"アドフラウド(広告詐欺)(※1)”の手法の一種で、広告主からの広告収入を稼ぐためだけに作られた詐欺サイトのことです。MFAサイトの"MFA"とは、"Made For Advertising(広告だけのために作られた)"の略です。「生成AI」が利用できるようになったことで、2023年頃から横行するようになっているようです。
MFAサイトは、大量の広告が貼り付けられ、ネット上の文章や画像を寄せ集めただけの低品質なサイトのようです。このようなMFAサイトは、生成AIを利用することで、専門知識なしでもわずかな費用と時間でできてしまうようです。また、生成AIを利用すると、構築したサイトをネット検索結果の上位に表示させること(SEO:検索エンジン最適化)も可能なようです。
インターネット広告は、最近では「運用型」と呼ばれる広告掲載タイプが主流となっていますが、その仕組み(※2)にMFAサイトを組み入れることで、広告収入を稼ごうとしているようです。人間の目では見えないほど小さい広告枠を大量に配置したり、同じ広告を数秒単位で何度も更新したりして表示回数を水増ししたりするようです。また、「ボット」と呼ばれる自動化プログラムでMFAサイトへの機械的なアクセスを行い閲覧数をかさ上げしたりするようです。
MFAサイトの氾濫によって広告主の損害が深刻化しているようですが、通常サイトとMFAサイトとの違いを簡単に見分ける方法は存在しないようです。ですが、MFAサイトの以下のような特徴に注目することで見分けられる可能性はあるようです。
・テンプレートで作られたようなデザインのサイトが多い。
・Webページ内に掲載される広告がやたらと多い。
・広告以外のコンテンツの品質が低い:自動生成されたような内容、価値のない薄い内容など。
・自動更新される広告、自動再生される動画広告の割合が多い。
・サイト訪問者の挙動が不自然:滞在時間小、ページ間移動少、コメントなどの反応少など
・MFAサイトの場合、広告主サイトへのジャンプが多くはSNSや広告からで検索エンジンからではなく、短時間に大量である。
インターネット広告が健全に運用されるために、それに関与するステークホルダー(広告主、サイト運営者、広告配信業者、広告コンテンツ業者、ネットユーザー、業界団体など)の対応が必要ではないかと思われます。
※1 関連ブログ("アドフラウド(広告詐欺)"とは、2017.3.25)のページは、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/40e377f9ec02cf61cd4b3c79979709fdです。
※2 インターネット広告は、モノやサービスを売る広告主が、ネットユーザからよく閲覧されるWebサイトなどに自分の広告を掲載し、広告の表示回数やクリック数などに応じてWebサイト側に広告費を支払うという形態です。最近の広告掲載は、従来の「予約型」と異なり、サイトに掲載される広告がサイト閲覧時に閲覧者の属性などに応じて決まる「運用型」が主流になっています。そこでは、閲覧から広告掲載までに人手が介在せず、システムで瞬時に行われる点が特徴です。下図参照。