山梨に越してきてからお茶を習い始め、2年半以上が経ちました。初めは長時間の正座に閉口しましたが、徐々にそのゆったりと流れる時間を楽しめるようになってきました。
一年も経った頃、「お茶の音を聴くとホッとしますね。建水に水を捨てる音とか、蓋置を棚に置く音とか…」と先生に申し上げると、「いい感覚してるわ」とお褒めいただき、作曲家の故黛敏郎氏がお茶を愛好されていて、湯がえしの音をオーケストラで言えばクライマックスだと例えられたことを教えていただきました。
そのお茶の先生は、八ヶ岳南麓の大泉高原で讃岐うどん屋【きままや】を営まれています。
筆で描いた大きな円相を染め上げたのれんをくぐると、黒光りのする木目が美しい床にどっしりした家具が置かれ、そこここに湯呑みや蕎麦ちょこの類いが並んでいます。
お昼の讃岐うどんセットは、たっぷりの天婦羅とちまきが付いてヴォリューム満点です。
お抹茶もいただける店内には、BGMはありません。でもそれで物足りなさを感じることはありません。あえて何か付け加えようとすることが無意味に思える空間なのです。
今回はちょっと番外編でしたが、自然の物音だけをBGMにする潔さが、単なる手抜きとは一線を画している隠れた名店のご紹介でした。
一年も経った頃、「お茶の音を聴くとホッとしますね。建水に水を捨てる音とか、蓋置を棚に置く音とか…」と先生に申し上げると、「いい感覚してるわ」とお褒めいただき、作曲家の故黛敏郎氏がお茶を愛好されていて、湯がえしの音をオーケストラで言えばクライマックスだと例えられたことを教えていただきました。
そのお茶の先生は、八ヶ岳南麓の大泉高原で讃岐うどん屋【きままや】を営まれています。
筆で描いた大きな円相を染め上げたのれんをくぐると、黒光りのする木目が美しい床にどっしりした家具が置かれ、そこここに湯呑みや蕎麦ちょこの類いが並んでいます。
お昼の讃岐うどんセットは、たっぷりの天婦羅とちまきが付いてヴォリューム満点です。
お抹茶もいただける店内には、BGMはありません。でもそれで物足りなさを感じることはありません。あえて何か付け加えようとすることが無意味に思える空間なのです。
今回はちょっと番外編でしたが、自然の物音だけをBGMにする潔さが、単なる手抜きとは一線を画している隠れた名店のご紹介でした。