犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

トルコに犬と豚を送った韓国

2023-02-27 23:58:22 | 韓国雑学

 2月6日にトルコとシリアの国境付近で起きた大地震の犠牲者は、両国合わせて6万人を超えたそうです。これは、勃発から1年たったロシア-ウクライナ戦争の犠牲者に匹敵する大災害です。

 この地震で、世界各国から災害救助隊が駆け付け、人命救助にあたりました。

 中央日報日本語版2023年2月15日の記事によれば、韓国からも、トルコに121人の海外緊急救護隊(KDRT)と4頭の特殊人命救助犬が派遣され、9日に救助活動を始めてから15日までに、8人の生存者を救出し、遺体18体を収容する活躍を見せたそうです。

 特殊人命救助犬は、「トベギ」「ティナ」「トゥリ」「ヘテ」。このうちトベギ、ティナはラブラドール・レトリバー、トゥリ、ヘテはベルジアン・マリノアで、韓国で2年間、人命救助訓練を受けてきました。

 トルコ国営放送TRTハベルは、

「救助犬は倒壊した建物のがれきの上を歩き回り、人間が入りにくい狭い空間に接近するなど、危険な災害現場を駆け回っていたため、足が傷だらけだった。
 4頭のうちトベギ・トゥリ・ヘテの3頭が割れたガラスの破片や折れた鉄筋のために足をけがした。しかし3頭は治療を受けた後、再び現場に投入され、現在は足に包帯を巻いた状態で引き続き捜索作業を続けている」


と、韓国救助犬が応急手当を受けている様子やけがにも関わらず力強く被害現場で活躍する様子を計16枚の写真を通じて詳しく紹介したということです。

 トルコのようなイスラム圏で、犬は不浄な動物とされているのですが、災害救助犬は別のようです。

不浄な犬

 一方、こんなニュースも。

2023年2月22日付「朝鮮日報」日本語版
「お気持ちだけ頂戴します」…韓国からのトルコ救援物資、取り扱いが困難な食品とは

 地震で数万人の死者が発生し、世界各地から救援物資が続々と届けられている中、トルコやシリアでは韓国人たちが送るランチョンミートの缶詰「スパム」の取り扱いに頭を痛めているという。
 駐韓トルコ大使館は20日、「トルコ人の大多数は豚肉を食べないが、韓国から送られてくる缶詰の多くに豚肉が使用されているため、現地で取り扱いが困難になっている」と明らかにした。
 このため、同大使館では今後、個人が送ってくる食品は受け付けないことを決めた。
 現地では、「トルコの被災者たちには現在、水と粉ミルクが最も必要だ」という声が上がっている。


 ランチョンミートの缶詰「スパム」というのは、韓国のプデチゲ(部隊鍋)でよく使われる豚肉の缶詰。韓国で何種類か出ていますが、「リチェム」(冒頭写真)がトップブランドです。

 報道を見て、善意の個人が、「リチェム」や「辛ラーメン」、「情(ジョン、オリオン製菓のチョコパイ)」などを送ったんでしょう。

 インスタントラーメンにも豚肉からとった成分が入っており、チョコパイにも豚皮から抽出したゼラチン成分が入っているため、イスラム教の国トルコでは食べられないんだそうです。

 三養食品は、イスラム圏向けにハラルのカップ麺を輸出し、業績を伸ばしたというニュースもありましたから、食品メーカーは、イスラムで豚を食べないという食習慣をよく知っているはず。今回、トルコを当惑させたのは、そのような事情をよく知らない、善意の個人たちだったようです。

火鶏炒湯麺

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