「そろそろ日本食が恋しくなってきたでしょう。今日は私がごちそうしますよ」
「そうですね…」
ぜんぜんそんなことはなかったけれど,ごちそうしてくれるのだから断る手はありません。
防弾車で乗り付けた食堂は,高級日本料理屋。以前はサントリーという名前のレストランだったものが,最近代替わりして「シントリー(新鳥)」に改称したとのことです。
店に入ってすぐのところはバーになっています。高い天井にゴージャスな内装は,一流ホテルのロビーを思わせます。
「まずここで一杯やっていきましょう」
バーで食前酒を飲みながら全員揃うまで待ち,あとで個室に案内されるというシステムのようです。
ブラジルは,日本に劣らずビールの銘柄が多い。出張初日,スーパーで何種類か買い込みました。発音が合っているかわかりませんが,ボヘミヤ,ブラマ,イタイパバ,スコル…。どれも軽い口当たりで,まあまあの味です。
ここではまだ飲んだことのない銘柄で,ババリアにしました。野菜スティックをつまみにビールを飲んでいるうちに残りのメンバーが到着し,奥の個室に通されます。掘ごたつ式の和室。肌の浅黒い,長身のブラジル女性が着物を着てサービングしているのがエキゾチックです。
「お勧めは何ですか」
「すき焼きなんか,いんじゃないですか」
勧められたコースを見ると,土瓶蒸しに始まって,刺身盛り合わせ,天ぷら盛り合わせ,すき焼き(またはしゃぶしゃぶ)で,75レアル(約5000円)。
「すごいな。これ,すき焼きというより日本料理のフルコースですね」
このところ連日食べ過ぎでメタボが心配だったので,カロリーの高そうな天ぷら盛り合わせを焼鳥に代えてくれるよう交渉すると,OKとのこと。
酒は,ブラジルに来てまで日本酒では芸がないので,ここはブラジルの地酒を飲むことに。
ブラジルにはサトウキビの焼酎があり,カシャーサまたはピンガと言います。度数は39度できついですが,甘みがある。これにレモンライムのスライスをたっぷり入れたカクテルが「カイピリーニャ」。さらに甘くするために砂糖を入れて飲む人もいるようですが,私は砂糖の追加は遠慮しました。
女性陣はワインリストを見ています。
「今日は,おごりだから好きなものを注文していいよ」と駐在員。
「じゃ,これ」
日系ブラジル人が指さしたワインは5000レアル(30万円以上)!!
「いや,これはちょっと本社の決済が必要だ…」
「冗談ですよ」
「ブラジルのワインはまずいからアルゼンチンのにしましょう」と,日系アルゼンチン人。
「いえ,最近はブラジルのワインもおいしくなったのよ。知らないの?」と,火花を散らす。
ブラジルとアルゼンチンは,日韓に似て,何かにつけて対抗意識があります。
さて,出てくる料理はどれも本格的。たぶん日系の板前が作っているのでしょう。
(土瓶蒸しもすき焼きも久しぶりだなあ)
土瓶蒸し,刺身,焼鳥…,かなりお腹が一杯になってきたとき,テーブルの上のコンロの上にすき焼き用の鍋が置かれる。メインディッシュの登場です。
皿を見て驚いた。とにかく肉の量がすごい。
(こりゃ食べきれないぞ)
今晩も食べ過ぎ間違いなしです。食っても食っても和服のお姉さんが肉を追加する。カイピリーニャにブラジルの赤ワインで酩酊状態になっていたので肉の味はよくわからないのですが,こういう高級店で出す肉だからたぶんいいものなんでしょう。
結局,最後の材料を全部入れたところで,全員ギブアップ。鍋一杯に残ったすきやきは,「お持ち帰り」にしてもらうことになりました。
「明日の夜は,すき焼き丼だ」
デザートメニューが回ってくる。本当は食べないほうがよかったのですが,「アイスのてんぷら」というのが目に入り,思わず注文してしまいました。日本でもその存在は知っていたけれど今まで食べたことがなかった。ただ,酔っぱらっていたので今となっては味を思い出せない。たぶんアイスをてんぷらにしたような味だったのでしょう。
防弾車で送られてホテルについたのはまだ8時半。時差ぼけの影響でものすごい睡魔に襲われ,そのまま爆睡したのでした。(翌朝は3時半に目覚め,オリンピック観戦)
「そうですね…」
ぜんぜんそんなことはなかったけれど,ごちそうしてくれるのだから断る手はありません。
防弾車で乗り付けた食堂は,高級日本料理屋。以前はサントリーという名前のレストランだったものが,最近代替わりして「シントリー(新鳥)」に改称したとのことです。
店に入ってすぐのところはバーになっています。高い天井にゴージャスな内装は,一流ホテルのロビーを思わせます。
「まずここで一杯やっていきましょう」
バーで食前酒を飲みながら全員揃うまで待ち,あとで個室に案内されるというシステムのようです。
ブラジルは,日本に劣らずビールの銘柄が多い。出張初日,スーパーで何種類か買い込みました。発音が合っているかわかりませんが,ボヘミヤ,ブラマ,イタイパバ,スコル…。どれも軽い口当たりで,まあまあの味です。
ここではまだ飲んだことのない銘柄で,ババリアにしました。野菜スティックをつまみにビールを飲んでいるうちに残りのメンバーが到着し,奥の個室に通されます。掘ごたつ式の和室。肌の浅黒い,長身のブラジル女性が着物を着てサービングしているのがエキゾチックです。
「お勧めは何ですか」
「すき焼きなんか,いんじゃないですか」
勧められたコースを見ると,土瓶蒸しに始まって,刺身盛り合わせ,天ぷら盛り合わせ,すき焼き(またはしゃぶしゃぶ)で,75レアル(約5000円)。
「すごいな。これ,すき焼きというより日本料理のフルコースですね」
このところ連日食べ過ぎでメタボが心配だったので,カロリーの高そうな天ぷら盛り合わせを焼鳥に代えてくれるよう交渉すると,OKとのこと。
酒は,ブラジルに来てまで日本酒では芸がないので,ここはブラジルの地酒を飲むことに。
ブラジルにはサトウキビの焼酎があり,カシャーサまたはピンガと言います。度数は39度できついですが,甘みがある。これにレモンライムのスライスをたっぷり入れたカクテルが「カイピリーニャ」。さらに甘くするために砂糖を入れて飲む人もいるようですが,私は砂糖の追加は遠慮しました。
女性陣はワインリストを見ています。
「今日は,おごりだから好きなものを注文していいよ」と駐在員。
「じゃ,これ」
日系ブラジル人が指さしたワインは5000レアル(30万円以上)!!
「いや,これはちょっと本社の決済が必要だ…」
「冗談ですよ」
「ブラジルのワインはまずいからアルゼンチンのにしましょう」と,日系アルゼンチン人。
「いえ,最近はブラジルのワインもおいしくなったのよ。知らないの?」と,火花を散らす。
ブラジルとアルゼンチンは,日韓に似て,何かにつけて対抗意識があります。
さて,出てくる料理はどれも本格的。たぶん日系の板前が作っているのでしょう。
(土瓶蒸しもすき焼きも久しぶりだなあ)
土瓶蒸し,刺身,焼鳥…,かなりお腹が一杯になってきたとき,テーブルの上のコンロの上にすき焼き用の鍋が置かれる。メインディッシュの登場です。
皿を見て驚いた。とにかく肉の量がすごい。
(こりゃ食べきれないぞ)
今晩も食べ過ぎ間違いなしです。食っても食っても和服のお姉さんが肉を追加する。カイピリーニャにブラジルの赤ワインで酩酊状態になっていたので肉の味はよくわからないのですが,こういう高級店で出す肉だからたぶんいいものなんでしょう。
結局,最後の材料を全部入れたところで,全員ギブアップ。鍋一杯に残ったすきやきは,「お持ち帰り」にしてもらうことになりました。
「明日の夜は,すき焼き丼だ」
デザートメニューが回ってくる。本当は食べないほうがよかったのですが,「アイスのてんぷら」というのが目に入り,思わず注文してしまいました。日本でもその存在は知っていたけれど今まで食べたことがなかった。ただ,酔っぱらっていたので今となっては味を思い出せない。たぶんアイスをてんぷらにしたような味だったのでしょう。
防弾車で送られてホテルについたのはまだ8時半。時差ぼけの影響でものすごい睡魔に襲われ,そのまま爆睡したのでした。(翌朝は3時半に目覚め,オリンピック観戦)
治安の問題はあるにしても,サンパウロは日本人には住みやすい街のようです。
やっぱり韓国は高すぎですねぇ。味もいまいちだし。
日本も結構高くなっていました。ちょっとびっくり。