70歳後半に見えるくらい……というのもあります。

 

 

先日、看護師さんから聞きました。

「患者さんたちが先生(僕)の話をしていて、年齢の話題になったので『30代前半だよ』って教えたら、全員が絶句していました。そんなに若いのかって・・・・」

・・・・・・・・・・・・

「それは僕が老けて見えると?

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なかのひと 

「いや、落ち着いているということじゃないかしら」

「ふむ・・・・」

 

思わず「ゴゴゴゴ・・・・・」って感じでしたが、うまく看護師さんがフォローしてくれました。

 

まぁ、僕の後輩は逆に若く見られるらしく・・・ここに年数の差はほとんどないのに(一部の)患者さんからは

「~なんだよな」

と言われている後輩に対し

「~~~なんです。はい、ありがとうございます」

などと、(僕は)敬語を使われたり・・・・いろいろ対応が確かに違うような気がする

 

医者の見た目年齢は・・・まぁ、30代後半から40代前半に見られる方が良いのでしょうけど・・・・僕はそんなに年ではない・・・・orz

 

 

そんなことを思ったりしました。

それでは、また。

少し英語の勉強をしようと思います。時間ができるのはうれしいですよね。

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休日…という感じがします。はい・・・。 

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公務員給料カットに関して思う:ナースステーションの雑談から

2009-11-15 16:17:25 | 複合記事

こんにちは

 

今日は久々に昼間に家に帰ってきました。昼間に家に帰ってきたことで「休日なんだな~」と実感していたりします。

 

最近は家に帰るのが遅くなることが多かったので、まともな休日(?)の気がしたのは本当に久しぶりです。

 

 

病棟は大きな動きはなくなり、調子の良し悪しはもちろんありますが、安定した状態になっています。

 

無菌室で同種骨髄移植中の患者さんは何事もなく生着したようですが、これからも油断せずに万全の体制で行きたいと思いますし、この1ヶ月ちょっとの間に来た「初発」の白血病・再生不良性貧血の患者さんたち7名はほとんど順調に経過中です。

 

先程帰る前にナースステーションで看護師さんが

公務員の給料って3割カットになるの?

と大騒ぎしていました。

今でも信じられないくらいに安いのに、これ以上安くなるなら誰が働き続けるのだろうか?

と言われればその通りでしょう。看護師が集まらない。それ故にこれほど重症患者がいる病棟なのに、看護師さんの数が4名とかで祝祭日を看ているわけですから・・・・。

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公務員というのも能力給はないので、どれだけ働いていようと差は出ませんし、看護師さんも病棟によっての給料の差はありません。

 

一方、僕らのように(医者は)働いている時間が認められていませんしね(一般公務員は残業代は出るのでしょうけど・・・)。

 

 

僕は公務員の給料削減に関しては

3割はないと思うよ?それをやったら公務員になる人がいなくなるもの

と先程、大騒ぎしていたナースステーションで言いました。実際に3割の削減をやった場合は「現場の第一線で働くバリバリの公務員」に関しては皆辞めるのではないでしょうか。

 

弟も公務員なのですが、そこで働いている同僚は「うつ病」の診断で仕事を休んでいるらしいです。ただ、実際には家を訪ねると「ゲームをしていたり、漫画を読んでいるだけ」と言っていて、こういうのは適応障害であってうつ病とは言わないだろうな…と思います。

 

こういったケースの人員の削減、不必要に余っている、実際に働いていない人間の人員削減に関しては進めたほうが良いと思いますが、全体を一律に給料カットすれば「優秀な人材」は国家公務員にならないだろう…と思います。

 

 

僕が知っている人の中にも・・実際「こいつは仕事をしているとは言わないな」というような人から「過労死するぞ、この人」というようなレベルの人まで大勢います。

 

ただ、この仕事の差が「給料」「昇進」を含め、全く評価されていないのも公務員だな~と思ったりします。

 

この給料問題で研修医達が

民間の給料が安いって言いますけど、高校の同級生は保険会社とか入って9時~5(17)時の仕事で私たち以上の給料もらっているのに・・・これ以上削減されるなら辞めたほうがいいじゃないですか

と言っていたので

「その通りだね。やめた方がいいんじゃない?」

と、言ってみました。

 

 

また、大学の上の先生が

俺らが頑張れば頑張るほど、やったことに対する評価は低くなっている

と言っていました。頑張れば評価されるわけでもないので、頑張った分だけ一つあたりの評価は下がる…という意味です。

 

そうやって優秀な人材が民間に流れていくわけですが、うちの大学は特にその傾向が強いのだと思います。

 

先日もうちの大学出身の先生が、某大学の胸部外科の教授になられたようですが、このように優秀な人材は外へ外へといってしまうのですよね

 

それと同じように国家公務員の給料の一律削減は「優秀な人材の流出」につながり、国家の礎を揺るがすかもしれませんね。

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なかのひと 

 

僕は「国家公務員になれば仕事しなくても大丈夫」という考え方の人間を減らしていけばいい。そんな人間に給料を払うのは国家の損失であって、利益が出ない・・そう思います。

 

民間の会社が好景気になったときに給料アップするのに対して、国家公務員はそれほど上昇しない。逆に不景気になったときもそれほど下がらない。だから、不景気の時に公務員が増える(まぁ、新規採用も減るのでしょうけど)のだと思います。

それが全体の給料が下がってしまえば、当然民間と異なり再度給料がアップすることも少なくなり、結局は国家公務員から優秀な人材はいなくなるでしょう。

 

そして日本は

と思います。

 

 

まぁ、それゆえに一律に給料を下げるようなバカなことはしないと思いますが・・・・何しろ僕を含めて人というのは視野が常に狭くなりますので・・・

 

看護師さんの懸念が実現しないことだけ祈っています。

それでは、また。

 

P.S

この記事を書いている間に病棟から3件の電話がありました

これが医者の休日です。

 

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自宅で看取る

2009-11-14 18:33:24 | 医療

こんばんは

 

今、帰ってきました。

 

昨日は昨日で忙しかったのですが、今日もいくつかバタバタするようなものがありました。

 

ひとつは移植後再発の患者さんのDLIを先程試行してきました。

免疫抑制剤を切ったところから横ばいで進行が止まっているため、AMLに対してのEBMという意味では根拠に欠けるのですが実施したところです。 心臓も弱っていて(重症心不全)抗癌剤治療がこれ以上できないというのも理由ですが・・・。

 

それに先駆けて左鎖骨下からCVを挿入し…とやっていたら、外来の末期の患者さんが全身状態が悪化して緊急入院されました。

 

その患者さんの御家族は

「家で過ごしているのはいいのだけど、苦しそうにしているのを見るのはつらい。家で看取る方向で行くのは私たちでは無理だ

とおっしゃっていて・・・基本的にこのまま入院して緩和ケアをやっていくことになりそうです。

 

 

僕らも患者さんの御家族同様に苦しそうにしているのを見るのはつらいので、できるだけのことをやっていくわけですが・・・・自宅で看取るのと病院で看取るのとどちらが良いのかと言われたら難しいです。

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なかのひと 

病院にいれば家族が苦しそうな患者さんを見なくて済むわけではないのですから・・・。

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それでは、夕食を食べに行ってきます。

 

 

P.S 昨日はほとんど食事が食べれませんでした・・・(笑

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Data消失・・・orz

2009-11-13 00:43:20 | Weblog

こんばんは

 

Dataが今とびました。せっかく書いた記事が・・・・・。

 

 

ふぅ・・・・。

 

もう一回作るのがつかれてしまったのと、おなかがすいたのでもう今日はここで終わります。

 

 

今日は予想通り忙しい毎日でした。

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なかのひと 

それだけですね。

 

それでは、また。

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診療報酬の配分に関して・・・

2009-11-12 00:11:52 | Blogを書く理由

こんばんは

 

今日もなかなか忙しい一日でした。本当は病院は暇な方が良いのかもしれませんが、今の日本ではある程度の規模の病院で暇になるのはなかなかないのかもしれませんね。

 

血液内科という診療科なら特に・・・・。

 

今日の良いことは悪性リンパ腫の再発と思って、いろいろと計画を組んでいた人が再発ではなさそうであるということ。

リンパ節腫脹はあるものの病理学的に異なる状況で、腫瘍マーカーは上昇しているものの・・確かに他の血液検査が初発時と異なる。 特に血液像は好酸球が30%を超えるということで…アレルギー的な要素が高いようです。

 

それならば・・・対応が全く異なります。これが一番良かったことでしょうか。

 

あと、先日サラセミアを疑った初診の患者さんは、どうやらサラセミアでよさそうです。サラセミア+ITPというところでしょうか・・・・。

また、初発のCML疑いの患者さんもCMLと診断確定して、今日からグリベックスタートです。

 

そんなこんなで入院、外来、他科との連携などいろいろやっておりますが、今日は当直が血液内科の先生だったので、早めに帰ってきました。

 

 

今日の記事ですが、こちらを取り上げたいと思います。

CBからです

 

診療報酬の配分「見直しを行う」―事業仕分け

11月11日22時40分配信 医療介護CBニュース

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091111-00000015-cbn-soci  

政府の行政刷新会議第2ワーキンググループは11月11日、事業仕分け作業の対象としていた「診療報酬の配分(勤務医対策など)」について検討を行い、「見直しを行う」と結論付けた。見直しの例としては、「収入が高い診療科の見直し」「開業医・勤務医の平準化」を挙げている。  

 

検討に先立ち、取りまとめ役を担当した民主党の枝野幸男衆院議員は、診療報酬について「典型的な仕分けの作業とは若干異なる」と前置きした上で、「公開という外部の視点が入った中で、医療費の総額を上げる下げるという議論の前に、仕組みや制度、あるいはその議論の中において取り入れるべき視点について、一つの方向性が出れば、今後の診療報酬改定のプロセスの中で生かしていただくという流れになっていくかと思う」と述べた。  

また、厚生労働省の外口崇保険局長は「前回改定で病院勤務医対策を重点的に評価した」とする一方で、「評価はまだ限定的」とした。さらに、前回改定の結果検証で、勤務状況が1年前と比較して「悪化した」との病院勤務医の回答が40.8%に上ったことなどを取り上げ、「ぜひ国民の皆様の理解を得て、こういった勤務医の皆さんの環境改善を進めたい」と訴えた。  

これに対して財務省側は、▽公務員の人件費カットや物価のデフレ傾向が進んでいる現状を勘案して、診療報酬全体の伸びを決定する収入が高い診療科の報酬を見直す開業医の報酬を勤務医と公平になるように見直す―の3点によって財源を捻出し、勤務医対策に充てることで、「国民負担を増やさずに医療崩壊を食い止める取り組みを行ってはどうか」と提案した。  

 

取りまとめられた評価シートに記載された民間委員の意見としては、「再診料、特定疾患療養管理料の診療所優遇を廃止すべき」「医療サービスのクオリティに基づいて配分すべき」「開業医、勤務医の比較など、設備投資コストや税などを含めた対比が可能な調査・データ・分析を厚生労働省の責任でしっかりと進めないと、判断すること自体が困難である」などがあった。  

 

ワーキンググループの評価結果では、「診療報酬の配分(勤務医対策など)」について16人の評価者全員が「見直しを行う」とした。その例としては、「収入が高い診療科の見直し」が14人、「開業医・勤務医の平準化」が13人の支持を得た。また、「公務員人件費・デフレの反映」についても8人が支持したことから、厚労省に対して考慮するよう求めた。

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現場で働く人間としては、いろいろ思うところがあります。

 

僕は医療自体が楽しいので、今の状況でも苦痛はありません。一応年収も600万位はあるのではないかと思います。大学病院の勤務医としてはかなり高額ではないでしょうか?

 

ただ、朝の7時(半前)から早くて22時くらいまで病院内で何かをやっていますし(これでも早くなったんですよ)、患者さんの状況・状態によって当然午前様も多いです。

ついでにいつ呼ばれるかわからないOn call体制のため、熟眠できません(寝過したら患者さんが死ぬことありますから)

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なかのひと 

 

さらに外来も含めて患者さんの数に対して医師の数が少ない(特に血液内科は少ないのです)ですから、患者さんも満足な医療を受けられない可能性がありますし、僕らももう少し時間が欲しいと思います。

 

あとは人間としてもう少しプライベートの時間を充実させることができればよいと思わざるを得ないところがあります。家族ができたらなおさらではないかと・・・。

 

 

財務省はともかく診療報酬などを減らしたいという考えでいるのだと思いますが、診療報酬はともかくとして「日本の医療費」を大幅に増やすことに関しては理解してもらえないだろうかと思います。

 

診療報酬を改善することで病院自体が成り立つようにすることも重要ですが、このままでは「医療の進歩」に「医者の数」が追い付かず・・・最終的には国民の不利益になると思います。

 

もしくは「法の下の平等」が成り立たない・・・「お金」を持っている人が最先端の医療を受けられるような国になるのではないかと思うのです。 結局、医療を供給する能力が低下すれば・・・需要する方に制限が来るのは当たり前なのですから

 

 

供給する能力が低下していますから、明日の外来も当たり前のように食事もせずにノンストップで進行するでしょう。いつものことです。その程度で収まっているうちは個人の犠牲で、全体が成り立っていますが…そろそろ限界が来ているというものでしょう。

 

僕なんかは多少過労気味でも気にしていません。病棟から外を眺めながら

「患者さんの生死に接しているが、明日は我が身かもな・・・。油断せずに一生懸命に生きていこう」

とか思ったりもします・・・。

 

実際、去年お世話になった先生がくも膜下出血で倒れられているので(しかも前日に廊下で立ち話をしていたのに・・・)、本当に明日のことはわからないと思っています。

 

 

ある程度の勤務医の方々はそういう状況で仕事をされているのではないかと思います。

 

診療報酬の配分もいろいろ考えなくてはならないと思いますが、医療システムをもう一度考え直しても良いのではないかと思っています。勤務医と開業医の診療報酬のバランスを勤務医側に傾けたとしても、結局開業医が倒産していけば病院にかかる負担は増えるわけですし・・・・(開業医が倒産すれば勤務医が増えると思っているのかもしれませんが、特殊な診療科になればなるほど…難しくなると思います。連携能力を高めていたら別ですがw)。

 

そうでなくても病院志向が強い日本国民ですから…。

 

診療科に関しては、確かに見直すことで診療科の希望が変わるかもしれませんが、診療報酬が高いという理由だけでその診療科を選んでいるわけではないでしょうし(僕は完全に趣味の世界で選びました)・・・・。

だいたい・・・人の生き死にには関わりたくないと思う人は医者だって多いと思いますよ、人間ですから。

 

 

そういう意味では、「収入が高い診療科の見直し」「開業医・勤務医の平準化」はまったく評価しませんし、むしろ「この程度で終わるのかしら?」と思ったりしています。

 

「公務員人件費・デフレの反映」に関しては、事務職の…という意味なのか、医師や看護師・・・医療職のという意味かはわかりませんが・・・。

デフレを反映させて給料の増減がなくとも・・・「相対的にはあがったでしょう?」と言いたいのか、それともその分(周りの給料が下がっている分)下げるという意味かはわかりませんが・・・・。

 

僕のこのあたりの考えはBlog内にいろいろ書いてありますが、最近の記事だと

エンゲル係数と人件費:医療費と医師に対する人件費に関して」などがあります

 

もしよろしければ、読んでいただけますとうれしく思います

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明日は40人近く予約の患者さんがいます。末期に近い人は・・・当然話もなくなりますから、辛いです。もう少し人手が欲しいです。

 

さらにそれが終わったらシビアなムンテラを連続でしないといけないかもしれません。少なくとも1件はあります。

それが終わったらカンファレンスですから・・・朝飯以外は食べられない可能性があります。朝食べ損ねたら、たぶん1日食事抜きかも・・・・・。

 

 

それだけは避けたいですけど・・・・難しいですね。

では、また。

コメント (2)
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