富士山の標高 3,776 メートルは、ミナナロという語呂合わせの助けを借りなくても覚えていて、どういうわけか忘れない。
では標高ゼロメートルはどこか、それは、東京湾中等潮位(T.P.:Tokyo Peil)といって海面の平均なのだが、東京湾といっても波が絶えずパチャパチャしているところでは具合が悪いので、神奈川県三浦市の油壺験潮場で平均海面を観測し、そこから標高ゼロメートルを導き出しているという。
さて、海面観測はそれでよいが陸上にも測量の基準点が必要になる。
かつて日本の陸地測量の総元締めは参謀本部陸地測量部だった。
そこにローマ神殿のような「標庫」を建て、標高 24.500 メートルの水晶板を固定した。
いまは千代田区永田町1丁目、国会前庭園憲政記念館構内になっている。
この「日本水準原点」の標高は、関東大震災による地殻変動で高さが変わって 24.4140 メートルとなり、さらに昭和24年(1949年)に 24.3900 メートルに改められている。
東京に直下型地震が起き、この場所の標高が大きく変わっても、水準原点の高さが変わるだけだが、地球規模で海面がかわったらどうするのか。
世界中の山の高さが変わったら、地図をはじめデータの修整に大騒ぎが起こるのではないか。
永田町の「日本水準原点」がすでに沈下しているのではないかという記事が目に入って、
われわれにとっては些事なのだが、ふと気になったのである。
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