帰国の日、朝(というか夜中)、午前2時半に起きました。
フライトは午後2時なのですが、キアンガンからマニラのアキノ国際空港まで車で8時間ぐらいかかるので、午前3時に宿を出発する予定で、ヴァンを予約していたのです。
空港までD(三女の夫)のお母さんと、叔母さんが見送りに来てくれるとのこと。
私たちが2時50分ごろに、宿の玄関ホールに降りていくと、だれもいませんでした。
3時ちょうどに、別の部屋に泊まっていた娘たち家族が降りてきました。
しかし、手配した車は来ていません。
3時10分になっても来ません。
「ちょっと、連絡したほうがいいんじゃない?」
「連絡したんですねど、メールは既読にならないし、通話にも出ないんです」
「日付とか、時間を間違えてるのかなあ」
「そんなはずは…」
3時20分になりました。
「お母さんと叔母さんのところに、先に回っているのかも…」
「いや、先にこちらに来るように言ってありました」
元日に引いたおみくじの、不吉な予言が頭をよぎりました。
「待ち人、来ず」
(よりによって、ここかあ…)
気を揉みましたが、3時半になって、やっと到着しました。往路はドライバーが一人だったのに、今回は3人。
(1人、余計じゃない?)
途中、お母さんと叔母さんを拾って、夜中の山道を爆走します。さすがにこの時間は、ほかの車はほとんどない。
山を下りて、集落に入りましたが、車はまたもや山道を登り始めます。往路とは違う道のようです。カーブに次ぐカーブ。
しばらく登ったところで、空が白み始め、視界が開けてきました。バナウェの棚田とは違い、火山岩がむき出しになった絶壁が見えます。
ときどき、ツーリングのバイクとすれ違います。みな、日の出を見に来ているようです。
われわれの車は、途中の展望台でも止まることなく、ひた走ります。
一般道を抜け、高速道路に入ることには、すっかり明るくなっていました。
「そろそろトイレ休憩を…」
「もうすぐしたら、ドライブインがあります」
空港まであと2時間ほどのところのドライブインに入り、朝食をとることに。
セブンイレブン、ジョリビー、イナサル、チョーキング…。
フィリピンを代表するファストフードの入ったドライブインです。
しかし、まだ9時前だったので、開いているのはジョリビーだけ。そこにお客さんが殺到して、長い列ができています。
「しかたがない」
フィリピン人は待つことに慣れています。
フィリピン便り~待つ
ジョリビーは、フィリピンのハンバーガーショップ。といっても、ハンバーガーだけではなく、ご飯ものもあります。
Dの話では、ハンバーガーはマクドナルドのほうがおいしいが、チキンはジョリビーがうまいとのこと。
朝食とトイレをすませ、再び車に。ドライバーが交代し、高速道路を爆走して、11時前には空港に到着しました。
フィリピンでは、見送り客は飛行場の構内に入れないので、お母さん、叔母さんとは車から降りたところでお別れ。
Dとお母さんは、抱き合い、涙を流して別れを惜しみました。次に会えるのは、数年後になるでしょう。
ハードな旅でしたが、とくに大きな事件・事故もなく、無事に日本に帰れそう。
ところが、荷物の保安検査で問題が発生。
妻の機内持ち込み手荷物がひっかかったのです。カバンの中から、化粧品セットが出てきました。
「これ、液体ですから、持ち込めません」
「ここで預けて、あとで受け取れますか」
「できません。捨てるしかありません」
「えーっ!」
「トランクに入れればよかったのに…」
普段から使っているものですが、最近買ったばかりで、ほぼ新品状態。二つの化粧品、合わせて時価5000円以上なんだそうです。
韓国に住んでいるときは、毎年のように日韓を往復し、こんな初歩的ミスは犯さなかった妻ですが、このところ海外に出ることが少なくなり、うっかりミスをしてしまったんですね。
飛行機の中では爆睡し、成田から埼玉まで、車で帰宅したとき、時刻は夜の11時を回っていました。
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