バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

誰もミケランジェロを超えられない

2013-01-19 07:11:22 | 
 我が家で絵の仲間の新年会を開く。先生も出席。
 どこかの店でやっても良かったのだけど,長い時間落ち着いて話しなによりも父の絵を鑑賞したいという意見があったことから、うちでやることになった。

 うちに来ても普通は,多くは、掛けてある絵に言及しない。そこにあることに気づいていないかと思われることも多い。
 
 この日は違う。絵の前に立ちじっくりとなめるように見る。更には,棚、壁、そこここの「こだわり」への言及が続く。トイレに置いている写真にも。「いいアングルしてるね。」
 オブジェは空間に存在しないといけない。全てのアクセサリーをありったけ身に付けてしまうゴージャスおばさんのように、なんでもてんこもりしてはいけない。そういう「こだわり」に気づいてもらい、そこに言及される心地よさ。

 ひとしきり食事を終え、それぞれの絵の話しになる。
 「わかる」と「わからない」のカードを1まいずつ交互に積み重ねている感じであることを告げると、先生は「芸術は数学とは違い、誰もミケランジェロを超えられないんだから、それでいいんだよ。」
 この話しはこういうことだろう。芸術は数学とは違い先人の経験を借用できないのだから,常に誰も一からのスタートである。自力で零や負の数を発見し、円周率を算出しないといけない。そして「誰もがミケランジェロが到達したレベルに達していないのだから、とにかくどんどんやった方が良い。」なるほど、ということは長生きし長く続けたとしてもまだ本当の「わかった」に達せずということ。ちょっとやそっとやっただけで、「わかった」となるわけがない。

 先生とのこういったやりとりを得て、「わかる」カードを1枚乗せた。