気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

"日本版ライドシェア(国土交通省)"とは

2024-06-09 23:49:53 | シェアリング

国土交通省による「自家用車活用事業」として、2024年4月より部分的に導入が開始されている、タクシー会社でなく個人が自家用車を利用して乗客を有料で運ぶ輸送サービスです。タクシー不足の解消が主な狙いとなっているようです。

「ライドシェア」という言葉は、一般にタクシーの相乗りのことを指しているようです(※1)が、「日本版ライドシェア」における”ライドシェア”は、移動を求める乗客の需要を満たすためにタクシー業者と個人とで需要に対応する(需要をシェアする)ことを指しているようです。下図を参照。

※1 関連ブログ(“クルマに関するシェアリング”とは、2018.1.8)を参照:https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/4090c9b2895924ba9159f997613e3b12

2024年4月に解禁となった日本版ライドシェア(※2)の地域は、配車アプリのデータよりタクシーの不足が顕著であった以下の4箇所であったようです:ⅰ)東京23区、東京都武蔵野市など、ⅱ)神奈川県の横浜、川崎両市など、ⅲ)愛知県の名古屋市など、ⅳ)京都府の京都、宇治両市など。

※2 プレスリリース資料(国土交通省、2024.3.29)のサイトは、chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001734887.pdf です。

ライドシェアでは、タクシー会社が2種免許を持たないドライバーと雇用契約を結んだ上で運行を管理するようになっています。利用する乗客は、スマートフォン用の配車アプリ「GO」や「ウーバー」などを使って車を呼ぶようです。

なお、日本版ライドシェアについて、配車アプリの運営企業といったタクシー会社以外が参入する「全面解禁」などの議論が続いている段階であり、政府は、当初、6月末に一定の方向性を示す予定でしたが、全面解禁に向けての新たな法整備を含め、期限を設けずに議論を進めることを5月末に決めたようです(※3)。

※3 関連資料は、「ライドシェア事業に係る法制度についての論点整理」(内閣府・国土交通省、2024.5.31)、chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/240531/240531general_01.pdf です。


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“Whim(ウィム)”とは

2019-02-28 23:50:53 | シェアリング

スマホアプリの名称で、フィンランドのヘルシンキ市で2016年に本格的に始められたMaaS(Mobility as a Service)の一種です。

MaaSは車や自転車などの交通手段をモノとして提供するのではなくサービスとして提供する概念です。このサービスを利用すると、スマホ1台で自分の好みの移動手段や移動パターンを選択し利用することができます。

Whimと呼ばれるスマホアプリでは、市内すべての公共交通機関(バス、路面電車、鉄道など)の他、レンタカー、タクシー、カーシェアリングも連携されていて、それらを対象とするルート検索や予約、決済が可能となっています。月あたり一定額を払うことにより乗り放題に利用できる、いわゆる「サブスクリプション」という定額の運賃体系が特徴となっています。サ-ビス開始以降、サービスの利用状況は拡大しているようです。

今後は、移動手段を「所有」から「利用」する方向への転換が拡がっていきそうです。

関連ブログ“MaaS”(2017.9.8)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/f617cf5679a81519c33306455c92ee9bです。

また、“KINTO(トヨタ自動車)”(2018.11.17)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/c93e556b29fcc55326a5c760b11eec1fで、“キントセレクト(トヨタ自動車)”(2019.2.8)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/02ea12f6afce07cf978a3c4b7776df8aです。

 

 

 

 


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“キントセレクト(トヨタ自動車)”とは

2019-02-08 23:48:20 | シェアリング

トヨタ自動車が2月6日に開始した、車の定額(サブスクリプション)サービスです。

利用できる車は、高級車「レクサス」のセダンやSUV(多目的スポーツ車)など6車種です。即ち、ES、IS、RC、UX、RX、NXの6車種で、半年毎に変更することが可能なようです。料金は19万4400円/月で3年間の契約のようです。この料金には、自動車税や保険、登録料などが含まれているとのことです。

都内のレクサス販売店でサービスを開始し、今年の夏以降は全国展開するようです。

なお、今年の3月には、「キントワン」と呼ばれる、インターネットから申込み可能なフルサービスリースの提供も始めるとのことです。サービス開始当初は、5車種(プリウス、カローラスポーツ、アルファード、ヴェルファイア、クラウン)が対象で、その後、順次対象を拡大していくとのことです。

なお、この種のサービスは、「キント」と呼ばれる、新たに新設される会社によって運営されるようです。

ニュースリリース(2019.2.5)のサイトは、https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/26466090.htmlです。

関連ブログ「KINTO」(2018.11.17)は以下です。

https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/c93e556b29fcc55326a5c760b11eec1f


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“KINTO(トヨタ自動車)”とは

2018-11-17 23:23:20 | シェアリング

トヨタ自動車が2019年初めを目途に開始予定の、毎月一定料金を支払うことで、好きな車を自由に選んで利用できるサービスです。「キント」と読みますが、これは、必要な時にすぐに現れ、思いのままに移動でき、環境にも優しい「筋斗雲」をイメージしたとのことです。

このような定額サービスは、「サブスクリプション」と呼ばれ、トヨタは、特に、クルマは“愛”がつく工業製品と考え、「愛車サブスクリプションサービス」と呼んでいるようです。欧米の自動車メーカーの間ではサブスクリプションサービスが広がっているようですが、日本のメーカーでは、トヨタが最初のようです。

このサービスの定額料金には、税金や保険の支払い、車両のメンテナンス等が含まれていますが、駐車場の利用料金やガソリン代などは、定額料金には含まれず、利用者自身の負担のようです。

トヨタでは、車が所有される時代から利活用される時代へシフトしていくことを想定し、このようなサービスの導入を開始するとともに、1台の車を複数の人で共同利用するカーシェアリング事業にも乗り出す予定のようです。 

ニュースリリース(2018.11.1)のサイトは、https://newsroom.toyota.co.jp/jp/corporate/25168997.htmlです。


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“スーツボックス(AOKI)”とは

2018-03-24 23:56:50 | シェアリング

紳士服大手のAOKIが4月30日から始める予定の、ビジネスウェアのシェアリングサービスです。若いビジネスパーソンを狙ったサービスです。”suitsbox”と綴ります。

月額料金を払うことにより、スーツ、シャツ、ネクタイのセットをレンタルできます。

手順は概略以下のとおりです。

(1)利用者はAOKIの専用サイト上で自分の体型や好みの色柄などを指定し送信する。

(2)AOKI側では利用者にあったスーツ、シャツ、ネクタイを選び、箱に詰めて利用者へ送る。利用者には注文から1週間以内に届く。なお、「お試しライトコース(月額税抜き7800円)」「スタンダードコース(同1万5800円)」「アドバンスドコース+(同2万4800円)」の3種類のプランが用意されていて、例えば、スタンダードコースでは、スーツ2着、シャツ3枚、ネクタイ2本が送られてくる。

(3)期限が来たら箱に入れて送り返す。特にクリーニングはしなくて返却すればよい。

ちなみに、レンタルでなく購入する場合は、例えば、お試しライトコースのセットで、7万~10万円相当とのことです。また、事業化に当たり、需要を把握する観点から、クラウドファンディングサイト(Makuake)を活用したとのことです。

プレスリリース(2018.2.22)のサイトは、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000011795.htmlです。

Makuake「suitsbox」プロジェクトのサイトは、https://www.makuake.com/project/suitsbox/です。


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“シェア3.0”とは

2018-03-05 23:53:51 | シェアリング

モノなどを共有することを「シェア」すると言いますが、シェアする背景も時代とともに変化してきており、「シェアリング・エコノミー」という言葉で最近注目されている形態は、世代番号を付けて「シェア3.0」と呼ばれるようです。下記の著書を参照。

レイチェル・ボッツマン&ルー・ロジャース著(小林監修・解説、関訳)「シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略」、NHK出版、2010年12月発行。

「シェア1.0」は、生活のために近所のTVや電話、風呂などを利用したり、古着を兄弟で順番に着たりするなど、単純にモノなどを共有することです。モノが充分に所有できない時代の共有です。言い換えると、生活苦や貧困に対応するためになされる共有です。

「シェア2.0」は、Webを経由してネット上の情報(音楽、画像、テキストなど)を共有することです。

そして、「シェア3.0」は、ソーシャルメディアを活用して、貸し借りの相手を探すタイプの共有です。経済が発展し、物質的に豊かになり、モノ余りの時代に入って登場してきた考え方で、所有するムダの排除「脱所有」の観点からなされる共有です。

シェア3.0は、資源の有効利用ということで経済的(エコノミー)かつ環境にも有効(エコロジー)な取り組みであり、利用者にとってはムダな所有はせずに大事なものに選択・集中させる重要なステップであると言えます。

関連ブログ(“クルマに関するシェアリング”とは、2018.1.8)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/4090c9b2895924ba9159f997613e3b12です。

関連ブログ(“シェアリングエコノミー(共有型経済)”とは、2015.10.10)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/bcaa107c8bf3dccea0bc619213ad4587です。      


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“クルマに関するシェアリング”とは

2018-01-08 23:58:09 | シェアリング

最近注目されている「シェアリング」のうち、特にクルマに関するものとして「カーシェアリング」と「ライドシェア」の2つのタイプがあります。

前者は、1台の車を「時間を変えて」複数の人で共用するシェアリングで、レンタカーもこのジャンルに含まれます。

これに対し後者は、1台の車を「同時に」複数の人で共用するシェアリングで、いわゆる「相乗り」のことです。業者から見た時、出発地や目的地の同じ複数の人を対価を得て運ぶサービスです。日本でも、タクシーなどでこのサービスが始まりそうです。

いずれのシェアリングの場合も、車のメーカにとっては新車の販売において影響を受けざるを得ないようです。

デロイトトーマツコンサルティングの試算では、世界の主要8地域における車の保有台数は、2030年には最も影響を受ける場合に半減するとのことです。また、年間走行距離が1万2000km(1000km/月)未満の場合には、マイカーを所有して利用するよりもカーシェアした方が移動の費用は安くなるとのことです。

その一方で、試乗してもらえる絶好のチャンスととらえて需要喚起に利用できるとの見方もあるようです。


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“シェアリングエコノミー(共有型経済)”とは

2015-10-10 23:56:51 | シェアリング

ソーシャルメディアの発達により可能になったモノ、お金、サービス等の交換・共有により成り立つ経済のしくみを指しています。欧米を中心に拡がりつつある新しい概念で、日本でも徐々に広がっていく可能性があります。

個人が保有している遊休資産(有形)やスキル(無形)の貸出しを仲介するサービスをシェアリングエコノミー型サービスと呼んでいます。貸主、借主双方にとってのメリットが考えられます。前者にとっては遊休資産の有効活用化(収益拡大)、借主にとっては所有せずの利用可能化(節約)です。

米Airbnb(エアービーエンビー)の「Airbnb」(住宅物件などを宿泊施設として利用、2008.8~)、米Uberの「Uber」(ICT利用により移動ニーズの人と空車ドライバーとをマッチング、2010.6~)、米DogVacayの「DogVacay」(ペットシッターの登録・利用のWebサイト、2012~)、その他、色々な事例が知られています。

将来成長が見込まれる分野として以下のようなものが考えられているようです。
・移動手段(自動車、バイク・自転車、ボート)
・普段使わないもの(家庭用品、イベント関連器具、スポーツ関連グッズ)
・物理的なスペース(ガレージ、駐車スペース、オフィススペース、空室)

シェアリングエコノミーの発展に、ブログ・SNSなどのソーシャルメディアによる情報交換を通しての緩やかなコミュニティの機能が有効に働くようです。


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