XなどSNSによる投稿のインプレッション数を稼ぐ("インプレ稼ぎ"の)目的で、バズった投稿(ポスト)や多くの人にフォローされているニュースアカウントなどに便乗する形で、その投稿をコピーして盗用したり、返信として意味のない不適切な内容や偽情報の投稿を繰り返したりするような人(アカウントやbot群)のことを指しているようです。
例えば、2024年1月の能登半島地震の際、Xにおける首相官邸やニュースなどのサイトでなされた「地割れで〇〇号線が通行止めになっています」などのポストに対し、(海外からも含めて)「元気ですか」「日本は美しい!」「Hmmmm」などの無意味な内容の投稿がなされたようです。これにより有益な情報の拡散が阻害され問題となったようです。
"インプレゾンビ"は、"インプレ"(略さないと”インプレッション”)と"ゾンビ"との合成語であり、前者(インプレ)は画面上に”表示されること”、即ち、ネット広告やX(旧ツイッター)の投稿などが閲覧中のユーザーの目に留まることを指しており、後者(ゾンビ)は、魂の入っていない無気力な人のことなどを指しています。
インプレゾンビは、日本において使われている言葉であり、「ツイッター」から「X」に名称変更された2023年7月24日直後の2023年8月(注:米国などでは7月)に、インプレッション数に応じて収益を配分する仕組み、即ち「クリエイター広告収益配分プログラム(※1)」が導入されたことを受け、それを悪用する形で登場した現象のようです。
なお、インプレゾンビのような投稿のその後の広がりを受け、Xでは、2024年11月8日より、収益配分の仕組みを変更したようです(※2)。即ち、収益配分の原資を有料会員から得られた会費収入の最大25%とし、インプレッション数ではなく有料会員のエンゲージメント(即ち、有料会員からの返信や「いいね」、ブックマーク、視聴時間など)に応じて配分する仕組みに変更したようです。インプレッション数稼ぎの問題投稿には罰則も科すようです。
※1 サブスクリプション「Xプレミアム」に加入しているユーザーで、最近3か月間のインプレッション数が500万件以上、フォロワーが500人以上の場合に、広告収益を配分する仕組み。
※2 以下のサイトを参照:https://help.x.com/ja/using-x/creator-revenue-sharing