地球の脱炭素化の取り組みの重要性が増していますが、そこで扱われる「温室効果ガス排出量」は、CO2、メタン、一酸化二窒素、フロン等の温室効果ガスの排出量のことですが、排出されるガスそのものを直接測定したものではなく、「ガス排出の原因となる活動の量」と「その活動の排出係数」とを用いて間接的に算出されたものが用いられています。
即ち、当該温室効果ガスについて、次のように算出されます。
排出量=活動量(※1)×(活動あたりの)排出係数(※2)
上記で、※1は関連する活動の統計データなどから、※2は研究結果などから、それぞれ得ているようです。
なお、各温室効果ガスについての排出量の合計を、例えば国単位で「総排出量」として表す場合には、CO2以外の各温室効果ガスについて、「当該ガスの排出量」に「温暖化係数GWP(Global Warming Potential、即ち、CO2を1としてCO2の何倍か)」を掛け、全ガスについての合計を「CO2換算値」として用いているようです。
即ち、当該温室効果ガスについてのCO2換算排出量は、以下のように算出されます。
CO2換算の排出量=活動量×(活動あたりの)排出係数×温暖化係数GWP(※3)
上記で、※3は、現在IPCC(※4)第4次評価報告書(2007)のGWP値が用いられているようです。
※4 Intergovernmental Panel on Climate Changeの略で、国連気候変動に関する政府間パネルのこと。
我が国の温室効果ガスの総排出量の2010~2020年度の推移は、下のグラフのようになっています(※5)。参考までにCO2の排出量も示しています。2013年度をピークに減少はしていますが、2030年度に2013年度比46%減の目標、2050年のカーボンニュートラル化(※6)のクリアは大きな課題のようです。
※5 https://www.nies.go.jp/gio/aboutghg/index.html(国立環境研究所)の2022.4.19付けの確報値より。
※6 関連ブログ("2050年カーボンニュートラル宣言(政府)"とは、2022.3.18)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/d6c34b9e4fecc60f4cebe0e71b750f03です。