旧型Vmaxは、キャブレターを使っている関係上、冬場は気温や湿度や気圧によって不調になる場合もあります。平地でも水温が上がらない場合は油温も上がっていないので、エンジン温度が想定より低く、その場合は、ガソリンも気化しにくいので、カブり易くなります。また、高速道路等で標高が高く湿気があり、気温も低い状態で、走行するとキャブレターベンチェリー部で氷が発生することがあり、ガソリンが出にくくなってガス欠のような症状が出ることがあります。旧型Vmaxは水冷式ですので、サーモスタットを社外品に変え低い温度で開くようになっていたり、ラジエター下のオンオフバルブがオンになっていると、水温が低い状態で、ラジエターが作動しますので、オーバークールになることがあります。
オーナーがバッテリー交換を行ったのですが、点火せず、レッカー入庫でお預かりです。スパークプラグは、NGK製JR8Cでしたが、ほぼ、4本ともプラグがカブってダメになっていたので、火が飛ばなかったようです。スパークプラグを新品に交換し、スターターを結構使用されたようなので、バッテリーを補充電しました。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
一応、試乗チェックしました。走行上は特に問題がありませんでしたので、無事納車になりました。個人的に、以前設計の古い車に乗っていたことがあり、エンジンが鉄ブロックでしたので、冬場は、なかなか水温が上がらず、キャブレター車だったこともあり、始動直後は、気を使いました。最新のバイクは、インジェクションでコンピューター制御なので、オーナーが気を使わなくてもコンピューターが調整してくれますが、車やバイクも旧車の場合は、オーナーが気を使わないと不調になり易いので、注意が必要です。その昔、スクーターで、ほぼ同じ車体、同じ設計で250ccと400ccの2種類の排気量の車種があり、400ccがメインの設計だったらしく、冷却系が250ccには、性能過多で、冷えすぎになりエンジン破損が発生し、リコールでエンジン交換になったケースがありました。水温や油温を適正範囲内に保つことは、1年を通して重要です。
2019.01.23 作業担当 ヤダ(矢田)