ここのところ週末になると赤ちゃんが来て二晩泊まっていく。娘が二人目の子供を妊娠して来年一月に出産予定であることを知らされた。一人目の時のつわり程ではないが今回も辛そうにしている。そこで父親を残して我が方に休養に来るわけだ。来るとよくそれほどまでに寝ておられるなと感心するほど妊婦さんは一日中横になっている。
テレビで赤ちゃんの体の柔らかさのことを 「ぷにょぷにょ」 と表現していた。なかなかうまい表現だと感心した。赤ちゃんはこんにゃくよりもプリンよりも柔らかいという。そして中国旅行のバスの中で聞いた次のことをふと思い出した。西太后(1835~1908)は乳母の乳で洗顔していたので死んだ時に顔に皺一つなかった。そのとき私は自分の手の甲をしばし眺めた。
赤ちゃんは散歩が好きだ。私と赤ちゃんは同じ方向を向いて、前でおんぶ紐で抱いて出発だ。赤ちゃんの両手を取ることもできる。木立を吹き渡る風や小鳥の声に、正面を指さし、口をすぼめながらオッオッと反応する。草花を手で触れることにも慣れた。玉川上水の散歩道のわきを流れる小川の流れや、散歩するいろいろな種類の犬や、公園の噴水の水しぶきや、行き交う人々に興味は尽きない。踏み切りで聞く電車の轟音にも慣れた。1時間ほどの散歩の帰りには寝てしまうのが常だ。
昨日のこと1年と1ヶ月の赤ちゃんは伝え歩きから、四歩ほどの倒れこみ歩きをするようになった。成長を見守るのは楽しみだがその世話も大変である。赤ちゃんが昼寝の時はこちらも合わせて寝ることにしている。育児ノイローゼになる若い母親がいたとしても無理からぬことだと思う。赤ちゃんを送り出した後にジジババはヤレヤレである。疲れてその日は本当によく寝られるのだ。