毎日がちょっとぼうけん

日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

韓国のプロテスト文化にあるユーモア感覚

2025-01-06 14:16:39 | 反戦平和

昨年12月3日夜に尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が宣命した戒厳令は、

その後の野党議員と国民有志の迅速かつ勇敢な行動で翌日に取り下げられ、

大統領への弾劾訴追案が可決されるも内乱罪立証は撤回、と複雑に展開しつつ、

今も予断を許さない状況が続いている。

それにしてもこの間、

韓国国民の筋金入りの民主主義と抵抗の精神をまざまざと見せられている。

心底敬服するとともに、本当に羨ましいが、

その精神は日韓併合から、朴正煕、全斗煥など独裁政権との長きに渡る闘いの中で

培われてきたものという。半端じゃないのだ。

それに引き換え、日本は戦争で沖縄・ヒロシマ・ナガサキの犠牲があったといえ、

戦後は「平和憲法」「戦後民主主義」を苦労せず棚ぼたで得たために

その恩恵の対象外だった沖縄県民以外はさっぱり踏ん張りが効かない。

60年代後半の「戦後民主主義の解体」を叫んだ学園民主化闘争は、

似非民主主義を糾弾しながら、では本物の民主主義を実践していたのかといえば

大方は頭でっかちの革命を夢想するヒヨコだったし、

新左翼といわれるグループは労働者との連帯、広範な社会運動の実現を謳い、

社共とともに現実社会の中で地道な活動をする人たちもたくさんいたとは思うが、

あの凄惨な連合赤軍同志殺し事件(1971~1972年)で社会運動は百年後退した。

私は当時、新左翼運動にシンパシーを持つ大学生だったが、

連日報道される連合赤軍事件は、同時代に存在する一人の人間として本当に辛かった。

亡くなった人たちを思うと、自分は死んだように生きるしかないと思った。

今思えばあれはトラウマだったんだろう。

それは今少し形を変えて、私の胸底に沈殿し続けている。

私たちにはあの時代の人間として死ぬまで責任がある。

 

韓国の人々には、

たくさんの身内の血を流しながら築いてきた民主主義のための徹底した行動力と同時に、

ともに笑って前進する大らかさがある。

それも日本人の私は羨ましい。

 

ネットで見つけた下の写真は韓国のSNSで公開されたものだ。

↓①朴槿恵が尹錫悦に先輩風を吹かせて解説している。

「あそこがソウル拘置所ですよ。」(あなたももうすぐ入るから)

↓②金正恩北朝鮮総書記「??こっちゃ、なんもしてないのに?」

また、10万人規模の弾劾訴追要求集会で林立していた旗にはこんなのが。

左上:日本アイドルの来韓講演が正常に行われますように同好会。

右上:歩く時に携帯電話を見ない運動本部。

左下:全国家で寝転がっている連合。(寝かしてくれよ)

右下:全国手足冷え性連合。

 

左上:全国あとまわしにする連合。

右上:韓国は正常営業中です。(心配しないで来てね)

左下:来週試験です。(こっちゃあ、忙しいのに。しっかりしてくれよ)かな?

右下:内気な人グループ。

 

深刻なときにこそ笑いが要る。

これを観て私は韓国の人々が大好きになった。

※旗の写真はデモクラシータイムス【徐台教の韓国通信】年末特番!映画とドラマで知る韓国近代史よりお借りしました。

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