先月末 母がラジオで聞きつけた明野の珈琲屋を、今日二人で訪ねてみた。
韮崎から明野に入る曲がりくねった道をずんずん進むと、そのうち下り坂になり「北杜市須玉町」の看板を過ぎた。目印のゴルフ場が見当たらなくて不安になってきた頃に「コーヒー」ののぼりが見えた。それがこぉ~ふぃ~屋【Autumn】だった。
入り口に「ジャズ・レコードの店」とある。期待して扉を開けると、こじんまりとしたカウンターにイスが3つ。
家の設計に関心のある母は、目ざとく天井に設えられた障子を発見し興味津々。
二人してキョロキョロと落ち着かない中、母はブレンドを、私はブレンドのダブルとカボチャプリンをようやく注文した。
するとご主人は豆をミルに仕掛け、「どうぞ」と差し出した。ご自分で挽いてくださいということらしい。
私は、東京のカフェや書店に関するムック本がズラリと並んだ右手の書棚にへばり付き、豆挽きはほとんど母に任せっきり。最後に形ばかり3~4周挽かせてもらったら、コーヒーのいい香りがぷーんと漂ってきた。
コーヒーは深煎りのようなコクがありつつ、後味は爽やか。砂糖もミルクも全然必要なし。手作りというカボチャプリンも上品で美味。
お店に入って一発目にかかった曲は「You'd be so Nice to Come Home to」。「ヘレン・メリルですね」と反応したことから、私が大学時代にビッグバンドに所属していたことに話が及んだ。こちらの店名は、ご主人の苗字「秋田」と好きな「Autumn Leaves」をかけたものだそう。
母とご主人がお喋りしている傍らで、私が夢中になって棚から出してきた本を繰っていると、スピーカー・システムが切り替わる音がし、「枯葉」が流れてきた。聴いたことのないヴァージョン。「誰のものですか?」と聴くと、ご主人は壁際を指差した。
そこでは、ジャズメンのフィギュアが曲に合わせて動いていた。驚いたことに、実際の譜割りに合わせて、演奏しているところだけ動き、休符のところでは休んでいる。「これはビル・エヴァンスっぽいですよね」とご主人。芸が細かいなぁ…と感心して、5曲程このセットで聴かせてもらった。
その後、普通のスピーカー・セットに戻して耳に飛び込んできたのが、来日中のジョアン・ジルベルトの声。スタン・ゲッツのボサ・アルバムだったが、有名な『ゲッツ・ジルベルト』ではなかった。(Amazonでチェックしてみたが、ちょっと同じものは見つからなかった。)
帰宅後、家でビル・エヴァンスの「枯葉」なんて持ってたっけ…と調べてみたけれど、残念、やっぱり無かった!だがその代わりに、ドン・セベスキー・プロデュースによる『I Remember Bill: A Tribute to Bill Evans』に「枯葉」を発見。久々に聴いたけど、怜悧・冷徹な視線の感じられるこういうビッグバンド、私は好き。ビッグバンドならではの大らかな感じのものより好みかも。
韮崎から明野に入る曲がりくねった道をずんずん進むと、そのうち下り坂になり「北杜市須玉町」の看板を過ぎた。目印のゴルフ場が見当たらなくて不安になってきた頃に「コーヒー」ののぼりが見えた。それがこぉ~ふぃ~屋【Autumn】だった。
入り口に「ジャズ・レコードの店」とある。期待して扉を開けると、こじんまりとしたカウンターにイスが3つ。
家の設計に関心のある母は、目ざとく天井に設えられた障子を発見し興味津々。
二人してキョロキョロと落ち着かない中、母はブレンドを、私はブレンドのダブルとカボチャプリンをようやく注文した。
するとご主人は豆をミルに仕掛け、「どうぞ」と差し出した。ご自分で挽いてくださいということらしい。
私は、東京のカフェや書店に関するムック本がズラリと並んだ右手の書棚にへばり付き、豆挽きはほとんど母に任せっきり。最後に形ばかり3~4周挽かせてもらったら、コーヒーのいい香りがぷーんと漂ってきた。
コーヒーは深煎りのようなコクがありつつ、後味は爽やか。砂糖もミルクも全然必要なし。手作りというカボチャプリンも上品で美味。
お店に入って一発目にかかった曲は「You'd be so Nice to Come Home to」。「ヘレン・メリルですね」と反応したことから、私が大学時代にビッグバンドに所属していたことに話が及んだ。こちらの店名は、ご主人の苗字「秋田」と好きな「Autumn Leaves」をかけたものだそう。
母とご主人がお喋りしている傍らで、私が夢中になって棚から出してきた本を繰っていると、スピーカー・システムが切り替わる音がし、「枯葉」が流れてきた。聴いたことのないヴァージョン。「誰のものですか?」と聴くと、ご主人は壁際を指差した。
そこでは、ジャズメンのフィギュアが曲に合わせて動いていた。驚いたことに、実際の譜割りに合わせて、演奏しているところだけ動き、休符のところでは休んでいる。「これはビル・エヴァンスっぽいですよね」とご主人。芸が細かいなぁ…と感心して、5曲程このセットで聴かせてもらった。
その後、普通のスピーカー・セットに戻して耳に飛び込んできたのが、来日中のジョアン・ジルベルトの声。スタン・ゲッツのボサ・アルバムだったが、有名な『ゲッツ・ジルベルト』ではなかった。(Amazonでチェックしてみたが、ちょっと同じものは見つからなかった。)
帰宅後、家でビル・エヴァンスの「枯葉」なんて持ってたっけ…と調べてみたけれど、残念、やっぱり無かった!だがその代わりに、ドン・セベスキー・プロデュースによる『I Remember Bill: A Tribute to Bill Evans』に「枯葉」を発見。久々に聴いたけど、怜悧・冷徹な視線の感じられるこういうビッグバンド、私は好き。ビッグバンドならではの大らかな感じのものより好みかも。