気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

“改正ドローン規制法”とは

2019-06-28 23:38:51 | ドローン

2019年6月13日から施行される、従来のドローン規制法の改正法です。

ドローンの飛行については、2015年12月10日に施行されたドローン規制法(改正航空法)において、飛行の「禁止エリア」や「禁止ルール」が設けられ、そのようなエリアやルールに反して飛行させる場合には特別な許可を受けることが必要となりました。

「禁止エリア」としては、(A)空港等の周辺(進入表面等) の上空の空域、(B)150m以上の高さの空域、(C)人口集中地区の上空です。また「禁止ルール」としては、以下の6点です。

1.日中(日出から日没まで)に飛行させること
2.目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
3.人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
4.祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
5.爆発物など危険物を輸送しないこと
6.無人航空機から物を投下しないこと

また、2016年4月7日には、国が定める重要施設付近においてドローン全般の飛行を禁止する小型無人機等飛行禁止法が施行されています。重要施設とは、東京都の永田町周辺、原子力事業所、サミット会場となる富山国際会議場(富山県)、つくば国際会議場(茨城県)などであり、その付近とは周囲おおむね300mの地域とのことです。

今回改正されたドローン規制法のポイントは以下のようなものです。

・飛行禁止区域の対象に自衛隊や在日米軍の「防衛関係施設」を追加。基準はなく具体的には防衛大臣の裁量

・禁止区域は、防衛関係施設の敷地上空および周囲約300m

・防衛関係施設の敷地の上空を飛行させる必要がある場合は施設管理者の同意が必要

ただ、今回の改正法については、規制の基準が不明確であったり、基地周辺の状況を知る権利を侵害しているなど法律の是非をめぐる意見も出ていたり、しているようです。


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“ドライブチャート(DeNA)”とは

2019-06-25 23:53:26 | 安全対策・サービス

ディー・エヌ・エー(DeNA)が6月4日に開始した、AIを活用して運転ミスによる事故を未然に防ぐ法人向けのサービスです。DRIVE CHARTと綴ります。「AIを活用した交通事故削減支援サービス」と呼ばれています。

このサービスは、専用の車載器+クラウドサービスによって提供されます。車載器は、車の速度や車間距離、ドライバーの視線やまぶたの動きなどのデータを集めて、それらをクラウド上へ収集します。収集されたデータは、AIによって解析され、急加速や急ブレーキなどの危険な運転が位置情報、映像とともに記録されて、それがドライバーに伝えられるようです。また、後から記録された情報をスマホで見ることもできるようです。

トラック500台やタクシー100台を用いた半年間の実証実験で、事故削減効果もあったようです。トラックで48%減、タクシーで25%減とのことです。既存のドライブレコーダーよりも、リスク検出能力が高いとのことです。

今後は居眠りなどを防ぐアラート機能も追加する計画のようです。

プレスリリース(2019.6.4)のサイトは、https://dena.com/jp/press/004478です。

 


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“バイオインスパイアード・テクノロジー”とは

2019-06-25 23:01:34 | ロボット

日本語では「生物規範工学」などと呼ばれるようです。生物のしくみを手本にしてロボットなどの開発を行なうことです。空を飛ぶドローンや災害時のロボットなど天候や地形などが絶えず変化するような環境で動くような次世代ロボットの開発に、このような手法が応用されつつあるようです。

例えば、回転翼を回転させながら空中に制止したり移動する従来タイプのドローンの場合、回転翼の回転音がうるさかったり、それが故障して止まってしまうと落ちてしまいますし、野外を飛ぶ場合、天候に影響されやすく、それに耐えうるドローンの開発は簡単ではありません。このような場合、どんな天候でも自由自在に飛び絶対に落ちない鳥の動きを解析し、それに似たように動くドローンが開発できないかという発想が出てくることは予想されます。

そのようなひとつの研究例として、静かに正確に飛ぶハチドリや羽が少々傷ついても飛び続けられる昆虫が飛行するメカニズムを取り入れたような羽ばたきロボットの開発が進められているようです(注:千葉大の劉浩教授ら)。

また、足の数が減ってもすぐに歩くことができるコオロギの動きを解析し、災害現場など厳しい環境でも動作継続できるようなロボットも開発されつつあるようです(注:東北大大脇助教による、センサーに頼らない多足歩行ロボット)。

似たような概念を表わす言葉に、生物のまねした技術という「バイオミメティクス(生物模倣技術)」と呼ばれるものが古くからあるようです。


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“NHKテレビ番組の常時同時配信”とは

2019-06-16 23:28:16 | 放送・通信の融合

NHKのテレビ放送を常時ネットでも配信するサービスのことです。放送・通信の融合によるテレビ視聴環境の変化への対応などから、2019年5月29日に改正放送法(放送法の一部を改正する法律案)が成立し、NHKは、テレビ放送を常時同時にネット配信することができるようになりました。

2019年度中に開始する予定のようです。これまで、「NHK ニュース・防災」とよばれるアプリで、一部の番組を必要に応じて同時配信していましたが、今後は全ての番組が対象となります。これで、NHKは、これまでの公共「放送」という役割から公共「メディア」という役割に変わっていくことなります。ただ、今回の改正では、テレビの受信契約を持つ世帯が対象のようで、放送が主、配信はそれを補完する位置づけになっているようです。

今回の法改正に伴う課題も指摘されているようです。

ひとつは、民放への影響です。民放で現在行なわれている動画配信サービス、例えば、Hulu(日本テレビ系)やAbema TV(テレビ朝日系)、「TVer」(民放5社共同)への影響、あるいは現在配信サービスをしていない民放テレビ局への影響などです。

もうひとつは、受信料制度の問題です。テレビという設備を持たず、スマホを利用するユーザや世代が増える中にあって、放送を主と考える今回の改正法における受信料制度のあり方については議論が必要との指摘です。

関連サイトは、例えば、以下のようなものです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190529/k10011933521000.html (法案成立のニュース、NHK)

http://www.soumu.go.jp/main_content/000606003.pdf (改正法案2019.3、総務省)

http://www.soumu.go.jp/main_content/000085298.pdf (新旧対照条文、総務省)


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