気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

"産業用ロボットの2021年国・地域別導入状況"とは

2022-12-08 23:39:38 | ロボット

国際ロボット連盟(IFR:the International Federation of Robotics、1987年設立、本部は独フランクフルト)より、2022年10月13日に出版された、「World Robotics report 2022」によると、2021年の国・地域別の産業用ロボットの導入状況は、下のグラフ(※)のようになっています。

※ 下記サイトのプレゼンテーションファイル内の数値を基に作成

https://ifr.org/downloads/press2018/2022_WR_extended_version.pdf

上図のように、2021年の1年間に新たに設置された産業用ロボットは、中国が26.8万台(対前年度比51%増)で断トツで、以下日本、米国、・・となっています。全世界で、51.7万台(図示なし)となっており、中国の26.8万台は約52%で全世界の半分以上となります。

ちなみに、中国、日本、米国の、2016年から2021年までの6年間の推移は、以下のとおりです。

(中国、日本、米国)=(97、39、31)→(156、46、33)→(155、55、40)→(148、50、33)→(178、39、31)→(268、47、35)

なお、2021年までに導入され稼働している台数についても、中国がトップで、世界全体347万台のうち、中国が122万台を占めているとのことです。

ただ、「従業員1万人あたりのロボット導入台数」では、2020年の統計で、韓国、シンガポール、日本、ドイツ、・・・、ときて、9位にとどまっており、普及率としてはまだまだのようです。逆に言えば、今後さらに導入が進んでいくとも考えられます。


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"完全自動化ロボット食堂(川崎重工業,HCI)"とは

2022-05-06 22:04:33 | ロボット

川崎重工業(以下川重)とHCI(注:2002年6月創立、 大阪府泉大津市)が事業化を目指している、レトルト食品の解凍、盛り付け、および配膳のすべてをロボットが行う食堂です。両社は、2022年4月、東京と大阪で実験店舗の運営を開始したようです。

実験店舗は、HCIのものが大阪の本社内に、川重のものが東京羽田空港近くのロボット実証実験・研究施設「FUTURE LAB HANEDA」内に、それぞれ設置されています。

厨房には両社とも「RS007L」と呼ばれる川重製の小型産業用ロボット3台が配置されているようです。このロボットがレトルト食品(注:カレー、パスタなど)の加熱、開封、食器への搭載を行うようです。

客席までの配膳や食器の回収については、HCIの店舗が中国製の搬送ロボットのみで行っており、一方、川重の店舗が飲食エリアまでの搬送と利用客への配膳とを中国製の搬送ロボットと川重製の人型自走ロボット「Nyokkey」との連携で行っているようです(※)。

※)https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/12693/の記事(2022.4.21)を参照

両社は、1年程度の実験運営を通してその情報を共有したり分析したりして事業化のメドをつける計画のようです。1年後の事業化のメドの状況が注目されます。

関連動画は、例えば、以下です。

https://www.youtube.com/watch?v=kUVe4Qqg3fY(HCI関連、2022.1.27公開)

https://www.youtube.com/watch?v=JrWPw8kLfgQ(川重関連、2022.5.3公開)


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”ロボット活用の無人パトロール”とは

2022-04-28 23:54:17 | ロボット

高齢化などによる人手不足への対応として、ロボットが人に代わって夜の公園などを巡回し警備を行うことを指しています。

NTTコミュニケーションズ(以下、NTTCom)は、三井不動産、名古屋市と連携し、2022年5月30日から11月末まで、名古屋市中心部に位置する久屋大通公園(注:特に北エリア・テレビ塔エリアの”Hisaya-odori Park”)にて、この関連の実証実験を行う予定のようです。実験には、ZMP社の警備ロボット”PATORO(パトロ)”が利用されるようです。

具体的には次のような仕組みで行われます。カメラの搭載されたロボットが公園内を終日自動走行し、撮影した公園内の様子を5G回線などを使用してリアルタイムにNTTComのAI映像解析サービス「COTOHA Takumi Eyes」へ配信します。受信した映像をAIが解析し異変を検知すると、NTTComの遠隔監視室へ通知します。これを受けた遠隔監視室の担当が公園内の警備員に連絡します。こうして警備員が現地へ駆けつけるというものです。CPS(Cyber-Physical System)の一種と考えられます。

今回の実験は、(1)ICT活用による社会課題の解決等に向けこれまでにHisaya-odori Parkにて実証実験を実施してきたNTTCom、(2)Hisaya-odori Parkの指定管理者として公園関連の様々なステークホルダーと協同の取り組みを進めている三井不動産、(3)5Gをデジタル社会の重要な情報通信インフラとして効果的な活用に向けた取り組みを進めている名古屋市、の3者が連携することで行われるようになったようです。

今回の実験は、NTT Comが取り組み中のSmart Mobilityのユースケースの1つとして行われるようですが、公園における異変の検知や対応だけでなく、特に警備員が巡回しない夜間における「ごみの不法投棄」や「器物損壊」などの迷惑行為がロボットの巡回によって抑止できるかなども確認したいようです。

3者による実験に関するニュースリリース(2022.4.21)のサイトは以下です。

https://www.ntt.com/about-us/press-releases/news/article/2022/0421_2.html、あるいは

https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2022/0421_02/


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“R.U.R.(カレル・チャペック)”とは

2022-04-25 23:41:48 | ロボット

チェコの作家カレル・チャペックが1920年に発表した戯曲です。チェコ語の"Rossumovi univerzální roboti(ロッサム万能ロボット会社)"を略したものです。

この劇の発表により「ロボット」という用語が創り出され初めて使用されたと言われています。その意味で、この戯曲がロボットの歴史を語る上で注目される存在になっているようです。

この戯曲は、「ロッサム万能ロボット会社」が開発・販売している人造人間(注:人間より安価かつ効率的にあらゆる労働が行える画期的な商品)を扱っています。

日本でも2021年に映画化され(注:上映時間3時間弱)、それを2時間に再編集した特別版DVDが、2022年1月10日、次サイトにて税込み3300円+送料で発売されたようです。http://warahata.jp/rur/


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"ロボット工学の三原則(アシモフ)"とは

2022-04-23 23:11:07 | ロボット

ロシア生まれのロボット小説家”アイザック・アシモフ(Isaac Asimov、1920~1992)”が、ロボットSFを集めた短編集『われはロボット(※)』の巻頭部分で示した、ロボットが従うべき3つの規範(原則)です。ロボットと人間との関係性を考える上で現在でも引き合いに出されるようです。この三原則は、1940年末、アシモフがSF雑誌編集長と物語のストーリーに関する議論をしている中で編み出されたようです。

※)翻訳書(小尾芙佐訳 )は、例えば、https://7net.omni7.jp/detail/1102137223のサイトにて。

三原則をざっくり表現すると、(1)ロボットは人間に危害を加えてはならない、(2)その上で命令に従わなければならない、(3)さらにその上で自分を守らなければならない、とのことです。

新聞報道によると、この三原則についての識者のコメントとして、この原則に準じたものを製造しようとしても定義に曖昧性が存在し難しい、人間が「主」でロボットが「従」といった従来の産業用ロボットへの適用ならともかくAI搭載の最近のロボットには特に上記原則(2)は馴染まない、などが紹介されています。

いずれにしても、進化しつつあるAI、それを搭載したロボットと人間との関係性の在り方については、今やその答えが正に模索されている時代かと思います。


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"ロボットデリバリー協会"とは

2022-03-20 23:52:34 | ロボット

2022年2月18日に発足した、自動配送ロボットに関する国内初の業界団体(http://robot-delivery.org/)です。一般社団法人で英文名はRobot Delivery Associationです。発足時点での参加企業数は8社(※)ですが、今後増える予定となっています。

※五十音順に川崎重工業株式会社、株式会社ZMP、TIS株式会社、株式会社ティアフォー、日本郵便株式会社、パナソニック株式会社、本田技研工業株式会社および楽天グループ株式会社(注)の8社

発足の背景として、昨今の宅配需要拡大に伴う人手不足問題の深刻化への対応としてロボット活用への期待が高まっていること、民間主導で進められれている低速・小型自動配送ロボットの社会実装化の取り組みに対し政府の支援として公道での走行を認める法律(道路交通法)改正の検討が進められていることなどがあるようです。

協会では、今後の実用化を見据え、実証実験などによって得た知見を生かし、公道を走行する際の自動配送ロボットに求められる安全基準を自主的に定めたり認証の仕組みづくりに取り組んでいくようです。

個別に多数が単に競争するよりも業界団体化して知恵を出し合い協調可能なところを共同で検討していく進め方は実用化を早める結果にもつながり有効と思われます。

プレスリリース(2022.2.18)のサイトは、https://news.panasonic.com/jp/press/data/2022/02/jn220218-1/jn220218-1.htmlです。

報道発表を伝えるTV配信動画(2022.2.18)は、例えば、https://www.youtube.com/watch?v=Suff-JZLGF4、あるいはhttps://www.youtube.com/watch?v=YL10hlLuQSwなどです。


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"配膳ロボット"とは

2021-12-27 23:22:20 | ロボット

人間に代わって配膳作業を行うロボットです。コロナ禍における接触の回避や人手不足への対応などから外食産業において最近導入が始まりつつあるようです。

すかいらーくホールディングスでは、フロアサービスロボットと呼ばれる配膳ロボットの導入を始めているようです。2022年4月までに「ガスト」の一部や「しゃぶ葉」に約 1000店舗導入、さらに「ガスト」や他の業態に追加導入し2022年末までに約2000店舗まで増やす計画のようです。

すかいらーくの配膳ロボットは、注文された料理が出来上がって従業員がロボットに乗せて座席を指定すると、あとはロボットが自動的に注文者のところまで運ぶようです。また、食べ終えた食器類も自動で厨房まで運ぶことができるようです。

すかいらーく以外の企業でも類似の配膳ロボットの導入に向けた実験が行われつつあるようです。モスフードの「モスバーガー(大崎店)」で試験運用された配膳ロボットは、リモートからパイロットによって操縦されるタイプのもので、来店客との会話を通しておすすめメニューを紹介したりできる配膳ロボットのようです。その他、カラオケ店でも配膳ロボットの導入に向けた実験をしているところが登場しているようです(注:快活フロンティアが運営する「コート・ダジュール」店)。

すかいらーくホールディングスのプレスリリース資料(2021.10.18付)のサイトは、https://www.skylark.co.jp/company/news/press_release/pk637h000006gkn3-att/211018_Robot_at_Gusto_Syabuyo.pdfです。

また、配膳ロボットのイメージ動画のサイトは、https://www.youtube.com/watch?v=xLiAwc3PGP8です。


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“アストロ(アマゾン)”とは

2021-09-30 23:54:52 | ロボット

アマゾンが9月28日(米国太平洋夏時間)に発表した、家庭用ロボットです。Astroと綴ります。

AIスピーカーを発展させて製品化したもので、高度なセンサーを搭載し障害物をよけて家の中を動きまわり高齢者の見守りをしたり、音声認識技術が搭載され人からの呼びかけに応じて曲を再生することもできるようです。すなわち、利用可能な機能の主なものは以下のようになっています。

*部屋の見守り(カメラによるライブ撮影と配信/保存)
*ペリスコープカメラを活用した食材チェック
*室内の煙/一酸化炭素の検知
*ガラスの割れた音の検知
*Alexaの機能を活用した音楽/動画再生やビデオ通話

本体のサイズが約25(幅)×42.4(奥行き)×44(高さ)cm、重さが約9.35kgとなっています。

2021年後半、米国において1449.99ドル(約16万1700円)で数量限定販売の予定だそうです。また、招待制の早期アクセス版として、ホームセキュリティサービスとのセットが999.99ドル(約11万1500円)で購入できるとのことです。

本発表に関するアマゾンのブログ記事のサイトは、https://www.aboutamazon.jp/news/devices/amazon-device-vision-for-technology-and-innovation-in-the-future-worldです。

アストロの紹介動画のサイトは、例えば、https://www.youtube.com/watch?v=sj1t3msy8dcです。


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“無人宅配ロボの公道実験(日本郵便)”とは

2020-10-23 23:21:20 | ロボット

日本郵便が、10月7日に公開した無人宅配ロボットの公道実験です。2017年度より配送ロボットの実証実験を行っていたようですが、今回、初めて公道での実験を行ったようです。これは国内初とのことです。

公道として靖国神社付近の約700mの歩道が利用されたようです。宅配ロボは、ここを徒歩と同じ程度のスピードで約20分間走行したようです。赤信号も自動で認識でき停止したようです。

このロボットは、高さが約1メートル、中に最大30kgの荷物を載せられ、最高速度が6km/h。事前に登録された目的地に向かって地図データをもとに自律走行するとのことです。ZMP社の無人宅配ロボ「デリロ」を利用したようです。

日本郵便は3年以内の実用化を目指す予定とのことです。現状、法律面でこのようなロボットの公道走行は認められていませんが、政府はこのようなロボットの活用に向けた制度設計を加速させる方針を示しています。

実証実験模様の動画のサイトは、例えば、以下などです。

https://www.youtube.com/watch?v=_-KZra7A4KU(Kyodonews)

https://www.youtube.com/watch?v=foEeZN0vUSA(LOGIBIZ-online)

https://www.youtube.com/watch?v=5DBOvwWyTng(FNNプライムオンライン)

https://www.youtube.com/watch?v=1OV634VDmc4(テレ東NEWS)

ZMP社のプレスリリース(2020.9.17)記事の内容は、https://fo-pro.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/files/5f62cd9beba17d0042f333ba/Pressrelease-20200917-vIy0choye4.pdfです。

ZMP社の宅配ロボット・デリバリーロボット”DeliRo(デリロ)”のサイトは、https://www.zmp.co.jp/products/lrb/deliroです。


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“F14L(ギークプラス)”とは

2020-03-15 23:11:10 | ロボット

ギークプラス(注:Geek+、中国系ロボットメーカーの日本法人、千葉県印西市)が今年の夏を目処に発売予定の、AIを搭載した自動走行フォークリフトです。人手不足が問題となっている日本での市場開拓を狙っているようです。

このフォークリフトは、タブレット端末などで運搬したい荷物を入力すると、決められた位置まで自動走行し、商品棚に置かれた商品のサイズと位置を正確に認識し取り出して運搬するようです。走行時の障害物も検知し、衝突する心配もないようです。

“F14L”は荷重1400kgですが、その他に荷重1600kgの“F16L”も揃えているようです。

なお、このフォークリフトは、商品棚やパレットを自動運搬する商品棚運搬ロボット“EVE”とも連携できるようになっているようです。

製品紹介の関連サイト(協栄産業)は、https://www.kyoei.co.jp/product/division/robot/forklift.htmlです。

 

 

 


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