大石あきこさんが橋下徹に訴えられた裁判で、完全勝訴したことはこの間書いた。
今度は山口敬之だ。
今日、あの伊藤詩織さんをレイプした犯罪者山口敬之に
大石さんが名誉棄損で訴えられていた裁判の控訴審判決が出た。
そもそも山口が問題にしたのは
大石あきこさんが2019年に旧ツイッターに載せた2つの文だった。
その1:
「もとTBSの記者で安倍総理の❝御用❞山口敬之氏、伊藤詩織さんに対して計画的な強姦を行った。その山口氏側の敗訴不服の記者会見に伊藤詩織さんが出席している。強くてまっすぐな人だ。たくさんの絶望を支援者と乗り越えてきたんだろうな。」
その2:
「一億円超のスラップ訴訟を伊藤さんに仕掛けた。とことんまで人を暴力で屈服させようという思い上がったクソ野郎」
この2文について著しく名誉を棄損されたとして、山口は2022年東京地裁に訴え、
次の3点を請求した。
①上記2つの文をツイッターから削除すること
②損害賠償金880万円を山口に支払うこと
③山口に対する謝罪文をツイートすること
2023年7月の地裁判決では、
〈その1〉は適法な論評であるとしたが、
〈その2〉は「1億円余りのスラップ訴訟をしかけた」までは問題なしだが、
続く文の中の「クソ野郎」は攻撃的かつ激しい侮辱であるとして名誉棄損を認め、
22万円の賠償金支払いと、ツイッターの文〈その2〉を削除するよう命じた。
その地裁判決は大石側、山口側双方とも不服として東京高裁に控訴した。
で、今日2024年3月13日の高裁判決(相沢真木裁判長)が出たんだけど、
高裁では22万円支払いなどを命じた1審判決が取り消され、
山口敬之の請求は全て棄却された。
高裁で一審判決が革新的に覆るのは難しいとされる中でのこの判決だ。
大石あきこさんは嬉しかっただろうな。
最近、頬がこけてきた大石さんを動画で見ていて私は密かに心配していたのである。
問題の「クソ野郎」表現について相沢裁判長は、
「クソ」という言葉が直ちに人糞を意味するとは解されず
「クソじじい」や「クソまじめ」、「クソ忙しい」などと
ののしりや強調の意味で用いられるとして
「『クソ野郎』という表現は、いさささか品性に欠けるきらいがあるものの、
他人に対する最大限の侮蔑表現であるのかは、
疑問を差しはさまざるを得ない」とし、その観点に立ち、
「直ちに人身攻撃となり、意見や論評の域を逸脱したとは断じられない」
と判断した。
一審判決が「クソ野郎」という言葉そのものを
人身攻撃の表現で違法だとしたのに対し、
二審は「クソ野郎」がどのような内容に対しての言葉であるかを考えたという点で
画期的だったのではないだろうか。
即ち、一億円超のスラップ訴訟を伊藤さんに仕掛けたクソ野郎=O.K.
とことんまで人を暴力で屈服させようという思い上がったクソ野郎=O.K.
言葉そのもので断罪した「貴族的」な一審判決と鮮やかな違いだ。
相沢裁判長、あまり良い評判は聞いてないけど今回は見直した。
裁判報告の記者会見で大石さんが、
「私は誰にでも「クソ野郎」と言っているわけではありません」
と弁明するのが可愛かった。
とにかく、言葉狩りにならず、言論の自由が確保されたと言うか、
悪に対して強い言葉で論評することを法的に認めたいい判決だったと思う。
フェイスブックなどのサイトでは「馬鹿」「クズ」などといった罵り表現を
避けるのが当然という傾向があるが、
「馬鹿」「クズ」に値する内容であれば、
その表現を使ってもいいのだと太鼓判が押されたわけで、
大石さんほどではないが普段から悪に対する強い表現を厭わない私としても
表現の自由さが広がり、嬉しい気がする。
近年、ポリティカル・コレクトニスとかが我が物顔に振舞っていて、
それが表現の幅を狭め、表層のみを正しいとする風潮を蔓延させている。
「馬鹿」がだめで「愚か者」がO.K.なんて、
それこそ馬鹿の極致だ。
↓大石あきこ、山口敬之に完全勝利!控訴審 高裁判決後 記者会見 (2024年3月13日15:00〜) ・・・動画ではやたら「クソ野郎」という単語が飛び交って可笑しい(ブルーはーと)