気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

"AI消費者"とは

2025-03-04 23:59:06 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

この用語は、現状、(1)AI(を活用した製品やサービス)を利用している消費者、(2)AI技術で実現されている消費者、の2つの意味合いで使われているようです。

上記(1)は、スマートスピーカーやスマートフォンの音声アシスタントといった「AIアシスタント」を利用して、情報検索、音楽再生、家電操作などを行う人、「AIチャットボット」を利用しそれと会話して顧客サポートや問い合わせ対応などを行う人、AIの搭載された家電(掃除機、冷蔵庫、エアコンなど)を利用し自動運転や省エネ機能の恩恵を受ける人などが該当します。

また、上記(2)は、例えば、消費行動などに関する膨大なデータを学習させ、関連する質問に回答できるように実現された生成AIが該当します。電通デジタルのCAIO(※1)山本覚氏は、蓄積済みの数十万人規模の調査結果をAIに学習させ、あたかも実在する様々な消費者に直接質問するかのようにして消費行動などを調査できる仕組みを開発した(※2)ようですが、この仕組みが(2)の意味合いのAI消費者に当たります。

(1)のAI消費者は、AI活用の製品やサービスの今後の進展により、今後の消費行動を大きく変える可能性を秘めているため、企業サイドは、AI消費者のニーズを理解し、適切な製品やサービスを提供することが必要となります。

一方、開発された(2)のAI消費者は、マーケティングにおける市場調査の効率を劇的に向上させたようで、今後の活用が広がりそうです。

参考

※1 関連ブログ(”CAIO”とは、2025.3.3)の以下のページを参照:https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/de3acbd7c084533863fcd00d00094333

※2「AI消費者」で調査の効率を劇的向上 電通デジタルCAIOに聞くAI戦略、日経X TREND(クロストレンド)、2025.2.25


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"CAIO"とは

2025-03-03 23:03:47 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

Chief AI Officer(最高AI責任者)の略です。AI(人工知能)技術の急速な進展や企業活動への浸透を背景に、企業のAI戦略を統括し、AI技術をビジネスに効果的に組み込む責任を負った専門家のことです。

この役職は、AI技術の急速な進展と普及、ビジネスにおける重要性の拡大、AIに関連する倫理的・法的課題等が顕在化してきた2010年代後半~2020年代においてその必要性が認知され、多くの企業で導入されるようになったようです(※1)。

例えば、「博報堂DYホールディングス」では、2024年4月1日に、人間中心のアプローチによるAI研究所"Human-Centered AI Institute"が設立され、森正弥氏がCAIOに就任しています(※2)。また、「電通デジタル」では、2025年1月1日にCAIOが新設され、山本覚氏が就任しています(※3)。初めて導入された企業がどこで、それがいつかといった情報は現状で明らかになっていないようです。

一般に、以下のような使命を負っているようです。

【AI戦略の策定と実行】
・企業のビジネス目標に対応して、AI技術の導入計画を立て、その実行を指揮します。
・AIを活用し、業務効率化、顧客体験の向上、新規事業の創出などを推進します。

【AI技術の選定と導入】
・最新のAI技術を評価し、企業にとって最適なものを選定します。
・AIシステムの開発、導入、運用を監督し、その効果を最大にします。

【AI倫理とリスク管理】
・AI技術の利用における倫理的問題を考慮し、適切なガイドラインを策定します。
・AIシステムの安全性や信頼性を確保するためのリスク管理を徹底します。

【組織内でのAI活用促進】
・社員のAIリテラシーを高め、AI技術の活用を促進します。
・部門間の連携を強化し、AIプロジェクトを円滑に進めます。

【AIに関する最新情報の収集と発信】
・AI技術の最新動向を把握するとともに、その情報を組織内に提供します。

AI技術の急速な進展と社会への浸透に伴い、CAIOの役割は今後ますます重要になっていくと考えられています。

※1 日経関連新聞に登場した記事件数は、3件(2019年)、0件(2020年)、4件(2021年)、4件(2022年)、3件(2023年)、16件(2024年)、3件(2025年2月まで)となっています。

※2 該当するコーポレートニュース(2024.2.19)のWebページは、https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/news/corporate/2024/02/4668.htmlです。

※3 該当するニュースリリース(2024.12.19)のWebページは、https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/management/2024-1219-000192です。  


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"AIエージェント"とは

2025-02-25 23:25:20 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

人に代わって自律的にタスクを実行したり意思決定をしたりする、AIを活用したプログラムやシステムです。

AIエージェントの歴史は、AIの研究がスタートした1950年代に遡るようです。初期は単純なルールに基づいて動作するものだったようですが、最近では機械学習や深層学習といった技術の活用により、より複雑なタスクを色々な分野でこなせるようになってきているようです。

2024年10月頃から、「生成AI」が自律的に判断して業務をこなすようなAIエージェントのサービスが始まりつつあります。文章入力や情報検索、メールの送信、会議の支援、契約書作成といった処理などを素早く行えるメリットがあり、企業などでの事務作業の負担軽減が期待されています。

以下のような企業から関連サービスが登場しつつあります。

・米アンソロピック(注:アマゾン・ドット・コムやグーグルなどが出資する、生成AIを手掛ける新興企業):パソコン上で、人間に代わってAIが文章入力やクリック、ネット検索などを自動的に行うサービス。2024年10月開始。以下のサイトの記事を参照:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-23/SLS7T9T0AFB400

・米マイクロソフト:利用者に代わって、AIが電子メールの送信やデータ管理などを行うサービス。2024年10月に本サービスの開始を発表。以下のサイトの記事を参照:https://news.microsoft.com/ja-jp/2024/10/22/241022-new-autonomous-agents-scale-your-team-like-never-before/

・富士通:会議や現場支援など人と協調しながら高度な業務を遂行するサービス("Fujitsu Kozuchi AI Agent")。2024年10月開始。以下のニュースリリースのサイトを参照:https://pr.fujitsu.com/jp/news/2024/10/23.html

・NTTデータ:データ入力作業や、提案書準備、契約書作成、社内文書作成などのタスクを自律的に実行するサービス(生成AI活用コンセプト"SmartAgent"のサービス第一弾として)。2024年11月開始。以下のニュースリリースのサイトを参照:https://www.nttdata.com/global/ja/news/release/2024/102401/

・米オープンAI:利用者の指示に沿って、レストランの予約や食料品の購入などを自動で行うようなサービス("オペレーター")。2025年1月米国にて開始、同2月には日本でも開始。例えば、以下のサイト(NHK)の関連記事を参照:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250124/k10014702371000.html

AIエージェント機能を開発・提供する動きは、上記だけに限らず、米グーグルや韓国サムスン電子など他の企業においてもみられ、競争激化の様相を呈しています。当該サービスの世界的な広がりが予想されます。


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"ASI(人工超知能)"とは

2025-02-14 23:02:01 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

今年あるいは来年(2025~2026年)あたりに実現されようとしているAI、即ち、幅広い領域で人間並みの知能を持つとされているものは"AGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)"と呼ばれていますが、AGIをさらに進化させ人間の知能を遥かに凌駕する知能を持つとされるAIが "ASI(Artificial Super Intelligence、人工超知能)"と呼ばれるようです。

AIの進化については、コンテンツ生成や対話を器用にこなす現在の"生成AI"から、人間並みの知的活動が可能なAGIに進化し、さらにそれを追い越して、"シンギュラリティー(技術的特異点)"を迎え、そして、人間を遥かに凌駕するASIの段階になる、と考えられています。

ASIについては、オープンAI最高経営責任者(CEO)のサム・アルトマン氏が「専門家を凌ぐばかりでなくひとつの企業や組織全体に匹敵する仕事をこなせるようになる」と言及したり、またソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏が「人間の10000倍の知性を持っているもの」と表現したりしています。

現在、世界中でASIの研究開発が進められているようですが、上記サム・アルトマン氏や孫正義氏はともに、ASIの実現時期を今から10年後の2035年としています。

ASIの実現により、科学技術の発展、医療の進歩、経済の発展、社会問題の解決など様々なことが可能になると期待されていますが、半面、倫理的な問題や安全性の問題などの課題も提起されているようです。ASIの開発と利用については、慎重な議論と対策が必要となりそうです。

参考

・日経新聞等の報道

・読売クオータリー2025冬号

・Gemini 2.0 Fash


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"AGI(人工汎用知能)"とは

2025-02-06 23:27:46 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

現状では実現されていませんが、人間のように汎用的な知能(General Intelligence)を持つAIのことをこのように呼んでいます。画像や音声などのタスク別、数学やチェスの対戦などの領域別において人間を超えるほどの実績を示している現状のAIに対し、AGIは「幅広い」領域でしかも「複数の」タスクについて判断し処理できる能力を持つAIのことを指しているようです。AGIは"Artificial General Intelligence"の略です。

AGIは、例えば、社内の顧客データを収集・解析し、見込み客を見極めてリストアップし、商談のメールを送るようなことを自ら判断して行ったり、さらには相手の反応を学習して商談の成否を見極めたり文面の精度を高めたりなど自律的な学習も行ったりできるようです。

AGIが利用できるようになると、人間の同僚やパートナーのような存在となり、全体として生産性の向上や人手不足の軽減・解消に大きな役割を果たしてくれそうです。

オープンAIのCEO「サム・アルトマン」氏あるいはXおよびスペースXを運営する起業家の「イーロン・マスク」氏らの予測(※)によれば、2025年あるいは2026年にもAGIが実現されるようです。

※ サム・アルトマン氏は2024年11月のオンラインイベントで2025年と、イーロン・マスク氏は2024年4月のイベントで2025年末か2026年内と、それぞれ予測しています。

参考

日経新聞 2025.1.1の記事などによる報道


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"Bard(バード)(グーグル)"とは

2025-01-27 23:37:51 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

グーグルが開発した生成AIで、初期バージョンが2023年3月21日にアメリカ合衆国とイギリスでリリースされ、さらに同年5月10日には日本語を含む複数の言語に対応して他の国へも拡大されています。

Bardが利用している大規模言語モデル(LLM)は、グーグルが開発した”PaLM2(パームツー)”で、膨大な量のテキストデータを学習することにより、文脈を理解し、それに基づいて自然な文章を生成することができるようです。

なお、2023年12月6日にはPaLM 2をベースに画像や動画、音声データなども利用した高度な大規模言語モデル”Gemini(ジェミニ)”が開発され、それを受け2024年2月8日において当該言語モデルを利用する生成AIとして「Gemini」という新しい名前に生まれ変わっているようです。


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"tsuzumi(NTT)"とは

2025-01-07 23:48:22 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

NTTが開発した独自の大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)※1で、生成AI(※2)の基盤となっています。"ツヅミ"と読みます。

tsuzumiは、「軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つ」などの説明が付けられており、実際、以下に示すような4つの特徴を持っているようです(※3)。

■軽量であること 汎用ではなく特定の業界や専門領域の知識に限定して学習することでパラメータ数を大幅に減らしている(注:軽量版が70億、超軽量版は6億)ため、電力消費、学習コスト、推論コストなどが削減されるようです。

■日本語に強いこと 40年以上に亘る自然言語処理研究の蓄積を生かし、特に日本語処理については各種ベンチマークテストで世界トップクラスの性能を示しているようです。

■柔軟にカスタマイズできること 事前学習済みの基盤モデルに、追加学習した小型モデル(注:アダプタと呼ばれる)を組み合わせることで、利用ユーザやシーンにきめ細かく対応させることができるようです。

■マルチモーダルであること 言語以外に視覚、聴覚などのデータにも対応し、現段階で言語に視覚や聴覚を組合せたものも理解できるようです。

tsuzumiを用いた企業向けサービスは、2023年11月の発表に基づき2024年3月25日に提供開始されています。また、2024年11月20日より、米マイクロソフトがクラウド(Microsoft Azure)上で日本国内でのtsuzumiの提供を(NTTデータ経由で)開始したようです。

ChatGPTなど米国製の生成AIでは日本語学習量が極めて少ないため使用されているLLMの使い勝手が悪いようです。このことを背景に、日本国内において日本語に特化したLLMを開発する動きが広がっているようです。tsuzumi以外に、ソフトバンク、KDDI、パナソニックなどで開発中、開発予定のようです。

2023年11月の発表のニュースリリース(2023.11.1)のページは、https://group.ntt/jp/newsrelease/2023/11/01/231101a.htmlです。

2024年3月の提供開始のアナウンス(2024.3.25)のページは、https://group.ntt/jp/magazine/blog/tsuzumi20240325/です。

2024年10月のマイクロソフトの提供開始のニュースリリース(2024.11.20)のページは、https://www.nttdata.com/global/ja/news/topics/2024/112000/です。

※1 関連ブログ(”大規模言語モデル(LLM)”とは、2024.2.5)のページは、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/1fa9298d38c84e6200d3d2944bf88125です。

※2 関連ブログ("生成AI"とは、2024.2.4)のページは、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/9e2c00c1de0aefa38294f3486089d103です。

※3 次の文献を参照:島田明、川添雄彦著『IOWNの正体』、日経BP社、2024年12月11日第1版第2刷発行、pp.140~147。


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"動画生成AIサービス"とは

2024-12-19 23:20:11 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

大量データの学習結果を基に、人間の指示や質問によって文章や画像、音声などを出力する"生成AI(※1)"のうち、特に動画を出力できるサービスを指しています。

最近、巨大IT企業などからこの種のサービスが相次いで発表されています。以下のようなものです。

●オープンAIからの"ソラ(Sora)"  2024年2月15日に、一部の映画制作者やクリエーターなどに提供開始されていましたが、2024年12月9日に、米国や日本などで一般への提供が開始されました(※2)。

●アマゾン・ドット・コムからの"アマゾンノバ・リール(Amazon Nova Reel)"  2024年12月3日にクラウドサービスとして開発者などに向け提供開始されました(※3)。

●グーグルからの"ベオ(Veo)"  2024年5月14日より一部の映画関係者らに提供開始されました(※4)。Veoは1分超の長さの動画を生成可能です。なお、Veoに先駆け、2024年1月23日には、長さ5秒の動画を生成できる"ルミエール(Lumiere)"が発表されています。また、2024年6月には、プレゼン用動画を生成する"ビズ(Vids)"が業務用サービス「グーグルワークスペース」の一部利用者向けに提供開始されています。

●メタからの"ムービージェン(Movie Gen)"  2024年10月4日に発表されています(※5)が、提供開始時期は現状未定です。なお、これに先駆け、2023年11月には、画像生成の最初の基礎モデル"Emu” モデルを活用した"Emu Video”(注:生成される動画は4秒程度)が発表されています。

静止画などと同様、本サービスによるメリットとともに、有名人になりすますなどの偽動画や著作権や肖像権・名誉侵害の動画などの横行を食い止めるための対策も必要です。即ち、動画の真偽を見極める有効な技術の開発(注:動画の出所などを明示する「電子透かし」の搭載や生成動画にラベル付けするなどが考えられていますが安全性を担保できるかの検証も必要)や動画生成AIサービスの運用ルール、偽情報発信に対する法整備などが世界レベルで検討されている状況です。

※1 関連ブログ("生成AI"とは、2024.2.4)のサイトは、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/9e2c00c1de0aefa38294f3486089d103です。

※2 ニュースリリース(2024.12.9、オープンAI)のサイトは、https://openai.com/index/sora-is-here/です。

※3 ニュース(2024.12.3、アマゾン・ドット・コム)のサイトは、https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2024/12/amazon-nova-foundation-models-bedrock/です。

※4 2024年5月14日開催の開発者向け会議"Google I/O 2024"の基調講演の模様の動画(YouTube、34分あたりからVeoの説明)のサイトは、https://www.youtube.com/watch?v=XEzRZ35urlkです。

※5 関連記事(ロイター、2024.10.8)のサイトは、https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/meta-challenging-openai-announces-new-ai-model-that-can-generate-video-with-2024-10-04/です。


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"ハルシネーション(Hallucination)"とは

2024-12-01 23:11:29 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

指示や質問に対する生成AI(※1)の回答内容に関する概念で、学習の不十分さ等(※2)から生成AIが虚偽あるいは誤解を招くような情報を回答してしまう現象を指しています。このことが「もっともらしいウソ」をつくという意味合いから、このように呼ばれるようになったようです。ちなみに、英語の"Hallucination"は、「幻覚」、「幻影」といった意味です。

上記のような意味合いでハルシネーションが使われるようになったのは2010年代後半からで、特に2022年の"ChatGPT"や2023年の"Microsoft Copilot"のようなLLM(※3)の公開によって注目度が増しているようです。

ハルシネーションは、それを減らす方向に改善したり、少なくなるような指示や質問を行うよう心掛けることはできても、完全になくすことは難しいようです。即ち、生成AIの出力の正確さや信頼性を100%担保することはできないようです。

生成AIの回答を真実の情報と思って利用したり拡散したりすると、ハルシネーションの存在により影響を受けたり与えたりする可能性があります。生成AIの利用に当たっては、ハルシネーションが存在し得ることを認識しておく必要があります。

生成AIにおけるハルシネーションという問題は、知られているもう一つ「偏向(バイアス)」がかかる問題(即ち、生成された回答が人種や性別などの社会的な偏りが反映されたデータの学習から得られた不公平なものとなり得る問題)とともに、生成AIの利用における負の(というより注意が必要な)側面であり、健全な社会の維持に向けた今後の更なる対応が求められている状況です。

※1 例えば、関連ブログ("生成AI"とは、2024.2.4、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/9e2c00c1de0aefa38294f3486089d103)を参照願います。

※2 具体的には、学習データ自身の不足や間違い、学習データに関するAIの理解不足や誤認、AI自身の作りに関する問題(学習データ取り扱い方法)などです。ハルシネーションが起こり得る原因となるものです。

※3 大規模言語モデル(Large Language Models)。膨大なテキストデータから学習し文章の理解や生成を可能にします。自然言語処理(NLP)技術とディープラーニングと呼ばれる機械学習技術とを利用することで構築されます。


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“アップル・インテリジェンス(アップル)”とは

2024-10-01 23:17:30 | AI(人工知能)・生成AI・応用・対策

2024年9月20日(金)に発売された「iPhone16」シリーズ(注:4機種、2024.9.9カリフォルニア州スティーブ・ジョブズ・シアターにて発表された※1)に導入されたアップル独自の”生成AI(※2)”です。現在は英語のみで利用可能(※3)で、日本語への対応は来年以降になるようです。

報道によると、この機能を利用することにより、以下のようなことができるようです。

・気になるレストランやイベントのポスターなどにカメラを向けると、検索結果としてそれらに関連する情報が瞬時に得られたり、

・受信した長文の電子メールの本文を要約したり、返信内容を作成したり、

・オリジナルな絵文字を作成したり、などなど

です。

生成AIについてはメリットだけでなく偽情報や著作権に関する問題も想定されており、課題への対応も含め世界的に注目された技術・サービスとなっています。MM総研の調査によると、認知度は高い(75.4%)ものの、実際に利用したことのある人はまだ少ない(12.5%)ようです(※4)。

今回のアップル・インテリジェンスの導入は、このような背景もひとつにはあるかと思いますが、スマートフォン等への導入については、「アップル」が最初ではなく「サムスン電子」や「グーグル」において既に対応済みのようです。即ち、前者は2023年4月より”Galaxy S23”シリーズに導入、また後者は2023年12月より生成AIの”Gemini”が利用可能となっているようです。AIの導入で遅れを取っているアップルですが、独自のAIやその他の機能等で巻き返しが図れるか、今後の利用動向が注目されます。

※1 報道の動画は、例えば、https://www.youtube.com/watch?v=ZfRdibksoaU&t=8s(テレ東BIZ、2024,9,10公開)です。

※2 生成AIについては、例えば、関連ブログ("生成AI"とは、2024.2.4)の以下のページを参照願います。https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/9e2c00c1de0aefa38294f3486089d103

※3 iPhone16の全4機種およびiPhone15の上位2機種(Pro、ProMax)において最新OSの搭載を条件に利用できるようです。

※4 MM総研のプレスリリース(2024.8.21)のサイトは、https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=639です。


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