土曜の午後中央公民館でユネスコ協会主催の 「わがまちの宝物玉川上水を語る」 がありました。講師は退職金をはたいて青空ギャラリーを開設した鈴木忠司さんです。鈴木さんは上水沿いで生まれ、上水の土手とその分水である新堀用水で遊び、近くの武蔵野美術大学を出て、定年まで小平市の職員でした。
この日鈴木さんは玉川上水の魅力として ①水の流れ②自宅から近い③四季の出会い をあげて写真を前に語りました。上水は20年の間流れのない空堀であった時期があります。私が小平に住んで10年後の86年に再生水を流して清流が復活しました。人食い川と呼ばれた頃とは比較にならないわずかな水量ながらとても画期的なことでした。
鈴木さんは35歳から今日まで33年にわたり上水べりの散策を続けています。8年前に定年記念に 「玉川上水四季さんぽ」 を出版しました。青空ギャラリー開設一年後に再版を出す計画です。朝5時から10時ごろまで、時には一日中カメラを抱えて出かけるのが日課です。散歩を続けているうちに野草の自生する場所や開花の時期はもちろん野鳥の動きまで分かるようになりました。
観察には二十四節気の暦が最適といいます。たとえばツグミは立夏(5月5日)の前日に一斉に北へ帰るそうです。鈴木さんの話はいつも具体的です。エナガに続いて4月に巣立つのがモズで、巣は地上近くにあり、巣立ちは巣から地上に降りたときになり、幼鳥は飛べません。鈴木さんには5年かけてつき合っているモズがいます。こちらを認識して迎えに来るそうです。初秋には縄張りを宣言するモズの高鳴きの写真を撮らせてくれるそうです。私は講演会の翌日の朝6時すぎにカメラを抱えて上流に向かう鈴木さんに出会いました。またその翌日の今朝10時ごろには私の家の近くで民家庭先のエナガの巣を狙っている鈴木さんに出会いました。偶然にも3日連続でいろいろ体験談を聞くことができました。私の玉川上水観察も一歩前進です。