「ぎふ清流国体」の開会式が秋晴れのもと挙行された翌日である。台風17号は沖縄奄美を襲い9月30日午後7時ごろ強い勢力を保ち愛知県東部に上陸した。その後加速して東海地方や首都圏など広い範囲を暴風域に巻き込みながら列島を縦断してやや勢力を弱めながら1日朝にかけて日本の東海上に抜けた。午後9時少し前ぐらいに窓の外ではゴーヤのネットの支柱である竹竿が折れる音がした。闇を透かして見ると2本の竹竿のうちの1本が折れて繁りに繁った緑のカーテンがベニカナメの植え込みに覆いかぶさっている。
いつものように日曜夜の韓国ドラマを見終わって10時過ぎにふと外の嵐を伺うと、何やら様子が変だ。風はまだ強めだが雨はぴたりと止んで、見上げると天の高みに満月が煌々と光り輝いている。台風来襲の最中に予想もできなかった光景が目の前に存在していた。9月30日は旧暦の8月15日で十五夜である。台風のためにあきらめていた「中秋の名月」を愛でることができたことで気分は高揚していた。外に出て月明かりの中でゴーヤネットの状態を確認してその夜は寝た。
暦は大きく分けて太陽暦、太陰太陽暦、太陰暦の3つに分けられる。太陰とは月のことだ。私達が旧暦と呼んでいるものは太陰太陽暦に分類される。二十四節気は太陰暦による季節のズレを正し、季節を春夏秋冬の4等区分にするために考案された手法の一つである。暦について理解することはなかなか難しい。今回は中秋の名月について調べながらつぎのことを知った。旧暦では新月となる日がその月の1日となり月が太っていき満月となるのが15日である。旧暦には現在においても不思議な人気を得ている先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の六曜がある。
旧暦ではある月の1日の曜日は月毎に決まっている。旧暦の8月1日は「友引」と決められているから中秋の名月となる旧暦8月15日は必ず「仏滅」となる。今年のカレンダーを見てみた。10月14日は旧暦の8月29日で曜日は赤口だが、翌日の10月15日の旧暦の9月1日の曜日は規則正しく循環していたものが突然途切れて先負となる。つぎの旧暦の10月1日の曜日は曜日の順番に仏滅となる。そのつぎの旧暦11月1日の曜日は大安である。月の満ち欠けの周期は29.53日なので旧暦では一カ月は29日または30日となる。