キラキラ

毎日の生活を写真と共に綴っていきます。

線は、僕を描く

2021-04-06 17:27:59 | Weblog

3月31日(水)読了。

2020年本屋大賞・第3位の作品。

 

水墨画の世界って、そうなんだぁ~ いうことが

よく分かって・・・。

 

 

(僕は線を描く ではなくて、「線は僕を描く」 という

 意味が読んでいく中で分かった!!)

 

 

 

 

主人公の青山霜介は、高校生の時に交通事故で両親を

亡くします。

 

 

 

その後、引きこもりに近い状態で日々を過ごしていましたが、

偶然に水墨画の大家(篠田湖山)からその才能を認められ

その世界で成長していく姿が丁寧に綴られていて。

 

 

 

(著者の砥上裕將氏、思ったより若い方でした。

 文才あり、画才あり すごい!!)

 

 

 

霜介は、湖山画伯から与えられた課題を部屋の床が失敗した

画仙紙で見えなくなるほど懸命に練習を積んでいきます。

 

 

また、霜介は湖山画伯の孫の千瑛と「湖山賞公募展」で

湖山賞を競い合う羽目にも・・・。

 

 

そして、水墨画についてかなり詳しく書かれていて、

素人が読んでもよく理解できてるなぁ~ と。

それもその筈、著者は水墨画家でもありました。

 

 

 

(砥上氏の水墨画)

 

 

 

 

 

水墨画は、「欄に始まり、欄に終わる」 と言われているようです

その教本の中には 「四君子」 というお手本があって、

そのお手本を極めることが最も大切なことであるよう。

 

 

因みに、「四君子」とは 「竹・梅・菊・欄」のことで

草花の君子であると称えられています。

 

 

 

(竹のお手本です。これを見て何枚も時には、1か月も1年間も

 練習をするようです。)

 

 

 

湖山画伯の水墨画を見る視点は

「筆致の雰囲気や絵の性質もいうが、もっと端的に言うと

 楽しんでいるかどうか。」

これを「気韻生動を尊ぶ」と語られていました。

~ 水墨画を鑑賞して、この画家が楽しんで描いているかどうか?~

なんて、とても奥が深いなぁ~。と思った。

 

小説の最後も 霜介と千瑛が闘う関係ではなく、理解しあえる

同志になることもできて。

 

心が穏やかに清々しい気持ちで本を

閉じることができて、何故かうれしかった!!!

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする