気になるキーワードや製品のコレクション(IT編)

メルマガ、新聞、雑誌などに登場する(増田悦夫の)気になるキーワード、製品を取り上げ、ITの進展をフォローします。

"デリスキング(De-risking)"とは

2024-07-26 23:57:35 | 安全対策・サービス

”risking(リスク)”に否定や脱却を意味する接尾辞”de”を付けたもので、直訳的には「リスク脱却」、「リスク回避」といった意味合いです。あるいは、”de-risk”または”derisk”という動詞(注:意味は、英英辞典レベルで”to make something safer by reducing the possibility that something bad will happen and that money will be lost”)にingをつけもの(即ち、動名詞あるいは現在分詞)といってもよいと思います。

「デリスキング」は、昨年あたりから広く使用されるようになった(※)言葉で、それが実際に意味するところとしては、重要鉱物(レアアース、マグネシウム、ガリウムなど)や先端技術(半導体やAIなど)について、安全保障上の懸念のある国などへの依存度を減らす考え方を指しているようです。

そのための方策として、具体的には、同盟国や同志国の間で、原材料や部品を調達できるようにサプライチェーン(供給網)を見直すことや、先端技術がそれ以外の国に流出しないようにすることを指しているようです。

国家安全保障の面から、リスク回避を目的に特定な国との経済関係を完全に断つような「デカップリング(Decoupling、分断あるいは切り離し)」ではなく、経済的な繋がりや相互依存関係は保持しつつ、それに伴うリスクを最小限に抑えるようにすることを意味しているようです。

デリスキングは、現実的なアプローチとして有効な方針と考えられますが、経済面と安全保障面とをいかに両立させていくか、その落としどころをどうするかなど推進していく際の課題もありそうです。

※)脱ロシア依存や脱中国依存を進め経済安全保障上のリスクを低減したいEUの欧州委員会委員長のウルズラ・フォンデアライエン氏が、中国訪問前に行った、2023年3月の講演の中で、この言葉を取り上げるとともに、同年5月に開催されたG7広島サミットでも中国との向き合い方の方針として共通認識されたことなどから、広く知られるようになったようです。


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“紛失防止用タグ”とは

2022-09-25 23:22:40 | 安全対策・サービス

スマホや財布、鍵など、紛失したり置き忘れしたりすると困るようなものに装着し、スマホとの連携により、その発生を防止したり、発生してしまった場合に位置情報など探す支援をしてくれる小型機器のことです。

価格は、1個2~3000円程度~と手ごろで、スマホや財布、キーホルダーなどに簡単に取りつけることが可能であり、また財布の中に入るものもあったりします。置き忘れや紛失などの未然防止や起こってしまった場合の探す手間の削減などに役立つことから、最近利用者が増えているようです。

現在、この種のタグとして、以下のようなものが知られているようです。

■「AirTag」(2021.4.30販売開始、米アップル製):関連ブログ(“AirTag(アップル)”とは、2021.4.30)のサイトは、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/274204c3d0c0910ae32b3779a44d4175です。参照願います。

■「MAMORIO」(2017年から提供、MAMORIO製):紛失防止機器販売のMAMORIO(注:2012年設立、以前の名称”落し物ドットコム”、東京都千代田区、https://mamorio.jp/)が、クラウドファンディングを利用して開発し、2017年から提供しているようです。近距離無線通信規格のBluetooth機能を備え、財布や鍵に取り付けて使用している場合、それらがスマホから離れるとBluetooth接続が切れ、そのタイミングで置き忘れの注意喚起メッセージが出たりするようです。関連のプレスリリースとして、以下ようなものが発表されています。

・https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000022173.html(2017.12.1)

・https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000022173.html(2017.6.27)

・https://www.atpress.ne.jp/news/50615(2014.9.3)

■「Tile」(2017年12月以降順次、米Tile製):iPhoneやAndroidのスマホアプリを操作することで、Tileの音を鳴らすことができるため、紛失物や忘れ物にTileが付いていると探せるようです。スタンダードの「Mate」、ハイスペックの「Pro」、薄型カードサイズの「Slim」、裏面シール付きの「Sticker」の4タイプが提供されているようです。世界の195カ国で売れているようです。関連のプレスリリースとして、以下にようなものが発表されています。

・https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000030386.html(2020.3.3)

・https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000030386.html(2017.12.8)

紛失した場合の影響を考えられると、これらの製品のコストパフォーマンスはよいと言えそうです。


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"パーキングアシスト機能(自動車メーカー各社)"とは

2022-08-14 23:30:27 | 安全対策・サービス

駐車場での事故の発生状況(※)やセンサーなどの技術向上を背景に、駐車の苦手な人の支援として、最近、多くの車種に搭載されつつある、簡単な操作で迅速に駐車をできるようにした機能(やシステム)です。

※ 車両事故の約3割が駐車場で発生しているとのことです(注:日本損害保険協会調査)。

以下のような名称の機能(やシステム)が知られています。

■「アドバンストパーク(高度駐車支援システム)」(トヨタ自動車)

 駐車区画の横でスイッチを押すと、あとはほぼ自動で駐車できるようです。また、専用のスマホアプリを利用し車外から遠隔での操作も可能とのことです。アクア、ヤリス、ヴォクシーなど8車種に搭載。https://toyota.jp/safety/scene/parking/index5.htmlを参照。

■「インテリジェントパーキングアシスト」(日産自動車、トヨタ自動車)

 ハンドル操作が自動で行われ、人はアクセル・ブレーキの操作と周囲の安全確認を行うだけでよいようです。日産はセレナ、エクストレイルに搭載。https://www.nissan-global.com/JP/INNOVATION/TECHNOLOGY/ARCHIVE/INTELLIGENT_PARKING_ASSIST/を参照

■「スマートパノラマパーキングアシスト」(ダイハツ工業、トヨタ自動車、スバル)

 車が駐車スペースを認識し画面経由で支援します。人はナビ画面の指示に従い、ギヤ、アクセル、ブレーキを操作することで迅速に駐車ができるようです。ダイハツは、タント、タフト、ロッキーなどに搭載。https://www.daihatsu-chiba.co.jp/car_guide/parkingを参照

以上のシステムは人間の駐車操作の支援ということで簡単ながらも人間の操作が入りますが、駐車操作全体(即ち、駐車および出庫)をロボットに任せるような仕組み(注:”自動バレーパーキング”などとも呼ばれる)の実験も行われているようです。ショッピングモールの駐車場入口付近で車を停めてロボットへ引き継ぎ、所定の場所に駐車してもらい、出庫時も予約して駐車場入口まで運んでもらうような実験です(※2)。

※2 関連のプレス向け情報や紹介動画のサイトは以下です。

-プレス向け情報(2022.6.13、三菱重工)のサイト:https://www.mhi.com/jp/news/220613.html

-紹介動画(2022.6.27公開)のサイト:https://www.youtube.com/watch?v=9Lz-llUNSrw


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"DRIVE CHART(モビリティテクノロジーズ)"とは

2022-02-19 23:38:27 | 安全対策・サービス

タクシー配車アプリ最大手のモビリティテクノロジーズ(1977年8月~、東京・港区)が提供している、AI搭載ドライブレコーダー(以下ドラレコ)をベースとする次世代型の交通事故削減支援サービスです。

2021年1月時点で、このドラレコを搭載する契約車両の台数が累計で3万台を突破したとのことです(注:下記のプレスリリースを参照)。タクシー、企業の営業用車両、長い走行距離を走るトラックなどに導入が進んでいるようです。

ドライブレコーダーにAIを搭載しかつIoT/CPS(Cyber Physical System)化して運用することにより事故削減の支援を行うようになっているようです。AIの搭載により運転における急加速・減速や車間距離不足を検知したり、脇見運転も検出できるようです。今後はドライバーの居眠りや眠気も検知できるようにしたいとのことです。さらに、個々のドライバーには運転傾向のレポートも提供されるため、それを改善に向けてのフィードバックに利用することも可能とのことです。

また、モビリティテクノロジーズは、住友三井オートサービスのリース車両を利用している企業向けにDRIVE CHARTを提供できるよう、2021年12月にはSMAサポートと業務提携の契約を交わしているようです。

DRIVE CHARTは、交通事故削減に向けたIoT/CPS、AIの有益な応用事例と考えられます。

関連するプレスリリースのサイトは以下です。

2022.1.6:https://mo-t.com/news/pr/2022/01/06/6cdiadawy64fwfrdfmtfvx

2021.12.16:https://mo-t.com/news/pr/2021/12/16/1zva41krgne1cxxqucfgmz

関連するブログ(2019.6.25)は、https://blog.goo.ne.jp/blspruce/e/90f21b07aaa70d0c3fa2b135460296cc?fm=entry_awcです。


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“D-Call Net(HEM-Net)”とは

2021-12-09 23:41:55 | 安全対策・サービス

認定 NPO 法人のHEM-Net(Helicopter Emergency Medical Service Network、救急ヘリ病院ネットワーク)が2015年に試験運用を開始し2018年4月から本格運用している「先進事故自動通報システム(AACN:Advanced Automatic Collision Notification)」です。

このシステムに対応した車(注:エアバッグシステム内にEDR(Event Data Recorder)を搭載した車)が事故に遭遇すると、その車からその時の状態や場所がサーバーに自動通報されドクターヘリや救急車が迅速に現地へ駆けつけるようになっているようです。

具体的には、1)対応車(注:2021年9月時点で約300万台)で事故発生、2)対応車から自動で衝撃度や位置の情報がD-Call Netサーバー通報される、3)サーバーに蓄積された事故データ280万件から死亡・重症率が算出され、消防本部指令室(注:現在、724か所)およびドクターヘリ基地病院(注:現在、43道府県61病院)へ送信される、4)両者が連携し救急車とドクターヘリ/ドクターカーが現場へ派遣される、というような仕組みになっているようです。

なお、現在、第2種のD-Call Net(注:EDR搭載型である現在の第1種とは別に、D-Call Netに対応した通信機能付きドライブレコーダーが既販車などに後付けで搭載されて事故時の画像情報+位置情報がコールセンターへ通知されて出動するタイプ)を開発中で、2022 年度の試験運用を経て、2023 年度から本格運用される予定のようです。

プレスリリース(2021.12.7)のサイトは、https://hemnet.jp/wp-content/uploads/2021/12/プレスリリース.pdfです。

紹介動画(HEM-Net製作)のサイトは、https://www.youtube.com/watch?v=W59Ebi5fAl4&t=3sです。


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“通信機能付きドラレコ(NTTドコモ)”とは

2020-11-21 23:00:31 | 安全対策・サービス

NTTドコモが11月18日より開始した、通信機能を備えたドライブレコーダー(ドラレコ)の発売とそのサポートサービスです。

このサービスは、運転中の事故や車上荒らしにあった際にドラレコに自動録画された内容(注:運転中の事故では事故発生時点の20秒間の、エンジンが切れた状態の衝撃検出ではその時点の10秒間の内容)をその通信機能でクラウドサーバーに送信し、そこに保存するとともに、予め登録されたスマートフォンに通知するようになっています。

サービスを受けるためには、このサービス専用のドラレコ(3万円台)の購入とドコモ回線の契約が必要で、このサービスの料金は700円~/月(注:2年契約の場合)とのことです。

報道発表資料(2020.11.13)のサイトは、https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2020/11/13_01.htmlです。

ストーリー動画のサイトは、https://www.youtube.com/watch?v=hfvORd3Rerw&feature=emb_logoです。


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“自動ブレーキ”とは

2019-11-22 23:45:02 | 安全対策・サービス

自動車に搭載され衝突事故を防ぐために自動で作動するブレーキです。

カメラやレーダーを組み合わせて人や車を検知し作動するようになっています。自動ブレーキの例として、トヨタの「トヨタセーフティセンス」やSUBARUの「アイサイト」などが知られています。

自動ブレーキに関し、政府は、数年以内に(注:2019年内にも具体的な時期を決定する方向で調整中)、日本で新車を販売するメーカーに対し、現行の基準よりも厳しい「国際基準」を満たすよう義務づける方針とのことです。高齢者ドライバーらによる事故を減らす狙いがあるようです。ここで、国際基準とは、2019年6月に、国連の「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」の専門分科会(第178回会合)が定めた以下の3つの条件のことです。

1)対静止車両:静止車に40km/hで接近しても衝突しない。

2)対走行車両:20km/hで前を走る車に60km/hで迫っても衝突しない。

3)対歩行者:5km/hで道路を横断する歩行車に30km/hで近づいても衝突しない。

なお、自動ブレーキの現行の性能認定制度は以下のようになっており、国際基準よりは緩く、しかも認定を受けることは義務化されていません。

1)対静止車両:静止車に50km/hで接近した時、衝突したとしても20km/h以下で、または衝突しない。

2)対走行車両:20km/hで前を走る車に50km/hで接近したとき衝突しない。

3)対歩行者:-(規定なし)。

WP29の概要のサイトは、https://www.mlit.go.jp/common/001296244.pdfです。

 

 


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“ドライブチャート(DeNA)”とは

2019-06-25 23:53:26 | 安全対策・サービス

ディー・エヌ・エー(DeNA)が6月4日に開始した、AIを活用して運転ミスによる事故を未然に防ぐ法人向けのサービスです。DRIVE CHARTと綴ります。「AIを活用した交通事故削減支援サービス」と呼ばれています。

このサービスは、専用の車載器+クラウドサービスによって提供されます。車載器は、車の速度や車間距離、ドライバーの視線やまぶたの動きなどのデータを集めて、それらをクラウド上へ収集します。収集されたデータは、AIによって解析され、急加速や急ブレーキなどの危険な運転が位置情報、映像とともに記録されて、それがドライバーに伝えられるようです。また、後から記録された情報をスマホで見ることもできるようです。

トラック500台やタクシー100台を用いた半年間の実証実験で、事故削減効果もあったようです。トラックで48%減、タクシーで25%減とのことです。既存のドライブレコーダーよりも、リスク検出能力が高いとのことです。

今後は居眠りなどを防ぐアラート機能も追加する計画のようです。

プレスリリース(2019.6.4)のサイトは、https://dena.com/jp/press/004478です。

 


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“GC-DR3(JVCケンウッド)”とは

2018-08-10 23:48:46 | 安全対策・サービス

JVCケンウッドが8月上旬に発売された小型ドライブレコーダーです。

「JVCのカメラ技術を搭載し、高画質録画を実現したコンパクト&高機能なエントリーモデル」、「拡大するドライブレコーダー市場に向けJVCブランドで展開」などのフレーズが付けられています。

映像分野で認知度が高い「JVC」のブランドで販売し、既存の「ケンウッド」ブランド品と合わせて幅広いユーザーに訴求する狙いがあるようです。

本体サイズは、幅約62mm×高さ約51mm×奥行約37mm(注:ブラケット装着時は約62mm×約84mm×約37mm)とコンパクトで、小型車にも対応できるようです。重さは約63gです。

フルハイビジョン(1920×1080ドット)の撮影に対応し、ナンバープレートや標識など、走行時の様子をより細部まで鮮明に記録できるとのことです。

また、HDR(High Dynamic Range)呼ばれる機能が搭載され、逆光やトンネルの出入り口などの明暗差が激しい環境でも安定して高画質で明瞭な撮影が可能とのことです。

さまざまなシーンに合わせ、以下のような4つの記録モードが用意されています。

(1)常時録画モード:エンジンのON/OFFに連動して、本機の電源が自動でON/OFFし、録画も自動でスタート/ストップする。

(2)イベント記録モード:本機に搭載のGセンサーが突発的な衝撃や急激な速度変化などを検出すると自動的に録画を開始する。

(3)駐車録画モード:駐車中の衝撃や動体を検出すると自動で録画・保存を開始する。

(4)写真撮影モード:表示している映像を写真として保存する。

オープン価格ですが、市場では税抜1万6000円前後と想定されています。

報道発表資料(2018.7.26)のサイトは、http://www3.jvckenwood.com/press/2018/gc-dr3.htmlです。


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“テレマティクス保険”とは

2016-08-23 23:04:37 | 安全対策・サービス

テレマティクス(※)を利用し、走行距離や運転特性などの情報をドライバー毎に取得し、その情報を基に保険料を算定するような自動車保険のことです。

※)自動車などに通信システムを組み合わせリアルタイムに情報サービスを提供する仕組み。

即ち、保険会社は、自動車に設置された端末機から走行距離や運転速度・急ブレーキ等の運転情報を運転者毎に取得し、それを分析することによって保険料率を算定するモデルです。

保険料率を、走行距離に連動させる「走行距離連動型」(PAYD:Pay As You Drive)と運転の仕方に連動させる「運転行動連動型」(PHYD:Pay How You Drive)の2つのタイプがあるようです。

事故リスクの大きさに応じて詳細な保険料を設定することにより、安全運転の促進の効果や事故の減少効果が期待できるようです。

欧米市場では、テレマティクス保険の認知度が向上し、保険料が削減でき、支払う保険料の公平性が感じられることから、保険への加入者が増加すると予測されているようですが、我が国で も、自動車会社及び保険会社において、テレマティクス保険の導入が進みつつあるようです。

例.本田技研のinternavi、オリックス自動者のe-テレマ、損保ジャパン日本興亜のスマイリングロード、三井住友海上火災のスマ保などです。


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