![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/50/7045e0555693aeac5ea4dfaf22313e1e.jpg)
皆さんは マユミの花をご存じでしょうか?
これから マユミの花について しばらく 観察してみます。
画像は 本邦初公開(?)につき、全部で 16枚あります (^^ゞ
同じような画像がつづきますが、どこかに なぞ解明のヒントが隠されているかもしれないので、皆さんと一緒に 同じものを見ていきたいと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/e0/f6e6ca46ebb56dcfcb99980318bbc0bd.jpg)
「なぞ」と言いましたが、マユミは雌雄異株か 雌雄同株か それも定まっていないのです。
それで、よく知っているマユミの木のところに行き、花を観察しようというわけです。
この木は 安城市のとある圃場(植木のストック場)で、2本の マユミがあります。
2本とも 果実を実らせます。(↓)
マユミの花 -安城市JJ 圃場
なので、雌雄異株説をとるばあい、この株は <雌株>ということになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/b2/3a610c89ee8c227f770b3748e805e205.jpg)
ところが、(一枚目の写真もそうですが)観察して見ると、4つの雄しべをもった花が まず 目につくのです。おしべの頭が赤いのは 花粉を入れた葯の表面が 赤いのだと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/65/cc0f0e5565af9c3631e535be71f132dc.jpg)
花の中央に 緑の突起があります。雌しべですが、横からみて分かるように、雄しべより背が低いです。
雄しべは緑色の花盤の上に立っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/99/c1127559706f11929c4194fcbff2a01f.jpg)
おしべが勝っているように見えるので、これは<雄花>のように見えます。
雌雄異株説をとれば、実がなる株なので この株は雌株なんですが、そうしたばあい、そこに<雄花>が咲くということは 説明しにくいです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/d4/b06eeb90ce2e2fe091d7ebefd795cec2.jpg)
ただ、あとで述べるように、<雄花>の数は 一本の株の中で 少ないです。
ざっとみたところ、20分の1 くらい(5%くらい)でしょうか。
でも 4つの葯はきれいで、大多数の<雌花>とは 明らかに違う存在感をもってます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/4c/8d0fb185b3833164c536a5034a30af17.jpg)
雄花の めしべのほうは背が低いので (ソバの花などでよく使う)短花柱花 という言い方をされているサイトもあります。ただ ソバのばあいの短花柱花/長花柱花 とは 意味合いがちがうように思いますので、ここでは そのような呼び方はしないことにします。(ソバのばあいは雌雄同株で 両性花ですが、両性花に 2つのタイプがあるということです)
とりあえず、この果実が生る株には 花の数は少数ですが、<雄花>が存在します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/78/37b6c95960051c96367fd67b439a90ef.jpg)
雄花があるのだから、この株は 雌雄異株の雌株ではないですね。ひとつの株に 雄花も雌花もあれば、雌雄異株ではないです。漠然とですが、マユミは 雌雄異花で、同じ株に雌雄の花がつくということになります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/a7/187165c1a07577293fb770ee492bb76c.jpg)
この雄花は 中央のめしべがほとんど隆起していないようにみえます。退化と呼ぶにふさわしいように見えます。
ここから、多数派の <雌花>
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/d2/e1d1d0b9b8dcfafee5ccdb597842764d.jpg)
これが 多数派の <雌花>です。
中央のめしべのほうが 勢いがよく、周囲の4つの雄しべの葯の部分は黒ずんでいて 元気がありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/f5/5c9d08bdf708581e87a4b743b0097cc2.jpg)
そして、先ほども言ったように、数の上では こちらが圧倒的に 多数なのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/27/7745e05d8932460283e756d71d69eba5.jpg)
でも 変ですよね? プラタナスやフウなどでもわかるように、雌雄同株の木の花は 雄花のほうが 雌花より 圧倒的に多いのです。雄花が少なくて 秋にはたくさんの実を実らすためには、どこか近くに <雄株>があり、そこから花粉をもらっているのでしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/a5/caa58154a80121d2274ea84ad0d4dd33.jpg)
そう思って見渡したところ、この圃場内には<雄株>らしき株はありません。もちろん、実のならないマユミは、その存在に気がつきにくいので、私が知らないところに ちゃんとあるのかもしれません。
雌雄異株説をとれば、そういうことに(近くに雄株がある)なりますが・・・
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/81/9bbeb5d472188e61f612f30bb36a252f.jpg)
雌雄異株説をとるのは wiki 「(マユミは)雌雄異株。」
「マユミ(ニシキギ科)は雌雄異株で、雄花(退化的な雌しべがある)のみをつける雄個体と雌花(退化的な雄しべがある)のみをつける雌個体に分かれる 」(
福原のページ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/56/deaff14ddb5a0292960415fe6674409f.jpg)
雌雄異株説 つづき
マユミは「雌雄異株で雄花(花柱が短く貧相)、雌花(花柱が長い)各別株につく。」(里山コスモブログ)
「果実が美しいので公園や庭木に雌株ばかり植栽され、雄株は殆ど見かけない。雄株を見かけないのに雌株だけで見事に果実を生らせるので、雌株の花は両性花かも知れない。果実を生らせる個体の鉢植を2鉢用意し、花期にひとつのビニール袋で密閉する。すると雄株の花粉を受粉することはない。それで結実すれば貧相な雄花は生殖能力があり、両性花ということになる。写真の短花柱ばかりつけている個体は結実しない。この個体は雄株であり、花は雌蕊が退化した雄花である。従ってマユミは少なくとも雌雄同株ではない。」(同上、続き)
最後の推論は強力ですが、実際と異なるように見えます。雄花ばかりで雄株と思っていた個体が 数年して結実したという話もあります。
盆栽のサイトなどの記事では「雌雄異株だから雄木が必要とされている」と述べてあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6e/b7/99bf7d4789348b656b8a561268dc5989.jpg)
雌雄同株説
「マユミは、雌雄異株とする情報もありますが、雌しべが短い花をつける個体があり、結実しにくい傾向があるだけなので、雌雄同株とするのが妥当です。」(みんなの趣味の園芸『マユミとは』)
具体的な説明がないのですけど wiki には
「市販のマユミは雌木しか出回っていないが、雌木1本で果実がなる。」
などとあります。
「なお、不完全雌雄異株説というのもある。雌雄同株から性分化した雄株であるが完全には独立しておらず、稀に実をつけることがあり、マユミがその例であると。」(里山コスモブログ)
。。。
どうやら、結論は出ないようです。
次回、(寄り道して)マユミよりはるかに分かりやすい ソバの花 の例を見ておきます。