犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

フィリピンの警察官、韓国の先生

2023-02-03 23:37:23 | 韓国雑学

写真:札束入り封筒

 今、ニュース番組では、フィリピンの刑務所にいる日本人の囚人たちを、日本に強制送還するかどうかの話題でもちきりです。

 最近日本で起きた強盗事件、強盗殺人事件を、遠隔で指示していたのが、これらの囚人たちらしいのです。

 報道によれば、囚人たちは、刑務所内で所持が禁じられているスマホをもっていたり、特別に快適な部屋を与えられていたりするそうです。

 なんでそういうことが可能かというと、囚人たちが警察(刑務官?)に賄賂をやっているからです。

「真の問題は、フィリピンの警官や刑務官の収入が低いことです。だから賄賂が横行するんです」

 ニュースキャスターはそう説明しています。

 ここで思い出したのが、韓国の「先生の日」における賄賂の慣行。

 韓国では、毎年5月15日(ハングルを創製したという世宗大王の誕生日)が「師匠(先生)の日」とされ、各種の行事が行われます。

 そして、この日に保護者は生徒に「寸志」と書かれた「封筒」をもたせ、先生に渡します。封筒の中身は「現金」です。目的は、上級学校進学のための書類(内申書)にいいことを書いてほしいから。

 封筒はみなが渡しますから、自分の子どもだけ贔屓してもらうためには、他より多くの中身が必要です。それで、金額は年々エスカレートします。

 私が韓国にいた2000年前後、この「寸志」の慣行が社会問題化していました。

封筒先生

 知り合いの出版社社長はこの慣行を嘆いていましたが、

「真の問題は、学校の先生の給料が安いことです」

といっていました。

 韓国の学校の先生は、上級学校に行くほど高く、大学教授はけっこうもらうけれど、特に小学校教師は薄給。自分の生活のために、封筒をもらったり、要求したりするんだそうです。

 あれから20年。韓国の学校の先生の給与がどうなっているのか、「封筒文化」がどうなっているのか、最近の状況はわかりませんが…。

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