「負けるな博治!」
あの、両足を掴まれ基地に引きずりこまれた山城さんが、
「基地侵入の容疑」で逮捕されたときに、
名護警察署を囲んでシュプレヒコールが何時間も続いたそうだ。
今、またキャンプシュワブ第二ゲート前で、全沖縄で、
同じ掛け声が轟いていることだろう。
辺野古新基地建設反対に全沖縄のみならず、
全国、全世界からはせ参じた人たちを包み込んで、
ゲート前をみんなの元気な解放広場にしていた山城博治さん。
「さあ!今日も頑張ってデモにしゅっぱーつしよう!!」
と掛け声をかけていた山城さんが、病気で入院するという。
みんな、ものすごくガッカリしたに決まっているけど
(今は落ち込んでいる場合じゃない)と、気を引き締めてもいることだろう。
山城さんはいつもゲート前テントで皆にマイクを渡し、
歌を歌ってもらったり、話をしてもらっていたが、
昨日は自分で歌ったという。
「ケ・サラ」、
62歳の山城さんが青年の頃からずっと自分を励ましてきた歌を。
昨日の夜中、私も、部屋でひっそり歌った。
♪ 押さえきれない怒り こらえきれない悲しみ
そんなことの繰り返しだけど
決して負けはしないさ
ケサラ ケサラ ケサラ
私たちの人生は
平和と自由を求めて 生きて行けばいいのさ
泣きはらした夜 迎える朝の眩しさ
涙の乾く時はないけど 決して倒れはしないさ
ケサラ ケサラ ケサラ
僕たちの人生は 平和と自由を求めて 生きて行けばいいのさ
広く 高く 大きく 明日に向かって 力強く
人間の優しさを 歌え 歌え 歌え 歌え 歌え
人間の優しさを 歌え 歌え
明日に向かって 力強く 広く 高く 大きく
―――下は昨日の沖縄タイムスより一部掲載
辺野古反対のリーダー、悪性リンパ腫で闘病へ
今年に入り、沖縄防衛局の資材搬入を警戒する24時間態勢の行動が始まった。山城さんは真冬の仮設テントで1カ月以上寝泊まりしながら、健康不安とも闘っていた。一時、首は腫れ上がり、胃の痛みも自覚していた。
いろいろ検査を受けても、病名ははっきりしなかった。「自分の体がどうのこうのじゃない。運動の今この時期だけはやめてほしい」と、祈るように話したことがあった。
この日、山城さんは涙をにじませながら、マイクを握った。「厳しい闘いは続くが、県内、全国の仲間がいる。海に石一つ投下させては駄目だ」。若いころから自分を奮い立たせてきた「ケ・サラ」を歌った。
突然の報告に、目を赤く腫らす人も多かった。激励の歌やあいさつ。「負けるな博治」と、シュプレヒコールも上がった。留守を預かる平和運動センターの大城悟事務局長は、「博治さんが戻るまでゲートを守っていこう」と力を込めた。
「本当に悔しい。こんな時にベッドの上なんて」と漏らした山城さん。振り払うように、「行動の基本はできている。資材のトラックが来ても、みんなが止めてくれる」と後を託した。握手を求める人の列は、なかなか途切れなかった。(比屋根麻里乃、阿部岳)
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