犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国便り~洋酒

2009-03-07 00:26:18 | 韓国便り(帰任以後)
 結局,今回の二泊三日の出張の献立は…。

 ほとんど私の好みで決めさせていただいたのですが,

初日夜:前回出張時に感動した日式刺身盛り合わせフルコース

二日目昼:韓国式中華料理やでサムソン(三鮮)ポックンパプ(海鮮炒飯チャジャン掛け)。

二日目夜:馬場洞畜産物市場に隣接した焼肉街で焼き肉三昧

三日目昼サムゲタン

三日目夜:光橋の名店サリチプが北倉洞に移転した補身湯

と,たいへん充実した(私にとって)ものになりました。

 酒のほうはというと…

 初日は風邪気味だったこともあり,食事だけでお開きに。

 2日目は,馬場からホテルに帰り,日本人女性出張者を明洞のオリーブヤング(化粧品特売店)に案内したあと,遠くに出直す気がしなかったのでホテル最寄りのバーへ。
 日本人3人で話が盛り上がり,ボトルを1本空けてしまった。気がつくと夜中の二時。翌日の業務にかなり響きました。

 3日目は,北倉洞の補身湯の店からほど近いカクテルバー。

 前回出張時の残りのボトルを目当てにしていたのですが,ほとんど残っていなかったのでもう一本入れるはめに。

「何にしましょうか」

「昨日も一本空けたからなあ」

 お互いに財布に相談します。

 韓国の洋酒は高い。焼酎や生ビールの安さに比べて異常な高額です。

 前日はママが一人で切り盛りしているバーで,テーブルチャージもなく,比較的安い店だったのですが,バレンタイン12年が一本14万ウォン。

「これ,いくらだったっけ」

と,空になった「グレンフィディック12年」を指す。

20万です」

(……)

「韓国のウイスキーも試してみますか?」

「韓国でも作ってるの? ウイスキー」

「ありますよ」

 結局,韓国産ウイスキー,スコッチブルー(500㎖)を14万ウォンで頼みました。

(まずい…)

 一口飲んですぐ,われわれは顔を見合わせました。

「これが14万ウォンかあ…」

「でも,これ(スコッチブルー)が出たとき,やっとまともな酒が出た,と思ったんですよ。昔はもっとひどい酒しかなかったから」

「スコッチに比べると,ただのアルコールだね」

 韓国では酒は味わうものではなく,酔うための手段なのだから仕方ありません。

 金曜日の夜だというのに,客はわれわれだけです。

「空いてるね」

「そうなのよ。景気が悪くて韓国人は来ないし,日本からの出張者も少なくなったみたい」

「観光客はいっぱいいるのに」

「おばさんだけでしょ。うちの店には関係ないわ」

 世界的な経済危機は,韓国のバーをも直撃しているようです。

 前日の深酒のせいか,われわれもグロッキー気味。残った酒は次回の出張時に飲むことにして,早々に店をあとにしました。

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2 コメント

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スコッチブルー (スンドゥプ)
2009-03-07 18:34:16
韓国で初めて飲んだウヰスキーはスコッチブルーだったと思う。味が他のウヰスキーと違う。なぜかブドウ酒のような味もする。当然、不味い。値段はシーバスよりも少し安い。
その他、Winsor、Lancelotとか日本であんまり見かけないウヰスキーがいくつかあったが、それらは味は別に悪くはなかった。美味しくもなかったが。
まあ、どうせビールを混ぜて爆弾酒にして飲むのだから、スコッチブルーで十分である。
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スコッチブルー以前の (犬鍋)
2009-03-08 12:18:12
ひどい酒というのは,サムタイムとかパスポートのことです。

韓国のカフェ(女性が2~3人いる飲み屋)に常備されていました。

それらに比べればスコッチブルーはマシでしたが,ま,五十歩百歩っていうやつですね。
返信する

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