犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

新型コロナで一人勝ち

2020-06-29 23:35:24 | 大阪暮らし
 緊急事態宣言が解除された後、近所のお寿司屋さんに行きました。コロナの前は2週間に1度ぐらい通っていたお店です。

 日本酒の飲み比べというのがあって、20種類ぐらいある日本酒の中から3種類選んで1500円。単品で頼むと1本780円だから割安です。定期的に新しい地酒を入れてくれているのもうれしい。

犬鍋「いつからお店開けてたんですか」

主人「うちはずっと開けてましたよ」


犬鍋「そうでしたか。でも早仕舞いしてたんでしょう?」


主「いえ、時間も平常通り」


犬「そうしたら休業要請支援金がもらえないんじゃ?」


主「そんなもん、もらっても意味ないから、がんがんやれって、社長が」


 この店は新大阪に10店舗以上の店を展開するチェーン店。寿司屋、和食、焼き肉、定食など、店の種類も多様です。

 休業要請支援金というのは、1事業主あたりいくらというふうに出るらしく、この店の場合、10店舗あっても100万円なんだそうです。それで、半分ほどの店だけ閉めて、残りの半分は平常営業。閉めた店の従業員は解雇せずに残った5店に振り分けてしのいだそうです。

犬「店名、公表されちゃうんじゃないですか?」

主「かえって、いい宣伝になるって」


犬「お客さんは入りましたか」


主「おかげさまで、いつもより多いくらいでしたよ。
一人勝ちです。ハハハ」

 この店と同じ通りに寿司屋が4軒あって、激戦区なのですが、ほかの店が休業する中、この店だけ平常営業し、うまいことやったもようです。

 ところで、先週末、岩手の長女が孫を連れて帰省するというので、それに合わせて私も埼玉の実家に帰省しました。土曜日には、義妹とその娘夫婦も子連れで遊びに来ました。

 義妹家族が到着するころ、駐車スペースを空けるために玄関の前の出ると、ちょうど1台のベンツが家の前で止まりました。義妹の車はマツダだったので、気にしませんでしたが、ベンツからはなんと義妹の家族が。

犬鍋「なんでベンツ?」

義妹「ハハハ、驚いた? うちの車、小さくて5人は乗れないから、ご近所の人に借りたの」


犬「なーんだ」


 義妹は、若くして旦那を亡くし、女手一つで3人姉妹を育て上げました。教師の経験もないのに、あるチェーンの塾で塾の先生を始め、3年後には独立して、以来、ずっと個人塾を経営しています。

 自宅だから賃貸料はいらない、一人でやるから人件費もかからない、ということで、利益率は相当いいと聞いています。

 わが家には、私たち夫婦と長女母子、次女夫婦、4女がいて、義妹の家からは長女親子と3女がきたので、計12人。狭い家は超密集状態でした。

 しばし、再会を喜び合ったあと、お互いに近況報告。

義妹「あのベンツは借り物だけど、うち、最近、車買い替えたのよ。フィアットに」

犬鍋「外車かあ。駐車場には入るの?」


 義妹の家の駐車場は狭く、小さい車しか入らないはずです。

義「ええ。前のデミオより小さいくらいだから」

妻「塾は再開したの?」


義「実は、休まなかったの」


犬「神奈川は、塾の休業要請が出てたでしょう?」


義「うん、でも学校が休みで、親からはぜひやってほしいって言われたから。看板出さずに授業してた」


犬「闇営業だね」


義「子どもたち、時間が有り余ってるから、いつもにはない特別講座もやって、かえって儲かっちゃった」


妻「だから外車が買えたんだ!」


 ここにも新型コロナで一人勝ちした人がいました。
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