恩師、代田文彦先生が死去されたのは平成15年1月23日のことであった。平成16年の春、奥様の瑛子先生から連絡があった。学会等で使ったスライドを譲って下さるとのこと。早速ご自宅にお伺いした。スライド資料は、外国旅行用トランク一個半程度の膨大な量になった。
その後、約1年をかけてなんとか整理し、主要なものをフィルムスキャナーでデジタルデータ化してCDに収めた。完成後CD一枚を、代田先生のご自宅にお届けにあがった。
ノートパソコンも持参し、瑛子先生にその概要をご覧いただいた。
学会や講習会用で使われたスライドが多い中、いつどこで使われたのか不明なスライドが十数があり、瑛子先生も不思議がっていた。文彦先生ご自身の学究としての態度を表明したものと思われる。そのごく一部をここに公開する。
実は文彦先生の書く文字には独特の個性があり、カルテに書かれる字に魅力を感じる医療関係者は多かった。私が先生に、「素晴らしい字ですね」というと、先生は「え、この字がかい?」と謙遜していた。
この書体に惚れ込んだらしい針灸研修生のK君は、次第に代田先生そっくりの字を書くようになってしまたほどだ。ある時、K君が文彦先生の机にメモ書きを置いておいたことがあった。文彦先生はそれを見て不思議がり、俺がこんなこと書いたっけ?とつぶやいたという。
学ぶ
study:自ら疑問をもち これを休憩していく能力を養う
learn: 教えられて学ぶこと
1.みだりに信じないこと
2.この不信の心をほどよく斟酌して考えること
3.人に頼らず ひとりで熱意や信念を育てること
①考えるとは どういうことか
それは知識を秩序の中に統一し 一つの全体とするためのものである
②考えるには どうしたらよいか
それは正しく把え、経験や読書により豊かな知識をもち、自分で無理なく
つまり精神の自由を保ち、独断におち入ることなく 可能性を考えることである。
③私達は何故考えるか
それは よりよいもの、より正しいもの
より美しいものを創造するためである